#7 セナ B
B.
「それは変じゃない?だってディーは砂漠で気を失ったのなら見つかるはずでしょ?」
「そのとおりです。砂漠を通らない限り犯人たちがいた場所には行けませんから!通った時に気づくはず・・・」とナハトがカリアンの質問に答えた。
「じゃあ何故、砂漠にいなかったんだ?」
「それは・・・」と二人はうつむいた。
その続きはもちろん・・・本人である星羅が答えた。
「それは・・・目が覚めた場所がちがったからよ」
「誰かに拾われた・・・ってことか?」
「いいえ・・・」と星羅は首を振った。
「私は砂漠で目を覚ましたの」と星羅は言った。
しかし・・・。
「それは矛盾してないか?」
「確かに・・・」とその場にいた星羅以外の人が紅に同意した。
「先程、星羅は砂漠で倒れたが・・・目が覚めた時には別の場所だったと言ったよな?それはおかしいじゃないか」
「そうですよアンジェリカ様・・・!それでは結局、どこにいたというのですか?」
窓からこちらに振り向き・・・確かに言った。
「私が目を覚ましたのは・・・ウィリガルドの砂漠ではなく、ヴァンゼの砂漠だったのよ」
その場の空気が凍りついた。
皆は驚愕した。
紅はその中で思考を整理した。
ヴァンゼの砂漠!?
そんなことが可能なのか?
確かに私たちは星羅とこちら側に来た。
それはあのビルにあった陣に触れたからであって・・・。
星羅は関係がな・・・?
そこでまた別の疑問が浮かんだ。
陣に触れたのは星羅だ。
陣と星羅の関係はなんだ?
星羅がこちら側の者ならば共通点は異端。
ならば・・・その異端の源である黒騎士の力が鍵・・・?
そこで思考の整理がついた紅はその疑問を明かそうとした。
しかし、やめた。
確信がないことを口にするもんじゃない・・・と考えたからだ。
「私はヴァンゼで目を覚まし、ウィリガルドの力を使えるだけ使い、近くの世界・・・地球に移動したんだ。そして、カリアンと出会い今に至る」
「これが真実・・・私の知る全てだ」
応接間には沈黙だけが残った。
お読みいただきありがとうございました^^
星羅の過去の真実が全て明かされました。
新たに生まれた紅の疑問・・・
ナハトの心に引っかかっている黒騎士の存在・・・
それらはまた別のお話。
題名のセナ・・・
気になっている人もいるでしょう^^
その謎も次話で明らかに・・・!
お楽しみに!