吸血鬼姉妹の白い人形
どうもあの時の饅頭です。
まずレミリアファンの皆様はじめに謝罪させていただきます。
書いている内に段々とおかしくなっていきました、本当、どこで間違えたのやら。
いずれにしても今回はフラン視点とレミリア視点でやってみました。
どうぞ見てやってください。
―――sideフラン―――
一ヶ月前
コンコン
「フラン?入るわよー」
お母様が扉をノックする。何かあったっけ?
「?お母様、どうしたの?」
「フランが前に人形が欲しいって言ってたじゃない?それでちょっと探したらそれっぽい人形があったのよ」
確かに言っていたけどもうあったんだ!。
「本当!お母様ありがとう!!」
「それじゃあ大事にするのよ?」
「うん!」
返事すると同時にお母様の持っている箱から人形が出される。
その人形は白かった、光を反射しているからなのか艶やかな白い髪、透き通るような白い肌、メイド服を思わせるような白を基調とした服、そして唯一黒かった瞳。
それはある種の芸術品といっても通りそうなくらいの完成度だった。
「ほへぇ~……可愛い…」
思わず声が漏れちゃったけどしょうがないよね。うん。
「気に入ったみたいね、それじゃあその子をよろしくね」
「うん!」
これが白との出会いだった。あの時は驚いたよ、机に置いていたら少しとはいえ動いてたし、その後お姉様のグングニルを避けるときは生きているといっても差し支えないほど自然な動きだったし。
あれから一ヶ月位経つけどレーヴァテイン片手に白と遊んでる、初めて会った時はもう少し遅かった気がするけど今はそんな素振りも見せない。
白は日に日に強くなっていった、勿論魔力量が劇的に増えたとか火力が上がったっていう直接的なものじゃないけど継続戦闘力や防衛力なんかは日増しに強くなっている気がするんだよね。
「まて~!」
ブゥン
ドカーーン
白は弱い。それは種族的なものがあるからどうしようもないのだろう。それを差し置いても白は弱い。
なんで弱いか、それは白の火力の無さが物語っている。まず弾幕を張ってしまえば白からの反撃は来ない、その時点で白は弾幕を突破できないだよね。
白は弾幕を相殺出来ない、いや出来るけども相殺しようとすると今度は威力が足りなくてこっちの弾幕に弾かれる。詰まる所決定的に火力が足りていない、あれじゃ転んだほうが痛い。
『!!』
―総員ランス装備二重円陣―
だけど白の強さは真正面から対峙するとはっきりわかる。
持久力は無尽蔵、8体による包囲並びに一斉射、装備を用いた防御とそれに合わせるかのように仕掛けてくる武器による突き。
いずれもはっきりと強いとは感じなくても嫌な相手なのは確実だね、何せ仕留めたと思ってもまた増えるし全ての個体が本体なのだから一気に仕留めなければ倒せない。だけど白もそれを分かった上で動く、当然守りに入った白のしぶとさは吸血鬼をも凌ぐんじゃないかな。
「せいっ!」
それでも絶対的な力に差があるから囲まれても一撃で崩せる、だけどそこは白、二段構えで仕掛けてくる……のだけどやっぱり火力が足りないんだよね。
崩しきれなかった白の構えたランスが襲いかかるけど少し刺さるだけだから吸血鬼の再生力の前だとダメージの内にも入らない。
カウンターに裏拳を繰り出すと3体の白に命中、順次消えていくけどすぐに3体を補充、また仕切り直しになる。これが白のしぶとさの大部分を占めているんだよね。
「む~、こうなったらきゅっとしてドカーン!!」
『!?』
ボボボボボンッ
残っていた5体を一瞬で破裂させる、能力を誰かの前で使ったのは初めてだけど白ならいいよね。
これでも白を倒しきれない、本当どうすればあんなにしぶとくなるのかな?。
でもまぁ、楽しいからいいよね!!。
終わってからお父様達に怒られちゃった、でも白が頑張って作業してくれたからそんなに疲れてないもんね!。
さて、今度は何して遊ぼうかな~。
―――sideレミリア―――
一ヶ月前
コンコン
「フラン、入るわね」
扉を開けるとフランがいた。机の上に白い人形がある。……あの人形妖怪かしら。
「あっお姉様」
「わざわざ立たなくても良いから、そのまま座ってなさい」
こちらの姿を認めるなり立とうとするフラン。いつ見てもいい子ね。
まぁそれはさておき、先に一応確認しておきましょうか。
「……貴方は何者かしら?」
白い人形は動かない。魔力が溜まってるから何かしら出来るでしょうね。
なんにせよ、フランに何かあったらいけないからね、少し強引だけど仕方ない。
「だんまりかしら、まぁそれでもいいけど」
「へ?お姉様?」
グングニルを取り出す、流石にこれなら反応するでしょう。
……動かない…顔がいかにもマズイって顔してるのに動かない。動けないのか、それとも動きたくないのか、まぁ動かないなら好都合。
ブゥン
白い人形の喉目掛けて振ったグングニルが空を切る。なんてことはない、白い人形が仰け反って躱しただけだ。
