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まさか……

 台地と言ってもそこまで大きくはないようだった。

 ただ遠くのほうが、少し大きい規約差に覆われているのでその分小さく見えるのかもしれない。

 何でもスライムが踊り狂う、“スライム”時にその草木を根こそぎ喰らい尽くすらしい。


 そして嵐が過ぎ去った後、また木々が芽生えるのである。

 自然のサイクルは素晴らしい、そう言わずにはいられない状況に今僕達はいた。

 簡単に言うと、ぎりぎりその魔法的な何かをするのにいい場所は草が生えていなかった状態であったので、自然のサイクルは素晴らしい状態だった。


 つまり、それを作るのに藪の中に入らずに済んだのである。

 さて、そこで魔女エーデルは様々な材料を、鍋のようなものに入れていく。

 だがここで僕は以前の情報によりある疑惑を持つ。それは、


「あの、これを作るのに失敗すると爆発するみたいなものがありませんでしたっけ」

「あるわよ。だからミス出来ないの」

「大丈夫なんですか?」

「誰に言っているの? 私は伝説の魔女エーデルよ?」

「でも油断すると危険なので、僕達で周囲を警戒しておきましょうか」


 何となく不安を覚えて僕はそう提案し、周りに僕たちは広がった。

 そして僕とミナトは藪の中へ。

 そこでミナトが提案した。


「なあ、ユウト。この辺の草を風でなぎ倒さないか?」

「あ、いいですねそれ」


 といった会話が行われた。

 そして、ミナトに風系の魔法をお願いしてから、かまいたちのようにザシュッと草がかられていく。

 だが同時に、


「「ぐふぉっ」」


 倒れこむ男性達の姿が。

 同じ服を着ているのでいつもの彼らだとわかルのだけれど、


「エーデルさん、囲まれています」

「ちょ、まっ、待って、あと少し……きゃああ」


 そこでエーデルの足元に何かが炸裂する。

 同時にエーデルの持っていたその鍋が宙を飛び、


「まだ完成してな……」

「“あかき風は眠るいにしえのうたを奏でよ”」


 ミナトがそれを手を伸ばして底の部分を持ち上げるように手に取り、片手で支えながらそう言葉を放つ。

 同時に鍋の中からまばゆい光が現れて、コロンと鍋の中に何かが落ちた音がした。

 その鍋を掲げながらミナトは得意気に、


「こう見えても天才魔法使いって呼ばれているんだよね」


 と言っていたのだが、そこでそれを奪おうとするかのように一人の男が走ってくる。

 ミナトの背後だったためか若干、動きが遅れた。

 そしてミナトの一番近くにいたのはリンだった。


 リンはかけだして、ミナトを庇うように押し倒して、同時にその走り寄ってきた男の手から何かが出て……。

 聞こえたのは大きな轟音。

 同時にポッカリと輪の体の胴体部分に大きな穴が開いた状態だ。

 

 先ほどの衝撃を物語っているかのようなその様子のまま、リンはその場に倒れた。

 誰もが声を上げることすら出来ない。

 僕すらも呆然としてしまう。


 けれど一番正気に戻るんが早かったのはミナトだった。

 即座にミナトはその今リンを殺した存在を蹴り上げる。

 その男は先程の攻撃で力を使い果たしたらしく、容易にそのケリを受けて倒れてしまう。


 だがもう既にリンは……そう僕が絶望を感じているとそこで声がした。


「ようやくだ、ようやく手に入れたぞ!」


 そこで僕達は、透明なガラスのような立方体を手に持ち高笑いをする……その声からこの前取り逃がしたボスらしき人物が少し離れた場所でそれを掲げている光景を目にしたのだった。



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