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悪役令嬢&婚約破棄

婚約破棄ドラゴン

作者: 赤ポスト
掲載日:2016/06/20

どうも、赤ポストです。

一日空きましたが、四連続短編投稿です。

「おいドッシー。お前のご主人様、婚約破棄されるらしいぞ」


 始まりはその言葉だった。

 ご主人様のアップル伯爵令嬢が家でお茶会を開いたとき。

 集まったペット仲間から教えてもらった。


 因みにドッシーってのは私のこと。

 元人間だけど。

 色々あってご主人様(アップル伯爵令嬢)のペットに転生していた。

 

 ちな、ドラゴンっす!



 「婚約破棄、まじかよ!」って思ったけど。

 ペット仲間のグリーンドラゴン、グリコは本気のようだ。

 奴はいつだって本気と書いてマジだからなー。

 熱いぜ。


「グリコ、まじ情報かそれ?」

「ああ、おおマジだ。チラッと耳にしたんだ。

 いい感じに空飛びながら炎吐いている時に、すれ違ったカラスに教えてもらった」


「カラスか・・・あいつらどこにでもいるからな。本当かも」

「だろ。だからやばいって。どうするの?」


「どうするって何が?」

「ドッシーのご主人様、悪役令嬢って有名だろ。

 いきなり婚約破棄されたら何するかわからないじゃないか?」


「・・・」


 グリコの言葉を否定できない。


 あっ、そうかも。

 ふむふむ、と頷いてしまった。

 彼のいう通りだ。


 ご主人様はちょっと気が強くて、感情的になると色々わちゃわちゃする。

 これまでも多くの人にイジワルしてきたし。

 わりとやばいかもなー。


「そうだな。なんとかしてみるよ」

「頑張れよ。俺も協力できるかもしれないからな」


「協力って、何するんだ?」

「相手に火ー吹いてやろうか?」


「それは遠慮しとく」

「そうか」(がっかり気味のグリコ。がっかりドラゴン)


「それより餌食べようぜ」

「だな」


「今日はご主人様が、皆のために料理を用意してくれたんだ」


「お、うまそー、さすがアップル様」

「お茶会が決まった時から楽しみにしてたんだ」

「お腹ぺこぺこー」


 グリコ以外のペットも、皆待ちきれない様子だ。

 まぁ、ずっと目の前に料理がおいてあったからね。

 生殺し状態だったので、実は私のお腹もぐーぐーいってる、


「では、いただきます」

「「「いただきます」」」」 



 皆がいっせいにご飯を食べ始めた。

 勿論私も、婚約破棄の事を忘れてパクパク食べた。

 

