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料理を作っている途中

 そんなわけで、アオイの手料理を僕達はご馳走になる事になった僕。

 やってきたアオイの住んでいるのは、こじんまりとした家だった。

 親は現在、地方で仕事をしていてアオイはリンと一緒に暮らしているらしい。

 親公認だそうだ。


 そして、そこそこ大きな家なのでユナが泊まる部屋もあるそうだ。

 そんな家に案内されて、椅子に座っていてと言われた僕達は椅子に座っていた。

 けれどリンとユナがアオイの手伝いに行ってしまい、楽しそうに話しながら何かを作っている。


 見ていた僕は、ユナの得意料理、切って盛って味付けするだけ! “雪トマトのカプレーゼ”が出てくる予感がした。

 そんな僕達は、ソファーに座っていた。

 僕達というのは、僕とミナトと魔女エーデルである。


 女の子達が楽しそうに料理を作っているのを見ながら、僕は魔女エーデルに聞いてみた。


「エーデルさんは、料理しないのですか?」

「……料理は購入して食べる物よ。そもそも女神の妹である私は、力がお姉ちゃんに封じられているとはいえ、そんな物を必要としていないの」

「あの、食べなくてもいいのに何で食べるんですか?」

「美味しいからよ」


 どうやら味覚はあるらしい。

 そう思っているとそこで僕は、嬉しそうなミナトの様子に気付いた。


「ミナト、何だか嬉しそうだね」

「女の子の手料理が嬉しくない男はいません!」

「ユナも料理は上手いから、楽しみだね」

「そうなのか! 家だと魔法的な自動料理機の開発やったり、買いに行くのが面倒だったり食べに行くのが面倒だから同じものばかり食べていたからな」

「あれ? お母さんは?」

「……地方に父と母と妹の三人で仕事に行っていて、仕方がないんだ」


 視線をそらしながら、ミナトが言う。

 どうやら親のいない間に 好き勝手やっているらしい。

 よく一人暮らしを男性がすると食生活が悲しいことになってしまうアレであるらしい。

 そこには特に突っ込まず、相変わらず幸せそうに女の子達を見ているミナトを放置してから、僕は魔女エーデルに、


「エーデルさん、ちょっとした疑問があるのですが」

「何かしら」

「僕達が色々な物をとりに行くとそこに、賞金がかかった彼らがいるのですが」

「偶然だと思うけれど……でも、そうね。私が欲しいあの石も、今回は彼らは狙っていたみたいだし。……私が必要としている物と同じ物を欲しがっているとか?」

「そういえば何が作れるのですか?」

「うーん、私が知っている範囲では“悠久の立方体(エターナル・キューブ)”というちょっと特殊な物が出来るの」

「それって他に使えないんですか?」

「うーん、指向性がついた、ただのエネルギーの塊の様なものだからね。普通に使うなら強力な呪い解除とかそういった物にしか使えないはずなんだけれど……新しい概念やら何やらの影響で違った物は出来てくるかもね」


 そんな気楽そうに言う魔女エーデルにミナトがそこで、


「あの、“悠久の立方体(エターナル・キューブ)”って、昔から取り扱いの難しい危険な爆弾の様な物だったはずですが」

「まともに扱えないし作れない人間が失敗するのよ。私なら平気だわ」


 ミナトに強気に言い返す魔女エーデル。

 そこで、ユナ達が出来あがった料理を持ってきたのだった。





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