王都への旅路は自動拳銃と共に☆
「私がジュウを……ですか?」
「うん。まぁ俺の今持っている銃じゃないが……小さな「え?」あ、いや……女性でも扱える物を。と思っている」
さすがにM19 は重いし、反動もあるからな。
「あ……人を傷つけるのが嫌なら無理にとは「リューナ様のお役に立つのなら!」お、おぅ……」
案外あっさり……価値観が違うのだろうか?
何はともあれ、リンの銃を召喚しないと始まらない。
「じゃ、みててくれ。俺は召喚魔法を使う事ができるんだ」
……あ、召喚魔法がそこまで凄くなかったらどうしよう。
「魔法を使えるんですか!? リューナ様凄いです!」
ふぅ……反応からして恥はかかなかったな。
だが、魔法はそんなにも珍しい物なのだろうか? 王都で聞いてみるか。
リストからハンドガン、えーっと、どれにしようか?
値段的に新しい物は買えないな。殺傷能力を優先させると重くなるし、どうしようか?
……まぁ殺傷能力よりも、牽制ようの安いもので慣れさせようか。
ならば、使いやすい拳銃がある。値段は……うん、安い。
一万八千円を置いて……
「【コルト・ベスト・ポケット】っと」
いつものように魔法陣が現れ、黒い自動拳銃が出現する。
全長は百四十四・三ミリメートルと、コルト社最小のピストルである。
手に持つと軽く、片手で撃てそうな感じだ。
弾倉を確認すると、六発の弾丸が入っている。大きさ的に殺傷能力は低そうだが、仕方無い。
試し撃ちをしてみるか。シングルアクションで良いだろう。
喧々たる銃声を響かせ、石をはじく。
威力はまちまち、急所に当たれば殺すこともできるだろう。
「リン、これを持ってみろ。あ、トリガーは弄らないようにな」
トリガーの意味は伝わるか?
「はっ、はい! ここの穴のあいた場所を押さないようにするんですね!」
良かった、伝わったか。
「じゃあ今から、使い方を教える」
「分かりました師匠っ!」
「いや師匠はやめてくれ……」
なぜに師匠……まぁいいや。
とりあえずシングルアクションでの撃ち方から教えるとしますか。
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「これで一通りは分かったか?」
結構丁寧に説明したし、大丈夫だとは思うけどな。
「はい、完璧です!」
うん、大丈夫そうだな。
まぁこんな事をしている内に、太陽が下がり始めた。もう正午を過ぎたようだ。
でもおかしいな……そこそこ大きな街道なのに、今まで誰も通っていない。
理由は分からないが、これなら戦車で移動しても大丈夫だろうか?
「リューナ様、どうかしましたか?」
ま、そう焦る事も無いだろう。
「いや……何でもない。 そろそろ行くか」
「はい!」