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彼女、襲来!

 そんなこんなで飲食料金は、魔女エーデルの分だけ賞金から支払いました。

 大きなお肉を食べて魔女エーデルは、


「胸に脂肪が行くから大丈夫よ! ……さて、ちょっと走ってくるわ」


 そう言って何処かへと走り去っていった。

 そういえば魔女エーデルはとても胸が大きく、歩くたびにぽよんぽよんいっていた気がする。

 

「ユナにもお肉を食べるようにいった方が良いかな?」


 貧乳な事を気にしていた幼馴染の少女を僕は思いだした。

 ユナは男らしいから大丈夫だと言ったら殴られたのは、不条理な思い出である。

 そんな事を思い出しながら、そろそろ熱が収まったかなと僕は思いながら宿に戻る。


 するとまた賞金を持ってきてもらえて、また見つけたらよろしくと言われてしまった。

 普通に材料を見つけて戻ってこれた方が良いのにと僕は思いつつ、


「流石にそんなに何度も遭遇しないと思うのですが」

「出会ったらよろしく」


 何だか軽いな~、と思いながら賞金を受け取り僕は頷いたのだった。







 次の日はいつもの場所にやってくると魔女エーデルしかいなかった。

 そして少し待つと全員そろったので、今日の行き先を聞くと、


「“ミタタ滝”の方にある山に転がっている石で、“プロテアメルト”という青い石があるの。それが必要なの」


 因みに一時間くらい歩いた場所にあるらしい。

 なので、てくてく歩きつつ、魔物をそこそこ倒しつつ歩く事、30分。

 それは唐突に現れた。


「は! 何だか凄く嫌な予感がする」


 僕はそう呟いて周りを見回した。

 先ほど魔物を倒したばかりなので、魔物はいないがそこで、遠くから風を切る音が聞こえて、同時に大きな砂埃が高く舞い上がり、その人物が視覚の中に入る。

 彼女の瞳が僕を捕らえた。


「ユゥゥゥゥトォォォォォ!」


 怒りに満ちたその声に僕は、何故と思う。

 昔からそうなのだ、僕は何もしてないし何も悪くないのに彼女は怒るのだ!

 そして今もそうで、僕はそれに恐れ戦きながら、


「ま、待て、話せば分かる!」

「問答無用!」


 僕は彼女の蹴りを避ける事が出来なかった。

 けれどそれだけでは済まなかったのだ。


「よくも私を置いていったわね!」

「だ、だってユナは風邪をひいていて……」

「言い訳するんじゃないわよ! しかもこんなに女の子ばかり……」


 ミナトが、俺は男ですと言っていたが、ユナは聞く耳を持たない。

 更にひたすら怒り続ける彼女。

 どうやら女の子達と一緒にいるのがいけないらしい。


「で、でも僕が都市に向かったのは……」

「何かでっかい事をしたいなんて子供みたいな事を言って! だいたいユウトは……」


 くどくどとお説教をユナがはじめてしまう。

 こうなってしまうと、何時も黙って聞くしかなくなるのだ。

 もうどうしたらいいのか分からずに同性のミナトに助けを求めるように視線を送ると彼は頷き、


「大丈夫だ! そうこの女性達は……俺のハーレムだから!」


 と言い切った。

 しばしの沈黙後、ミナトが冷たい目で彼女達に睨まれて、お姫様以外の全員にぼこぼこにされてしまったのでした。


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