採掘跡に、go!
ミナトが手を全面に手を伸ばして、何やら呪文を唱える。
「“古の業火は、全てを焼きつくす”“その力を、片鱗たる輝きを、我に示せ”“炎の演舞”」
そう唱えると同時に、ミナトの全面に大きめの光り輝く魔法陣が地面に展開して、そこから炎が上がる。
その炎が消える頃には半分程度スライムが消えていた。
「小規模の魔法だが、普通に魔法を使っていたり独自色を出さなくてもここまで出来る!」「「「「おおー」」」」
手を叩く僕とリン、魔女エーデル、ヒナタ姫。
アオイはなんとなく頷くのが嫌なのかそっぽを向き、ミミカはどうでも良さそうに、取りこぼしたスライムをフライパンで撃退していた。
フライパンでボコボコ倒すのはよくあることだなと思ってみているとそこでリンが、
「よし、次は私の出番~」
と言ってスライムに突っ込んでいき半数近くを一瞬にして細切れにした。
これにてスライムの集団は意図も簡単に倒されてしまったわけですが、そこで魔女エーデルが、
「スライムは弱いけれど集団になると大変で、そこそこ優秀な魔法使いが数十人集まったり有能な剣士もいないと大変じゃなかったかしら」
「そうなんですか? 僕達の村ではいつも農作業なんかの合間に遊びで打ったり倒したりして駆除していましたが。作物を荒らしますし」
「……貴方の村の話はおいておくとして、何でこんな子供達がこんなに強いの? しかも集団で? おかしいでしょう?」
「偶然を必然に見るようになると騙されるって僕は教わりました」
「……それもそうね」
僕のその言葉に魔女エーデルは嘆息して、そのまま僕達は更に進み適当に魔物を倒したりしながら採掘場に向かったのだった。
入山料を1200コールド支払い中に向かう。
僕達の他にも数十名が山に入り込んでいるらしい。
ちなみに採掘場は、10スポット近くあるそうなのだけれど、
「とりあえず周辺で“探査”の魔法で、必要な材料の波長は確認したから付いてきて」
とのことで、魔女エーデルについていく。
山の中でも一番深いとこにあるらしいそれだが道があまり整備されていない。
仕方がないと歩き出す僕達だが、そういえば、
「姫様は大丈夫ですか? こういった山道はあまり慣れていないと思うのですが」
「ええ。でも大丈夫です。体は鍛えておりますから」
との返事が返ってきた。
なのでそのまま僕たちは、岩の切り出しそのままの階段を登ったり、砂利道を歩いたり、細いロープを伝って歩くこと30分。
意外に時間がかからずにその場所にやってきた僕たちは、これからその採掘していた穴の中に入ることにする。
中にはところどころランプが灯っていて、危険は少ないように感じた。
「ここからこの中に入って散策することにになるわ」
という魔女エーデルの言葉を聞いて僕は、
「この中のどのあたりにあるか分かるのですか?」
「ええ、大まかには。あとはその辺りを掘るだけ。はあ、魔力とか魔法とか、お姉ちゃんに制限されていなければこんな場所に来ることなく好きにできるのにな~、嫌になっちゃうわ~」
そんな風に嘆く魔女エーデルについていくように僕たちは採掘後へと入っていったのだった。