#11 侵入者 A
A.
「…ということがあったのよ」
星羅は買い出しに行った時の出来事を広場で待っていたカリアン達に説明した。
「た…大変だったわね(汗)」
「そんなことがあったのですか」
「しかしまぁ…こっちの世界にもナンパってのはあるんだな」と紅がいった。
「………」
シリアはさっきのことがあって以来ずっと何か考え込んでいた。
「シリアさん?」
レイラが声をかけるのをみて、星羅も心配そうに声をかけた。
「どうかしたの?さっきからかんがえているみたいだけど」
「…いえ…少し気になることがありまして」
「気になること?」と聞き返すと首を縦に振り頷いた。
「アンジェ様、先ほど絡んできた殿方の身なりを覚えていらっしゃいますか?」
「え…?えぇ、覚えているわ」
さっき絡んできた男たちの服装は普通にその辺りにいる一般市民とあまり変わらない服装だった。
「普通の格好だったけど…なにかあるの?」
「あの殿方たちが来ていた服の胸のところに刺繍されていた紋章は見られましたか?」
「そう言われると…あったような、なかったような…」
確かにマークはあった。
よくは見なかったが、赤と紫の何かのマークが。
「あれは、ウェリガルドの北部の渓谷にある村にいるノーセスという種族の者です」
「ノーセス?初めて聞いた種族ね。…でも北部の渓谷ってマルツス渓谷のことよね?北部っていってもあそこはここからかなり離れているわよね?どうしてそこの者がここに?」
星羅の言う通り、ノーセスがいるマルツス渓谷とは、ウェルノスから飛行術を使っても3日はかかる位置にある。
地球でいうと飛行機で2日というところだ。
「そんなに遠いの?その…マルツス渓谷っていうところ」
「でも、旅行とかできているとかではないのですか?」
シリアは首を横に振った。
「それはありえないのです」
「何故?何故そこまで言い切れる?」
「何故なら…」
シリアの言葉に一同は驚きを隠せなかった。
「何故なら…ノーセスこそ、アンジェ様を襲った…12年前の盗賊たちなのですから」
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