朝食は相談事と共に
風邪でダウンしました……。
↑
「ただの言い訳だろう?」ガクッ
……更新が遅れてしまってすみません。
歩き始めて三時間程たったころ。
──ぐぅぅぅ
「す、すみませんっ……」
あー……そろそろお腹もすいてきたし、朝ご飯にするかな。
「そろそろ朝食にしようか」
「はい……お願いします……」
頬を赤く染めて、恥ずかしそうにしている。青い長髪で顔を隠している仕草は可愛いが、そこまで気にする事でもないと思うが
。
まぁ、腹の音が鳴るということは食べる速度が速い事を意味し、即ち食い意地が張っているという証明になる……パンが足りなくなるかもしれない。
近くに休めそうな場所は……特にないか。
仕方がない、そこらに座って食べるしかないな。
この道は人の通る気配も無いので、適当な草原に腰をおろし、パンをリンに差し出す。
アイテムボックスにはまだまだ沢山のパンが入っているので無くなる事は無いだろう。
いくら食い意地が張っていてもさすがに……大丈夫だよな?
……まぁ毎日パンじゃ飽きるだろうが。
「ありがとうございます……うぅ」
リンはパンを手に取ると、顔を赤くしながらちまちまと食べ始める。
つい頭を撫でたくなる衝動に駆られるが、なんとか我慢する。
み、右手が疼く……とか考えた事は生涯の秘密だ。
「ところでリン、相談があるんだが」
俺らの安全確保という点では、今最も重要な話だろう。
「はいっ、なんでしょうか!」
話しかけるだけで、やけに嬉しそうな顔をするんだよな……。
「あのな? 俺は色々と危険な事があると思うんだ」
この前も犯罪組織的なのに襲われ……って自分から行ったのか。金銭目当てで。
あれは窃盗になるのか……まぁバレなきゃ良いだろう。うん。
「はい……ですが私は、何があってもついていきますよ?」
この子素直すぎるよ! 目がキラキラしてるよ。純粋だよ。
本当にこんな性根腐った野郎についてきて良かったのだろうか……。
「ああ、ありがとな……でもそんな危険な時に、俺にはリンを守れるだけの力が無い」
これは魔法を見たときに思った事だが、あれはあまりに速すぎる。
発動までには詠唱があるにしても、かろうじて魔法が『放たれた』事を確認できる程度だ。
それも距離がないと無理だ。戦車を人前で使うわけにもいかないし、使えない事も多い。
これだと自分の身を守る事さえ危うい。だというのに、リンを守れる筈がない。
俺がリンを守るとか言っていた俺が恥ずかしいよ。
そこで俺は考えた。
「ということでだ。リンにも俺の使っている武器、銃を使って貰おうと思っている」
コラ! 女性に武器を使わせるなんて非道い……とか考えた奴。
ここは異世界だから男女に格差なんてものはな『ふふ……』いや本当スミマセン調子に乗りました。
「ジュウ……ですか?」
キョトンとした顔をしている……そういえば見せた事無かったか。
俺は腰のホルスターからM19 を取り出しリンに見せる。
「これが銃だよ。使い方は……」
俺は銃口を石ころににむけて、発砲する。
──パアァン
乾いた音と共に、鉛玉が石が砕き、地面に風穴をあける。
地味だから、威力がよくわからないかも……心配なので、解説を加えておく。
「この武器で人を攻撃すれば、頭や胸、手首みたいな急所に当たれば一撃で倒せるんだ。そうでなくても、相手に大怪我を負わせられる……少し難しかったかな?」
そう、銃は高い殺傷能力が大きな利点である。だが、相手のどこに当たっても、大きなダメージを負わせられるのも大きな利点だ。素人の殆ど当たらない射撃でも、距離が近ければ多大な脅威となる……ってそんな話は置いといて。
「こ、子供扱いしないでください!!」
うんうん、怒りからか顔を赤く染めてはいるものの、強張った表情をみるに、十分にこの武器の恐ろしさが伝わったようだ。
「それで本題に戻るが、リンにも銃を使えるようになってもらいたいんだ」
さぁ、ここからが本題だ。