あ、忘れていた
さて、幼馴染のユナに散々胸を揉まれた魔女エーデルは涙目になって、
「む、胸を大きくするには“お肉”を食べればいいのよ!」
「! そうなんですか! 分かりました!」
といった会話でそれが収まり、更に僕達はユナも含めて僕達は“ミタタ滝”の向かった。
幸せそうに倒れているミナトを起こして土のむき出しの道を歩く事、15分。
あと15分くらいの場所で、ユナが僕に聞いてきた。
「それで伝説の女神様がくれた“万能スコップ”ってその背中に背負っているそれ?」
「そうだよ。掘ると何かが出てくるし、防御用の棒として敵を叩いてもいいし、しかも人間を叩くと、殺さずに改心して善良な人になっちゃうらしい」
「……微妙に嫌な効果な気がするけれど、なるほど。やって見せてよ」
「何で?」
「何処からどう見てもユウトの家の納屋にあったスコップにしか見えないkら」
「う、それは……女神様がそれに似せて作ったらしくて。あ!」
そこには水色のスライムが現れた。
ヌルヌルぶよぶよのゼリー状のそれは、僕達の前に現れてぴょんと跳ねる。
よし、また打ち返すかとスコップを構えた所で、
「とりゃあああああ」
大声を上げながらユナが蹴りを繰り出す。
がごんと大きな音を立てて、スライムは空高く飛び上がり星になった。
「ふうっ、さあ、行きましょうか」
ユナがいい笑顔で僕達にそういう。
そういえばユナは、道具を使わずにスライムを蹴り飛ばしていた。
何だかんだ言って、うちの村の中では強い方だった気がする。
強い人達ばかり集まって自分の出番がない様な気がした。
そんな悩みが僕の中に生まれるけれどそこで、
「“ミタタ滝”についたわよ」
周りの空気が涼しくて心地よいその場所についたのだった。
ここも都市近郊の観光地らしい。
というわけでここの滝周辺の山に転がっている石、“プロテアメルト”という青い石を探しに行く。
入場料を取られて山の中に。
ここからもう少し歩くと滝が下から眺められるらしいのだが、目的は滝ではないので別の場所に向かう。
道としては滝を上から眺めるコースだが、目的は石なので、途中にあった細い獣道をいく。
歩きながらぽつぽつとある石ころだらけの場所を通り抜けていく。
ここに入ってすぐ、魔女エーデルがコンパスの様な物を取り出して、方向を見ていた。
どうやら彼女はそれに従って動いているようだ。
途中魔物に遭う事もなく、やがてある窪地にやってきて。
「この辺りにあるはずだから、青い石があったら教えて」
「「「「はーい」」」」
というわけで、探し始めた僕達だがなかなか見つからない。
どうやら貴重な石であるらしいけれどそこでユナが、
「ここでそのスコップを使えばいいんじゃない?」
「それもそうだな。忘れていた」
何処からともなく、酷いわ~という女神様の声が聞こえたが僕は聞こえなかった事にした。
やがて僕が穴を掘りだすとそこでかツンと何かに当たり、更に掘っていくと、
「青い石が出てきましたがこれは?」
「それね」
脱力するように魔女エーデルが呟いく。
そこである人物が現れたのだった。