~番外編・幼馴染が追い付く前の出来事-3~
スライムを集めるその石はスライムが集まっている場所にあるのだろう。
そしてスライムが惹かれるので、彼らの中心部にあるに違いないと私は推測する。
それらから導かれるのは、
「ここにいるスライム達をかたっぱしから倒していけばいいってことね。というかそれ以外方法はないか」
スライムが群れをなしてあそこに集まっているんだからその中心部まで行かないといけない。
つまり一番集まっていた利回りからスライムが供給されるとその削った部分が埋まるのを考えるとその全てのスライムを、全部対しておく方が良いのだ。
面倒な依頼と思わなくはない。
けれど村の大量発生はその中心部は誰が一番初めに見つけ倒せるかの競い合いの部分もあったので、この程度倒せなければこの先あのイベントで私が勝利できることはないだろうと思う。
それにあの程度なら私だって倒せると思うのだ。
そもそもご飯もたくさん食べたし。
ごはんを食べると魔力の回復力がアップするのは当然のことなので、これだけあれば、
「よーし、病み上がりのうっん動を兼ねて倒しますか」
私は小さくそう呟く。
村の入口付近には先程私が大量に倒したためか、列をなすスライムの存在は見当たらない。
と言っても何匹か逃げ遅れたのか遅れてきたのか分からないスライムがいたが私を見ると逃げていった。
臆病なスライムなのかもしれない。
逃げるものを追っていても仕方がないので私はそれを無視し、村の柵に沿って歩き出す。
緑色の雑草が茂っていて少し歩きにくい。
所々や部になっていてまだ雪が残っているのも更に歩きにくい。
しかしスライムがいる場所がいる場所なので、ここを歩かざる負えない。
あの場所に行くのにいい道はないか聞いたが特にはないようだ。
「スライムが大量に闊歩しているから、それらが通った後という道がありそうだけれど、あのスライムがどういった動きをするかわからないしね、仕方がない」
変な回り道をしたらそれこそ、その分の大量のスライムを倒さないといけない。
あの集める石を壊せば視線にスライムは解散するだろう。
出来ればそれに労力を使いたい、
弱い魔物とはいえ量が沢山になるのは倒すのには大変なのだから。
そう私が思って歩いているとそこで私は見てしまった。
はぐれたらしい数匹の緑色のスライム。
それらがその場所に留まり、何やらブルブルと震える。
それはゼリーがぷるんと震えるようでそう思うと美味しそうに見えた。
だが思ったのは一瞬だった。
その緑色のそれは震えていたかと思うと同時に、ぽんと音を立てて二つ、三つにわかれたのである。
私は思わず立ち止まってしまった。
「あんなふうにスライムって増えるんだ。いや、そういう種なのかも」
かと言ってどれほどの感覚で増えるのかわからないし、あの石にくっついたまま延々と膨れ上がり……そこまで考えて私は、今の状況はまずいと明確に理解した。
できるだけ短期間であのスライムを倒さないと。
そう私は思いながら更に走るとその先に巨大スライムが見えたのだった。
私が見た時より若干スライムが大きくなっている気がする。
嫌すぎると思いながら私はまずその巨大な塊になったスライムに魔力を込めてケリを入れる。
まずは炎の力を持って一発。
「だいたいこれくらい減るか。次は風!」
切り裂くような風の刃を纏いながら蹴りを入れる。
このスライム達は特にその体内にある球状の核を壊すといいとされている。
なので、足に刃をまとわせた岩場ぢ離塁ょうにしてそこに突っ込むが……。
「スライムの粘性が強くて一気に仲間で掘り進められないか。火の魔法よりは効果があるけれど、地道に削っていくならこっちかな。でももう少し楽に倒したいな 。次は水というか氷だね」
そう告げて足を引き抜いてからそのままスライムの表面を走り上がる。
走った足元からスライムの表面が凍っていく。
そこまで深くは凍らせられていないのだけれど、スライムの主成分が水の魔力と関係しているので、水は凍ると体積が膨張するためにその影響で書くにヒビが入ったり壊れたりしてスライムの原型が保てなくなる攻撃である。
ただ凍らせる効果はこのスライムの表層にしか効果がなかったようだが、それでも削れた量は今までで一番多いようにも見える。
範囲が広かったというのもあるかもしれない。
「ようはどれが効率的かなのよね。あれ?」
そこでそのスライムの集団がブルブルと震えだした。
さっきスライムが二つに分裂した時のその様相にとても良く似ている。
ここにいるスライムが集団で分裂するのだろうか?
