掘り上げてみた
魔女エーデルが、あちら側の方に行きたいわねと言い出したので、まずはハイキングコースへ。
薄暗いその場所に、ふわふわ白い物が揺れている。
先ほどからユナが僕の腕に抱きついているのを見ながら、
「相変わらずユナはお化けが苦手なんだな」
「うう、お化けは蹴りの一発で倒せるけれど、こういった霧みたいなものって周りがよく見えないし」
「でも、お化けを見て悲鳴をよくあげていたじゃないか。それでそのまま、お化けに向かって蹴りを入れて、倒していたけれど」
「う、だから、私はとっても怖いんだから! だからユウトにくっついてやる」
というわけで、ユナが僕の腕にくっついている。
いつもは元気で自分から倒しに行くのだけれど、こういった物はユナは怖いらしい。
人間、変な物が怖かったりするんだよなと僕が思っているとそこで、
「ほら、そこ。仲が良いのはいいけれど声を出さないように。でないと変なのを呼び寄せそうだし」
魔女エーデルが嘆息したようにそう僕に言う。それはつまり、
「やっぱりまた彼らが現れるんですかね?」
「まさかあれを作っているとは思えないから、というかそれだけの能力がある人間があそこにいるとは思えないから、大丈夫じゃない?」
「いないと良いですね」
「ええ。後はよっぽどのアホか……ここから獣道に入るわね」
そう言ってハイキングコースから隠れるような細い道を魔女エーデルが指さしたのだった。
そこは切り立ったがけだった。
それを覗きこみながら魔女エーデルが、
「あそこのちょっと大きめの穴から中に入るわよ。ほらっ」」
魔女エーデルがそう言うと同時に僕達の体がふわりと宙に浮かぶ。
魔法を使ったらしい。
アオイやミナトが、この魔法はどーのこーのと、大喜びで何か分析やら解析していたが、そうやって移動すると崖の一角に大きな穴がある。
その中に入りこむようにどうしてそれから、魔女エーデルが大量に光る球を浮かび上がらせる。
灯りであるらしい。
そして次に彼女は僕達に振り返り、
「ここ、入り組んでいるから、この石を持っていて。そしてこの紙。この石を持っている場所が色で表示されるから」
そう言われて僕達は紙と石を受け取って、僕は、
「でもこういったもの発揚という事は途中で別れるという事ですよね?」
「ええ、その灰色の石を集めたら、その石に向かって話しかけてちょうだい」
テキパキと決めていく魔女エーデルを見ながら僕は、
「でもここで僕が掘ったら何か出てきますかね?」
「……」
「その方が早くないですか?」
「……ここに来る前に上の方でいって欲しかったわ。はぁ。折角だから洞窟観光でもしていきましょうか」
魔女エーデルが力が抜けたように僕に言う。
とはいえ掘り出さないといけないので僕は、崖の仲の洞窟なので岩のようにになっている地面にに向かってスコップを振りおろして掘っていく。
がっがっがっ。
魔石が出てきた。
もう一回、がっがっが。
それを行う事、三回、ようやく僕はお目当ての物を掘り当てたのだった。