さてこれで化けの皮が剥がれたわね。
「動いて…る?、なんで?」
「やっぱり動けるんじゃない」
何かしら、この人形、しまった!って顔してるんだけど人形ってこんなに表情あったっけ?。
それにしてもこの人形なんで妖力がしないのかしら。
「貴方妖怪でしょ、何で妖力が一切しないのか分からないけど」
「え?そうなの?」
フランは知らなかったらしい、ただ目の前の白い人形も一緒にキョトンとした顔をしている。
ただフランと同じ方向にほぼ同時に首を傾げるのはやめてほしい。なんでだろ、直視出来ない、あれ?。
「っ!、こ、これは中々来るものがあるわね」
思わず目を逸らしながら話してしまう。
「でしょ!ね!」
なんでフランが得意気なのかしら?、そっちの人形もまだキョトンとしてるし。
「ところでフラン、貴方はその子が何出来るのかわかってるの?」
「ううん」
「そう、一応確認しておきなさい」
「はーい」
「ところで名前はなんていうのかしら」
フランから人形へと視線を向ける。人形はこちらの視線に気付くと首を傾げた。
なんでかしら、フランといいこの人形といい直視し難い何かがある。
「うーん、ないのかしら」
今度は頷く、しゃべれないのかしら?、中々不便ね。何か考えておいたほうがいいかしら。
「じゃあ私が付けてもいい?」
「いいんじゃない、で、なんて名前?」
「えっとね、白ってどうかな」
「良い名前だと思うわよ」
「うん!えへへへ」
フランが照れながらも笑いかけてくる。
フランの笑顔が眩しい!!、この笑顔を見るために生きているようなものね。
少し視線をずらすと白が何故か気合が入っていた。ただ何故か分からないけど多分同じことを思っているんだと思う。
そのまんまだとか言う奴は許すべからず、その身を持って粛清してくれるわ。
「それじゃあそろそろ寝ましょうか」
「うん」
それからフランと別れた。白は何か考えてたみたいだけど、まぁ大丈夫でしょ。
さて、明日から面白そうね。
これが白との出会いだった。あれから一ヶ月が経つけど白って以外に強いのよね。
フランと遊んでるけど一度も負けたことないし、フランが疲れるまで頑張っているもの。でもこっちに視線で助けを求めるのはやめなさい。
それにしてもいつの間にかフランの肩の上か腕の中というのが白の特等席になってるのよね、しかも違和感がない。
ただ、二人揃って首を傾げたりするのは直視出来ない。フラン一人でも辛いのに白も同じ感じの表情をするからほぼ倍の威力を叩きだしている。日光なんてないのに眩しい!。
「アハハハ!」
ブゥン
『~~っ!??』
今日もフランが物凄く良い笑顔でレーヴァテインを振り回している。……白?、まぁ頑張りなさい。
それにしても白も何気にやるわよねぇ、フラン相手に負けたことないし、まぁ勝ったことも勿論無いんだけど。
それはさておき、白の経過について話そうと思ったけど何故だか先を越された気がするから気になったことについて話しましょうか。
まず白の人形を作る能力ね。白は8体までって言ってたけどそれって作った個体の話であって作られた方の個体はまた作れるんじゃないかしら。
それからあの武器、あれも白が各一個までって言ってたけど武器っていう概念から外れたものなら二つ三つ位使えるんじゃないかしらね。多分。
「待て待て~!!」
ブゥンブゥゥン
『!?、!!!?』
フランも白と遊んでるときは物凄く幸せそうな顔しているからね、是非とも頑張ってほしいものね。
今度私も相手してみようかしら。
「フラン、ちょっといいかしら?」
「何?、お姉様」
「私も混ぜてもらっていいかしら」
『それだけはダ「うん!いいよね!白ー」メ……』
……コクン
白がフランの笑顔に負けて蝶番の油が切れた扉の音がしそうな動きで頷く。頑張れ、白。
さて久しぶりにアレを使ってみますか。
「さてと、グングニル」
『……orz』
思わず白も綺麗なフォームで両膝、両手を順番に床につき項垂れる、腰まである髪が背中の上から左右に少し落ちていてその少しの髪が光を反射して煌めいていた。その姿は見るものに小さいながらも艶かしく映っていた。
…白が両手両膝ついているのを見ると何かくるものがあるわね。
それにしてもなんで白は跪いているのかしら。
―――数十分後
「「アハハハハハ!!!!」」
『理不尽だ~~!!!!!!!』
プラカード出すくらいには余裕あるじゃないの。
それにしてもフランと一緒に何かを追いかけるのは久しぶりね!、さて白?あなたももう少し付き合いなさいよ?。
いつの間にかレミリアが変な性癖でも持っているような感じになってしまいました、なんでだろ。
弁解しておくとレミリアのは所謂姉妹愛というやつです。文章にすると違和感がすごいんですがね。
次回からフランの設定を出してすぐに通り過ぎて行きます。えぇ幽閉されているのを長々書けるほど技術がございませんので。
次回も気が向いたら見てください。