 旨い!







~~~~~~~~~~~~~~~~







「アップル公爵令嬢、君との婚約を破棄する!」


 ヒゲ貴族として有名なマリオン公爵がご主人様に告げる。

 トレードマークのヒゲと赤い服が今日も決まってる。

 因みに今いるのは豪華な庭園。

 

 どこかの貴族の家で・・・名前は忘れた。

 大して重要じゃないしね。

 ドラゴンは忘れやすいのです。



「な、なんですって!!!」


 なんだ!っと思ったら。

 ご主人様がハンカチをにぎりしめて硬直している。

 

 あっ、ヤバイなーあれ。

 すっごい怒ってる。

 婚約破棄されて激オコだわー。


 だって、ハンカチがくちゃくちゅになってるもん。

 まじ切れしてるわー。

 ご主人様。


 まぁ、婚約破棄される事はグリコから聞いてたから。

 今まですっかり忘れていた私も悪いんだけど。

 ご主人様に伝えて置けばよかったな・・・ 


 反省反省。



 震えるご主人様の横で、私は手入れされた草花を食べていた。

 きっと観賞用のものだと思うけど、気にしない気にしない。

 だって美味しそうだもん。

  


 パクパク パクパク



 ふはー旨い。

 草がしみるのです。

 ドラゴンはすっごくお腹がすくのですよ。



 パクパク  パクパク



 うわっ。

 げっ。

 草の中に混じっている虫食べちゃった。



 ペッ  ペッ  ペッ



 虫を吐き出す。

 口の中の異物を「ぺっ」てする。

 まだ苦い感触が残ってるわ。


 あーやだやだ。

 お腹こわしちゃうかも。

 苦味って毒なんでしょう? 

 

 ペッ  ペッ  ペッ



 そんな私の横で、ご主人様は怒りに震えていた。


「マリオン公爵、今、なんておっしゃいました?

 よく聞こえなかったのです」


 やば!

 ご主人様が無理やり笑ってる。

 さっきの言葉を聞いてない振りしてる。

  


 あーあ。

 ああなったご主人様は手を付けられないからな。

 何が起こることやら。


「アップル伯爵令嬢。悪いのですが、しかし、その・・・婚約破棄、して、欲しいの、です」


 うろたえ気味のマリオン公爵。

 言葉が片言だ。

 どうやらご主人様の不気味な笑顔に戸惑っているっぽい。

 

 分かりますよー伯爵。

 ご主人様のあの顔は見るものを恐怖させるんです。

 私も経験者ですから。


「あー、あー。マリオン公爵。

 何も聞こえません!聞こえません!聞こえません!聞こえませんわ!」


 耳を塞いで叫ぶご主人様。

 オロオロうろたえるマリオン公爵。

 知らないふりして草を食べる私。


 パクパク。

 草、うめーー、草UMEEEEEE。



「な、しかし・・・・」

「聞こえませんわ!聞こえません!何も聞こえませんわ!」


「伯爵令嬢・・・その様な態度を取られましても・・・」

「聞こえません!聞こえません!聞こえません!」



 叫ぶご主人様。

 荒ぶるご主人様。

 一方、思案にくれるマリオン公爵。・

 


 だが数秒後、ご主人様が突然シーンと静まりかえり。

 すくっと復活して、いつもの表情に戻る。



 おお。さすがご主人様!

 立ち直りが早いぜ!


 瞬 間 回 復。



「公爵、うちのドッシーちゃんをご存知ですか?」


 んん? 

 いきなり私の名前が呼ばれたんだけど・・・


 なんで?

 なんでや?

 私関係ないじゃん。


 それに公爵には既に紹介済だと思うけど。

 違ったかな?

 私の勘違い・・・

 

 うーん。

 どうだろ?

 どうでしょう?

 分かりませんがな。


「知っていますよ。そこにいるドラゴンでしょ。先程から庭園を荒らしている」

「そうです。ドッシーは最近体調が悪いですの」


 ええ?

 そんな事無いけど。

 私、すこぶる元気だよ。ちょう元気。


 ご主人様に良い餌貰ってるからねー。

 寝所もふっかふっか。

 人間のときより良い暮らししてる。


「それはお気の毒で。ドラゴンは頑丈だと聞いていたのですが・・・」

「うちのドッシーちゃんは繊細なのです」


 いやいや、そんなことないよ。

 私、結構鈍感だけど。

 尻尾とかタンスにぶつけちゃうしさ。


「ナイーブドラゴンですか・・・・」

「ええ。それに肉食でして。

 たまに人間より大きい動物、熊やゴブリンも食べてしまうのです・・・生きたまま」


 んん?食べないよ。

 ご主人様の中では私どうなっちゃってるの?

 野良最強ドラゴン? 


 超絶ワイルドドラゴンじゃん。

 生で食べるとか・・・

 すっごい野良野良。

 

 ちょい悪やー!。

 どこかの勇者に退治されちゃう。

 怖いわー。身の危険。ひーひー。


 食中毒が心配で、生は無理無理です。


「はぁーアップル伯爵令嬢。ドラゴンの飼育は大変そうですね。

 では、私は婚約破棄の宣言が済みましたので、これにて帰らせて頂きます。

 お元気で」


 マリオン公爵が足早にご主人様から離れようとすると。


「公爵、危ない!」

「はい?」


 なんだ?なんだ?


 いきなりご主人様が叫び出した。

 全然危なくないのに叫びだした。

 どしたの?ご主人様。



「なんしょうか?アップル伯爵令嬢」

