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原因不明のアジトの壊滅

 さて、魔法学図書館にやってきたわけですが、


「さて、魔法に詳しいこの私が説明してあげるわ!」


 ビシッと僕を指さしながら、アオイが僕に宣言した。

 とりあえず教えたくてウズウズしているアオイが可愛いし、教えてもらえるならまあいいかと僕が思っていると、ミナトが、


「アオイ、程々にしておけよ」

「わ、分かっているわよ」


 それにリンも、確かにあれはきついよねと同意して、アオイが怒ったように頬をふくらませた。

 そんな風な言い方はないんじゃないかなと僕が思っているも、実際に体験してその意味を知る。


「も、もう限界です。休憩を……」

「あら、まだ3分の1しか来ていないし説明だって途中じゃない」

「へ、へるぷみー」


 僕は、アオイと僕から離れて様子をうかがっていたリンとミナトに手を降って助けを求めた。

 二人はにっこり笑って、


「頑張れ、君の犠牲は無駄にはしない」

「きっとユウトなら頑張れるはず!」

「へ、へるぷみぃいいいい」


 そんな丸投げっぽいことを言われても僕はもう限界だった。

 僕のそういった危機的状況の信号を受け取ってくれたらしく、リンとミナトがやってきて、リンが、


「あっちに休憩所があるからそっちで休みましょうよ。今日はユウトはここについたばかりであの“お姫様鬼ごっこ”に出ているわけだし」

「……しかたがないわね。いいわよ」


 とのことで僕はようやく休憩をとれたのだった。








 緑色のシロップを炭酸で希釈し、その上にバニラアイスを載せた飲み物を飲みながら僕はアオイに聞いてみた。


「でも都市って、まだ国を乗っ取ろうという人達がいたみたいだね」

「ここの所数年でそういう人達が出てきているのは確かね。確かさっきの都市で起こった大きな事件一覧に、ここ最近の話が載っていたかしら」


 年号まで全部記載されているので、そこについ最近の物があったのだ。

 ただ、原因不明のアジトの壊滅で全てが収束しているが。

 そこでアオイが珍しく難しい顔をして、


「そこそこ遠い国が経済破綻しちゃってね。そこの人達がこの国の都市に雪崩れ込んでいるの。そして、全てではないけれど一部の人達がそういった行動に出ているの」

「でも普通にそんなことをする時間を仕事に回せばいいのに」

「ものを作ったりする能力が欠如しているから、略奪することでしか食べ物すらもえられない人間ているの。一応、犯罪者の場合は警察が捕らえた後で職業訓練をさせたりする場合もあったりするらしいけれどね。……最近、都市も不穏なの」

「でもそんなで都市の維持とかそういったのはその人達に出来るのかな? 出来なければ略奪する意味がない気がする」

「出来るわけがないでしょう。理屈が逆よ。だから略奪しか出来ないの。さて、暗い話はおしまい。次に回るわ。折角だから魔女の特別展示物のところを先に見ましょう」

「まだ全部飲んでいないよ!」


 しかたがないわねと、アオイは呟き、そこで思い出したように、


「ちなみに壊滅させられたそのアジトは全部あの魔女エーデルによって引き起こされた、と言っているのよね」

「そうなんだ」

「ただ歴史上で、魔女エーデルを騙って何かをやると、その魔女自身が潰しに来るという伝説があるのよね」


 まあ、さすがにそれはないだろうけれどと笑うアオイだけれどそこでリンが、


「んー、本人じゃない? 自分の名前が騙られて悪さをされるのって物凄く傷つくらしいし」

「まるで本人に会ったことがあるみたいな発言よ、リン」

「ははは。でも私も今だから言うけれど魔女エーデルを探していたりするんだよね」

「そうなの? 知らなかったわ」

「でも急ぐわけじゃないから観光していただけ」


 そう笑うリンに、ユウトものみ終わったみたいだし行こうかと言い出したのだった。


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