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お食事

 着ている服装から、彼らだという事が分かる。

 分かったのでユナ以外の僕達全員がまたかよというかの様に、深々と溜息をついた。

 そんな偶然何度もあってたまるかという気持ちもあったのだが、こう行く先々で現れては面倒で仕方がないのである。と、


「なんだその嫌そうな溜息は! 我々を馬鹿にしているのか!」

「……」

「無言になるんじゃない! 何か言え!」


 だが僕達は無言にしかなれない。

 今までが今までだったのだ。

 この前は人質までとっていたし。


 そんな風な気持ちに僕達がなっていると、今の声を聞いて仲間らしき人物が何名も現れたらしかった。

 全員が出てくるなら、わざわざ探しに行く手間が省けたなと思っているとそこで、


「それは、“プロテアメルト”! 我々がここ一ヶ月探していて見つからなかった石!」


 実は珍しい石だったらしい。

 それを考えると僕達全員が来るのを魔女エーデルが……すでに一緒に行動するのに慣れていたからもしれないが、許したのは人手が必要だったのかもしれないと思う。

 でも何となくだが、この女神のスコップ自体がわき役になりかけている気がする。

 

 確かに効果は凄いのだが、地味だしなと失礼な事を僕は考えているとそこでユナが、


「ねえ、ユウト。あの悪そうな奴らって何?」

「その通りの悪い人達なのでやっつけちゃっていいです。倒すと賞金がもらえます」

「! 倒してお金がもらえるの! スライム駆除とか魔物駆除とか全部無料奉仕だったのに!」

「えっと、ユナ、あれは農作物を荒らす害獣駆除……」

「そうと決まれば、やる気が出てきたわ!」

「あ、ユナ……」


 僕は止めようとした。

 でもユナは僕が止めるのも聞かずに走りだす。

 それに僕達は続いて、全員を倒したのだった。








 いつもの様に、登山の入口で報告をして、回収をしてもらう。

 本日の一番の功労者はユナだった。

 ただ僕が気になったのは、


「ユナ、今日の泊まる場所なんかは決まっているの?」

「全然。お金もとりあえずおこずかいを幾らか前借してここまで来たから帰りの分しかないかも」

「無茶しすぎだよ」

「だってユウトが心配だったし。でもまさかこんな事になっているとは思わなかったけれど」

「そ、それよりも今日は何処に泊まる気なのかな?」


 僕が不都合な事を言われる前にそう話を振ると、


「ユウトを見つけたらユウトの宿に一緒に泊めてもらおうと思って」


 ニコニコ笑うユナ。

 僕はどうしようかと思っていると、そこでアオイが、


「だったら家にくる? 部屋は開いているし。男の子の部屋に泊まるのもどうかと思う」

「え~、ユウトとは幼馴染だし」

「久しぶりに手料理をごちそうするわ」

「行く!」


 さらっと食べ物につられて、ユナが即答した。

 そういえば昔からユナはとても食い意地がはっていた気がする。

 そこでアオイが僕達を見て、


「折角だから皆にもご馳走してあげるわ」


 それに僕たちは頷いて、一方姫のメイドであるミミカは、


「姫様」

「う、分かっています」


 ヒナタ姫は夕食は家族とする約束なのでと悲しげに一緒に行けないと答えて、その日は僕達は別れたのでした。


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