「動いてはなりません。いいですか、落ちついて聞いてください」


「・・・はい」

「実は・・・今、ドッシーがあなたを狙っていますの!」


 はぁ?

 え?

 何だって?


 誰がマリオン公爵を狙っているって?

 何をいってるんだご主人様は?


 私、ヒゲ親父に興味なんて無いよ。これっぽちも無いから。

 恥ずかしげもなく赤いスーツ着てる男とか無理だから!


「あの・・・伯爵令嬢。よく分からないのですが」

「公爵、一歩も動いてはいけません。動けばドッシーに食べられてしまいます」


 ええ?

 私食べないよ。

 人間とか食べませんから!


 ご主人様は私の方にチラチラ目線を向けてくる。

 公爵にばれないようにハンドサインで「威嚇して」、と伝えてくる。


 えー、しょうがいなー。

 あんまりやりたくないけど。

 してやるか。


 これもペットの勤めだ。

 寝床と食事を貰っている分だけ働こう。

 いくぞー!


 私は口を大きく開いて、「ぐわー」っと叫ぶ。


「ぐわー!」


 ドゴーン!

 ※私の息、ドラゴンブレス発動 


「わああああああ!」


 衝撃波が生じ、マリオン公爵が激しく揺れる。


「な、何をする・・・た、食べられる!」

「公爵、動かないで!」


「は、はい!」

「それで公爵、婚約がどうしたんですって?よく聞こえなかったんですの」


「いや、そんな事より、今あなたペットが私を襲おうと・・・」

「まぁ!なんてこと!

 婚約を「そんな事」なんて・・・・

 あなたにとって結婚はそんなに軽いものなのですか!」


「いいえ、決してそういう意味ではなく・・・」

「公爵、婚約がどうしたんですって?

 はっきりいってくださいまし!」


「私は、その・・・婚約破棄したいと・・・」

「公爵、危ない!!!」


 ご主人様からハンドサインで「一発こずけ」の合図。


 まかせとけ!

 やったる!

 やったるでー!


 私は尻尾を動かして公爵の頭を軽くなでる。



 すると。


 ドゴ! ドバーン! ドシャン!

 


「わあああああああ!」


 公爵が吹っ飛んで、壁がぶっ壊れた。


 あ、あかん!

 やりすぎた。

 しもた!


 大丈夫かなー公爵?

 ちょっと強く押しちゃったかも・・・

 中々力加減が難しいんだよねー、私のテールは。

 よしよし。自分の尻尾を撫でる。


 いやいや、尻尾のお手入れしてる場合じゃないでしょ。

 現状を確かめないと。

 では。


『――鑑定!――』

※人物や物の情報を得る事が出来る能力


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:マリオン公爵

状態:瀕死

HP :5/50

MP :30/30

攻撃力:10

防御力:20

魔法力:5

素早さ:10

備考  :赤い服が好き。弟は緑の服が好き。

    配管に潜るのが趣味。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 あ、あかん!

 公爵死にそうやー!

 HP一割きってる。瀕死状態やん。



 スクッ!


 土煙が舞う中、ボロボロになった公爵が立ち上がる。

 

 よかったー。生きてたみたい。

 HPの割には元気そう。

 なんか手に持ってるけど、あれはなんだ?


【回復&強化アイテム:「マジックキノコ」】

【使用者のHPを全回復させ、自身のスペックを向上させる。】

【但し、副作用があるため食べすぎ注意。】


 お、おう・・。

 鑑定きってなかったからオートで表示された。

 でも、全回復にスペック強化って凄いなー。

 さすが公爵、お金持ちー!



 公爵はキノコを右手に持ったまま、私を睨みつける。

 彼の中で闘争心に火をつけたのかもしれない。


「いいだろう。ドラゴン、僕と戦いたいのですね。

 配管ダンジョンで鍛えた僕の力、とくとお見せしましょう!」


 ミュミュミューン!


 公爵がキノコを食べると、効果音と共に傷がみるみる回復していき。

 体がちょっと大きくなる。


 ドーン! 


 ビックマリオン公爵登場!

 服まで同時に大きくなってる公爵。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:マリオン公爵

状態:強化

HP :200/200 (x5)

MP :30/30

攻撃力:50   (x5)

防御力:100 (x5)

魔法力:25  (x5)

素早さ:50 (x5)

備考  :赤い服が好き。弟は緑の服が好き。

    配管に潜るのが趣味。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 うぁ、思ったよりデカイ!

 3倍ぐらいになったよ。

 なんかキモいなー、鼻の穴とか見えるし。

 

 スペックも5倍とか。

 キノコやばすぎ。

 私も欲しいかもー。後でご主人様におねだりしよっかな。

 やはりドラゴンは強さを求めるのです。


 でもよかっかなー。

 公爵の服がはじけ飛んで全裸にならなくて・・・

 よけいなもんみちゃうかと思って、目をおおちゃった。


「いくぞドラゴン!僕の力を受けてみよ。ファイヤボール」


