出発は夜明けと共に
執筆時間がとれない……
宿屋につき、6号室の扉をノックする。
「おーい、リン? 俺──「リューナ様!」うわっ!!」
扉が音をたてて開けられ、リンが泣きながら飛びついてきた。
うわちっさ「フフッ……」ヒッ!?
……今一瞬リンの後ろに般若が見えたんだが、俺の気のせいだろうか?
もう一度リンを見るが、背後に般若は見えない。
やはり俺の気のせい……だった……のか?
「リューナ様! すぐ帰ってくると言っていたのに……本当に心配しました!」
え……
「あ……すっかり忘れてた」
そう言えばそんな事言ったような言ってないような……
「忘れてたじゃないですよ……グスッ」
「──わ、悪かった! とりあえず泣き止め……飯買ってきたから」
村で買ってきた豆パンを差し出す。
「う゛……は、はい……」
ふぅ……とりあえず泣き止んでくれたみたいだが……飯一つで泣き止むって、チョロすぎません?
まぁどうでもいいか、俺も食べるとしよう。
飯を食べ終わったので、リンに相談を持ちかける。
「リン、これからの事なんだが」
「は、はい!」
ゴクリと唾をのむ音が聞こえる。
別にそこまで緊張する事でもないと思うのだが。
「王都に行こうと思っている」
「王都ですか……確かに収入もありそうですし、私は良いと思いますよ」
よし、リンの賛成も得られたな。
「では、早速王都に出発するぞ!」
「あの、リューナ様?」
「ん?」
何か問題が?
「もう夕方なので……明日にしては如何かなと……宿は銀貨一枚で一泊延長できますし……」
あ……まぁそうだよな。
何か凄い恥ずかしい事を言ったような気もするが、気にしないでおこう。
自分に適当な言い訳しながら、追加料金を払いに俺はエントランスへむかうのだった……
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「ふぁ~あ……リン~起きろー」
まだ空は暗いが、騒ぎを避ける為にも早めにここを出た方が良いだろう。
「んっ……まだ暗いですよぉ~」
寝ぼけているのか、いつもより口調がくだけている。
「トラブルにならないよう、早めにここをでる。だから起きてくれ」
「はぁい、分かりました~」
俺達は宿屋をでて、村の門までむかう。
この村は木柵に囲われていて、門以外に出入り口は見つからなかったので門を出るしかないが……
あの胸糞の悪い門番がいると思うと門を通りたくはない。
よし、いよいよ門についた。
俺はリンの手をひき、気を引き締めて門を通る。が……
「Zzzzz 」
「寝ているな」
「寝ていますね」
門番がこんなので大丈夫なのか、この村は……
まぁ今のうちにさっさと村から出るとする。
村から出たその時、目の前を強い光が照らした。
「すげぇ……」
「わぁ……」
夜明けだ。