一段落?
そんなわけで、明日の朝今日と同じ場所で落ち合うことになったのはいいとして。
魔女エーデルにヒナタ姫が、
「明日もご同行してもよろしいですか?」
「え? でも……」
「実際にここに来るまで、私自身、知らないことが多々ありました」
「どんな、ですか?」
何となく僕は嫌な予感を覚えつつ、僕は聞いてみる。
それにヒナタ姫は楽しそうな声で、
「反撃されないために、見つけたら即座に攻撃する! 素晴らしい戦術だと思います!」
「え? いえ……ソウナノデスカ」
「はい、ですのでまた、来させて頂きたいです」
そんなヒナタ姫に、僕はこの人お姫様だけれどどうなんだと思ってメイドのミミカを見ると、ああやっぱりという顔をしている。
ヒナタ姫は意外に行動的らしい。
しかもそんなヒナタ姫はは更に楽しそうに、
「魔女エーデルさんもとてもお美しくてきれいな方だし、またお会いしたいわ」
「あの、ミミカさん、ちょっとお話が」
こっそりメイドのミミカをよぶと、渋々といったように僕のそばに来る。
そしてそんな彼女にこっそり僕は聞いた。
「もしかしてヒナタ姫、女の子大好きですか?」
「……はい。元々、最終手段的な意味で王子としての教育を受けておりまして、剣術といったものをほぼ全部。ただ……」
「ただ?」
「女性には優しくという博愛の精神もさることながら、女性にはモテモテなのもありまして……演劇の男性役をやる女性のような状態に」
「は、はあ……」
「このまま呪いが解けないと、女性との婚姻も検討対象でしたのでそうなってしまったのですが……」
全て魔女エーデルのあの呪いのせいでこうなっているらしい。
そこでヒナタ姫がやってきて僕達を覗き込み、
「? 何をお話していらっしゃったのですか?」
「いえ、女の子がお好きなんだなと」
「? 可愛いですし。でもユウト様も好きですよ?」
「え、えっと、はい、ありがとうございます」
「私の本当の姿を見れる殿方です。好きにならないはずがありません。これで将来の不安も全部なくなりましたもの」
「それは良かったです、はい」
そう答え、ヒナタ姫たちはこの場を去っていった。
只今の会話で気になるような何か引っ掛かりがあった気がすると僕は真剣に考えているとミナトが、
「なあ、今の話だと、ユウトはお姫様の夫にさせられるぞ」
「あ」
「まあ、逆玉の輿? 成り上がり? だしいいんじゃないのか?」
「でもお姫様の呪いを解いたら、関係なくなるのでは?」
「それはそうだが、何だかヒナタ姫の好感度がユウトは高そうに見えるんだよな」
女の子にもてたいのでその辺りはいいのだけれど、なんというかこう、
「もう少し恋愛とかそういったものがないと」
「ははは、野心を持つのも大切なことだと思うぞ。それに本当の姿って美人なのか?」
「ものすごい美人」
「いいな~、俺もそんな姿を見たいな。……魔法道具でも創るか」
ミナトがそんな創作意欲を燃やした所でアオイが、
「それでこれから夕食だけれどどうする?」
「じゃあ皆で一緒に食べようか。美味しい店、アオイは知っている?」
「ロキノのお店がいいわ。お肉が安くて美味しいの」
「じゃあそこにしよう」
僕が言うと、賛成、とリンとミナトが答えたのだった。