 ボワッ!


 公爵の手から炎の塊が飛び出る。

 

 パク


 私はそれを食べた。

 だって私、炎とか吹くし。

 火とか全然怖くないし、むしろ好きだし。

 ダメージも受けないから。


 

 むしゃむしゃ。


 ポッ


 残った炎を吐き出す。


 満腹満腹。

 偶には他人の炎もいけますなー。

 久しぶりの味ですさ。



「なぁ・・・馬鹿な!なんてドラゴンだ。

 しかし偶々に違いない。僕のファイヤーボールは至上最強だ!

 クッパリオン公爵にも勝ったんだからな」



「ファイヤボール」


 ボワッ!



「ファイヤボール」


 ボワッ!



「ファイヤボール」


 ボワッ!



 公爵は連続して炎の塊を飛ばしてくる。

 私は口を動かして。


 パク


 むしゃむしゃ



 パク


 むしゃむしゃ


 

 パク


 むしゃむしゃ



 全ての炎を食べつくした。


 ゲポッ!


 食べ過ぎてゲップが出たみたい。

 ふー。

 満腹満腹。



「な、なんてドラゴンだ・・・

 こうなれば、『あれ』を使うしかあるまい!

 戦のためにとっておきたかったのだがな・・・」


 公爵はポケットから星を取り出して食べる。

 確かアレも強化アイテムだ。えっと名前は何だったかな?


【強化アイテム:「レインボースター」】

【一定時間使用者のスペックを大幅に向上させる。】

【無敵になると勘違いされるが、大幅向上であって、無敵ではない。】

【副作用として非常に精神が高揚し、錯乱する危険有。】


 そうそう、スターとかそんな名前だったはず。

 精神汚染作用が強いから禁止アイテムになっていたはずだと思ったけど。

 大丈夫かなー公爵。そんなもの食べちゃって。



「ひゃっほーーーーー!」


 狂ったように叫びだし、体がレインボーに光りだす公爵。


 あちゃーー。

 悪い予感的中。

 やばいわー。


 どうしちゃったの公爵?

 なんかギラギラしちゃってるけど。

 絶対やばい物食べたでしょ!

 どうなってるんだろう?鑑定鑑定。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:マリオン公爵

状態:超絶錯乱ハイテンション

HP :1000/1000 (x10) ※元値50

MP :30/30

攻撃力:500   (x10) ※元値 10

防御力:1000 (x10)※元値 20

魔法力:250  (x10)※元値 5

素早さ:500 (x10)※元値 10

備考  :赤い服が好き。弟は緑の服が好き。

    配管に潜るのが趣味。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 すごいなー。

 元のスペックの50倍か・・・

 同一アイテムの重ねがけはできず、複数アイテム併用でも効果は下がるはずなのに。

 マイオン伯爵・・・余程アイテムとの相性がいいのかもしれない。


 貴族のおっちゃんが。

 ちょっとした有名冒険者レベルだよ・・・このステータス。

 人間で防御力4桁とか・・・・久しぶりに見たわ。


 こんなとこにいないで、魔王倒したり、ダンジョンに潜るべき。

 絶対に。



「ひゅいごーーーー!ひゃほおおおおおおーーーー!」


 超絶進化をとげた七色に輝く公爵。

 彼は生き生きとして私に向って突っ込んでくる。

 

 無敵のような雰囲気のマリオン公爵。

 とんでもなく幸福そうな顔ではっちゃけてる

 今が人生の絶頂期のようだ。


「ひゅいごーーーー!ひゃほおお---やっ!」


 寄声をあげ、狂ったように走って来る。


 やばいよー、公爵。

 目とかいっちゃてる。

 よだれとかとばしてるし。


 ちょうやばい。


 ちょ、あっ、ちょ、やっ。

 こっち来ないでよ!

 こっち来ないでってば!



「ひゃっ!ほっ!やっはあああああああー!」


 公爵、元気満々で三段飛びとか始めちゃった。


 やばいよ。

 やばいよー。

 まじやばいって。


 変体がどんどん近づいてきた。

 うわっ!唾とか飛ばしてくる。

 きしょ!



「ひゅいごーーーー!」


 すっごい近づいてきた。


 ひぃー!

 瞳孔とか開きっぱなしで怖いわ! 

 完全にいっちゃてますね。あの人。

 


「ひゅいごーーーー!やっ!」


 公爵が飛びかかってきたので、私は反射的に尻尾で叩く。



 ベシ! ドカッ!


「わあああああああ、マンマミーア!」



 ズドン! メリメリメリ  ポツーン!



 マリオン公爵は叫びながら地面にぺチャンコになった。

 南無産

 ※信じてよりすがること



 あっ、やばっ!

 びっくりしてちょっと強く叩きすぎたかも・・・

 死んで無いといいけどなー。


 やっちまった感が半端ないですわー。

 大丈夫かな?(チラチラ)


 見たくないけど見ないとねー。

 鑑定鑑定。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前 :マリオン公爵

状態 :死亡

HP :0/50

MP :10/30

攻撃力:10

防御力:20

魔法力:5

素早さ:10

備考  :赤い服が好き。弟は緑の服が好き。

