禁断生命0
アイドルグループ「ミントフェイルス」の一員、蘇丹生恵は
平凡な日々にあぐらをかいていた。
5月28日、岡山公演。カノジョはベタにきびだんごの包みをメンバーたちに配る。
向井レオナは24歳と最年長で、まとめ役。
緊張しがちな19歳の諭浦未樹に、きびだんごを口元まで持っていった。
「あわわ、おいしいですね。私は犬ですか雉ですか?」
美味しそうにニコニコしながら、未樹はたずねた。
「案外サルだったりしてね」
「レオナさんったらひどいー」
マネージャー町田菫は、BL本をひたすら読んでいた。
本当は男性アイドルを担当したかったのに、
彼女の願いは聞きいれられなかった。
18時になり、舞台が始まる。
3曲目の「Day By Lonely」が始まった時だった。
突如、舞台右で爆発。その次に左。
後方でも火の手が。2階席全体で爆発。
また、5人ほどの男が警備員を銃で乱射し、あっけなく殺すと
ステージに上がり、何人ものアイドルをメッタ刺しに。
39人中7人が床に横たわる。
5人が銃の餌食に。
「身殺真教、万歳」
そう絶叫すると、ダイナマイトに火をつけ、
必死に応急手当をするレオナを抱きしめた。
「いやぁあああああ、離して、クズ!」
「うへへへへへへ」
麻薬でも打っているのか、焦点の定まらない
某ゆるキャラのような目つきで
鼻息荒くしがみ続ける。
喧嘩に強い武藤剛羅がひきはがし、猛烈なキックをお見舞いしたが、
そのせいで、アイドルたちが寄り添い集まっている地点に
男が飛んでいってしまった。
途端に爆発が起きる。
病院のベッドで、新聞に目を通すと信じられない記事と数字。
「アイドルグループ、なぞの自爆テロに巻き込まれ、37人死亡の大惨事」
嘘だといってほしくて、真実を見ないで、生恵は別の新聞の紙面を凝視した。
そこには、奇跡のような記事の見出し。
「人類初、蘇生に成功。費用は1人あたり、500万から1000万。権力者は1円で蘇生可」
権力嫌いという、科学者のインタビューなどそっちのけで
その見出しを見続けていた。