嫌すぎる、私は小さく心の中で思って、スライムの上から遠のいた。
少し離れた場所で様子を見たほうがいいと判断したからだ。
このままスライムに取り込まれたら、窒息するかもしれないし。
スライムって体につく飛べちょっとして気持ちが悪いのだ。
そう思いながらスライムを蹴って地面に降りた私はそこであるものを目撃する。
それは村の結界を張っている柱のようなものだ。
先ほどの震えるスライムの動きによって柱が小刻みに揺れて、どことなくヒビがはいっているように見える。
結界のそういった柱は特に要となる場合が多いので魔法で強化されているはずだった。
けれどそれが維持できる以上の力で攻撃されれは壊れるのが道理。
ぽきん
何かが折れるような音がした。
どうやら今のスライムの動きでその結界を作る柱が折れてしまったらしい。
なんて事だと私が思っていると更に自体は予想以上の展開へ。
先ほど震えていたスライムが、中にいっぱい核の球を沢山持っていたスライムが、その核を一つにまとめて巨大なスライムとかしてしまったのである。
そのスライムはゆらゆら揺れてそのまま村を目指しているようだ。
結界の柱が一本おられたので村のいつ部が結界が張られていない状態である。
しかもそのスライム、質量が大きいのでメキメキと裂く自体を重みで壊しているようなのだ。
嫌すぎると思いつつもここでこの一匹を強力な一撃で倒さねばと思う。
この核の部分に力を届かせないといけないが先ほどの風、炎、氷では表層部分しか行けない。
だってその核はこの中心部にあるのだから。
「うう、一気にここのスライムを伝って出来る攻撃じゃないと駄目か。……待てよ?」
そこで私は考える。
氷攻撃が水の効果によって効果的ならば水が電気を通すように核にまで到達できないかと。
不純物の少ない水ならまだしも、こんな外に出ているような水である。
しかもスライムは土の道を歩いているのだ。
電気が通らない心配もおそらくはないだろう。そう思って私は魔力の四分の一を持ってそのスライムの頭上高くまで風の魔法で飛び上がり、
「雷よ、降れ!」
そう叫んだ。
同意時に稲光りが真下と周辺に走り、ちょっと離れたところの結界の柱に落ちたような気がして肝が冷えたけれど、
「みゅみゃあああああ」
一発で済んだ。
その一撃でそのスライムは小さく弛緩してそのまま濁った少し大きめの魔力の石になる。
これは売れば少しお金になるかもと思って私はそれを拾い上げ、その側にあったスライムをもし対しの像のようなものを見つける。
「これかな?」
多分そうだろうと思ってそれを破壊しておく。
これでもうスライムは大丈夫だろうと思っているとそこで先程の村長さんが慌てたように来て、
「ど、どうしよう、魔力の柱が……作るのにも沢山のお金が……」
焦ったような村長さんを見つつ、結界無しで暮らすのは魔物が来てきついようにも思える。
そしてここに今倒したばかりの魔物の魔石。
しばらくはこれを代用品にすれば結界は維持できる。
だから私はその倒したスライムの魔石を使って、簡易的な結界の柱を作りその場を後にした。
うっかり礼金をもらいそこねてしまったが、感謝されて恥ずかしくて逃げ出してしまったのは私だから仕方がない。
「よし、このまま走って、ユウトのところまで一気に行くぞ!」
こうして私は、再び走りだして、ユウトと新しい友達と合流したのだった。