    配管に潜るのが趣味。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・」



 ピコーン!

 頭の中に響く声。


【マリオン伯爵を倒しました。】

【経験値を215得ました。】

【称号スキル〖婚約破棄キラー:Lv1 1/5〗を得ました。】 



 なんでやー!


 げっ!やばいじゃん。

 本当にやっちゃった。

 伯爵やっちまったよー。

 

 てか、婚約破棄スキルって何よ?

 全くいらないんですけど。

 欲しくありません。

 

 それに1/5って事は・・・

 後4人婚約破棄者を倒せばレベルアップ?

 一体何スキル。


 あーどうしよう、どうしよう。

 やっぱり公爵殺しはまずいよねー(チラチラ)



 ご主人様の姿を伺うと、彼女は地面にめり込んだ公爵を見てから。

 私に向けて「はぁー」とため息をつく。


「あらあら、ドッシーやりすぎですよ」


 私はペコリと頭を下げる。

 しっぽと耳もたらして、全力で反省していますポーズ。

 「くぅーん」「くぅーん」と弱々しい鳴き声をあげてみる。


 ご主人様に怒られませんように。

 反省してマース。

 本当ですよ、ご主人様。ペコリ。ペコリ。


「いいのよ。別に怒ってないから」


 ふぅー。

 良かった良かった。

 セーフ。一安心。

 ご飯減らされるんじゃないかと心配してたのよ。



「それより公爵をどうしましょうね。ペシャンコになってるわ」


 確かに薄っぺらい。

 内臓とか所々飛び出てるし。

 腕も曲がっちゃいけない方向に曲がってるねー。


 げっ。

 きしょ!

 なんか胃が逆流してきた。

 


「ドッシー、公爵を処理できる?」


 私は頭を縦に振る。

 OKサインだ。


 ばっちぐー。

 できますとも!

 やったりますぜ!



「それじゃお願い。3日分でいいわ」


 まかせて!

 いくよ!

 いっちゃうよ!



【固有スキル:卵生成を発動します。】



 ペローン!



 私は舌を伸ばして公爵を食べた。



 むしゃむしゃ。 むしゃむしゃ。 むしゃむしゃ。


 ゴックン!



 公爵を飲み込んで、お腹の中で暖める。


 うーん。 うーん。 うーん。



 お腹に力を入れて、燃やすように燃焼させる。

 そして。


 ポコッ!


 お尻から人間サイズの卵が出てきた。

 

 ふぅー、どうやら成功したみたい。

 でも、ちゃんと中身も確認しないと。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

名前:マリオン公爵

状態:卵

HP :10/50

MP :30/30

攻撃力:10

防御力:20

魔法力:5

素早さ:10

備考  :赤い服が好き。弟は緑の服が好き。

    配管に潜るのが趣味。

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 おう、よかった。

 なんとか命は取りとめたみたい。

 復活できるかどうかは死体の状態によるから、ちょい心配してた。



 しっぽで卵を掴んでご主人様の元へ。


「できたわね、マリオン公爵卵。

 これで彼も新しく生まれ変わったようね」


 そうです。

 何を隠そう、私は食べた物を卵にする事が出来るのです。

 卵を割るとつるつるになった姿で食べた物が再誕生する。


 簡易なお風呂としても利用できるけど、ちょっと手を加える事も可能。

 今回はご主人様の命令どおり、3日分の記憶を消してみた。

 だから今日の事は公爵は覚えていないはず。

 卵を割って出てくる公爵は、ここ3日間の記憶を失っているのだから。



「さぁ、後はこの卵をどこで孵化させましょうね・・・」


 ご主人様は、ツンツンとセンスで卵をつっついている。


「ガウガウーガウガウー」


 とりあえず私は吼えてみた。

 口から炎とか出してみた。

 

「ガオー」


 ボフッ!


 炎の塊が中空に浮かび上がる。


 パチパチパチ。

 ご主人様が拍手してくださる。


「ドッシー、やるわね」

「グガァァアァオオオオオオオッーーーーン!」

(ありがとうございます)







 いつも通りの日常だった。

 悪役令嬢のペットである私は、ご主人様の隣で今日も炎をはく。



 はて、婚約破棄は防げたのだろうか・・・


 それは分からないけど、まぁ、いいっか。

二作連載しております。

リンクはページ下部になります。

よろしくお願いします。

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公爵令嬢。――悪役令嬢への道を歩む
― 新着の感想 ―
[一言] 「アップル公爵令嬢、君との婚約を破棄する!」 「マリオン公爵、今、なんておっしゃいました? 「アップル伯爵令嬢。悪いのですが、 分かりますよー伯爵。  ご主人様のあの顔は見るものを恐怖させる…
2016/08/21 16:32 退会済み
管理
[一言] テンポがいいですね。非常に読みやすかったです(^^)
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