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異界大戦 ~異世界転移は戦車と共に~  作者: 初鰹
青眼の少女~ミファーナ大平原~
11/29

旅路は割愛と共に

旅路適当すぎるだろ!のツッコミは甘んじて受けます。

すみません。

「わ、私が案内しますので……」


「あぁ、わかった」


地理に詳しいのか……いや、俺が知らなすぎるだけだろう。

すると少女が指で俺の手をツンツンとつついている。

仕草が可愛い……あ、違う違うそこじゃない。



「どうかしたか?」



「あ、あの、すみませんが、どうお呼びすればよろしいでしょうか?」



別に何でも……あっ、名前教えてなかったか、普通に失礼だな。

言いやすいように名前を言い換えるか。



「あっ……すまん、俺の名はリューナ、リューナシキシマだ」



「き、貴族様だったのですか!?」



やはり名字は貴族だけが持っているようだ。



「いや、そんな大層な者じゃない」


「す、すみません! 私としたことがとんだ早とちりを……」



そんな事でいちいち謝られてもな……




「そうかしこまらなくていいぞ? しばらくは旅の仲間だ、敬語はいらない」



「仲間……ですか?」



リンはキョトンとしている、そんなにおかしいことだろうか?



「あぁ、仲間だ」





そう言うとリンは──



「は、はい! 仲間です!」



俺が今まででみた中で、最も眩しい笑みを浮かべた。



よし、出発……するか。


気を取り直して、


「よろしくな、リン」


「よ、よろしくお願いしますリューナ様!」


ズコッ……


はぁ……敬語はいらないと言ったんだが。

まぁ、いいか。


「さぁ出発するか、」


「はい!」














 街道を歩く。

リンはアイテムボックスに驚いていたが、深く聞いては来なかった。 

もう一時間は歩いている、ちなみにリンは体力が回復していないので、俺におんぶされている。

それでもしきりに話しかけてきて、結構楽しい。


元気になったもんだ、パン一個しか食ってないのに……







──ぐぅぅぅぅぅ


「ひぅぅ、すみません……」


やはりお腹は減っているようだ。


「いやいいよ、じゃあ昼飯にするかっ」


「はいっ!」


街道の横に腰を下ろし、テントを出してその中に入る。

リンにパンをあげると、とても美味しそうに頬張る。

次々におかわりをせがんでくるあたり、やはりご飯を食べるのは久しぶりのようだ。

ガツガツ食べているのを見られるのが恥ずかしいのか、時折こちらを見て顔を赤らめているところが可愛い。

──ってそんな事は置いといて、俺も食うかっ。




 「よし、十分食べたか」


「はいっ! 美味しかったです!」


リンは満足そうだが、俺はお世辞にもコレが旨いとは思わない。

俺が贅沢なのだろうか? いや、この世界の食べ物がまずいだけだ。

んっ? そうすると結局贅沢いってるだけか……

ま、さっさと行くとするか。















リンを担いで二日ばかり進み、そろそろ食料がヤバくなってきて、水もスッカラカンになってきたころ、ようやく、村らしき影が見えてきた。

この平原では遠目にしか獣は確認できないため、獣を狩るのも大変だ。


「お、村が見えてきたな」


「っ……そう、ですね……」


ん? 元気が無いな。



「どうした? なんかあったか」



「いえっ……ただ、少し寂しいだけで……」



そっか、そういえば村まで送る約束だったか。



「そう、だな……だが村にも少し滞在するつもりだし、すぐお別れって訳じゃない」



「そう……ですよねっ、まだいっぱいお話できますよね!」



……俺はいつそんなに好かれる事したんだ?



「あ、ああ」


戸惑いながら返事を返すと、リンを背中に背負ったまま村へ向かう。

そして、村に入ろうとしたとき、俺は門番にこう言われた。










──「おい坊主、背中の奴隷は村に捨てていくなよ」


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