#7 セナ A
#7 セナ
A.
「黒…騎士…?」
ナハトは何か引っかかった…様な気がした。
聞いたことがあるようなないような…そんな感じだった。
しかし今は星羅の話に集中したいという念のほうが強く、その感覚はすぐに消えた。
「精神が崩壊したのと同時に恐怖とは別に…怒りがこみ上げてきたの。殺意ににた感情…。その他にも
様々な感情がこみ上げてきたわ。私にはどうすることもできなかった…」と首を振って言った。
「それって…」
カリアンを含む四人には心当たりがあった。
それはウェリガルドに来たばかりの時のことだ。
高熱で倒れた直後に黒い鎧と甲冑を身に付け、カリアンたちを襲ってきた。
星羅本人の意思でとは考えにくい。
高熱が精神崩壊と同じように星羅を追い詰めたのなら…
それに、カリアンとノアを襲うのを止め、呟いた言葉は…こみ上げてきた感情ならば…?
すべてのつじつまが合う。
つまり…
「黒騎士の暴走…だな?」と紅が言った。
「暴…走…?」とナハトが首をかしげて聞いてきた。
「あぁ…私たちがここ…ウェリガルドに来たばかりの時に黒騎士の力…と思われる暴走で星羅が私たちを襲ったんだ。それで、レイラは気を失い…先ほどの状態に至ったということさ」
「そんなことがあったのですか…」
「紅の言う通りよ。あの日…あの時、私は感情に流されるがままに黒騎士の力を使い、暴走したわ。
鎧や甲冑が黒いのはその時の感情が原因だと思うわ…」
そこで一息おいた。
「誰も殺させはしないっ…!!そう思った時には勝手に体が動いていた」
皆は無言で…次の言葉を待った。
「そして…我に返った時、目の前に広がっていた光景は…絶望的だったわ。さっきまで私に乱暴をしていた男たち、脅迫してきたリーダーらしき男は地面に倒れていた…。血を流して…全員」
「・・・・・!!?」
カリアンが震える声で、しかしはっきりと聞いた。
「…てことは、最果ての民とかいうのを皆殺しにしたのって…デ…ディー…なの?」
星羅は無言で頷き言った。
「私の手にはしっかりソレが握られていたよ…。血だらけの黒い剣が…」
「そんな…!!そんなことって…!!」とレイラが叫んだ。
星羅は立ち上がり…みんなに背を向け、
応接間にある大きな窓まで歩き…窓に手を当て、外を見ながら言った。
「私は一人になった。周りには死体。私の手には血だらけの剣。
雨が降ってきて…私は泣いた。泣きながら家族が無事なのかを確認するために城に向けて歩いた。
たくさん歩いた。歩いたはずなのに視界には、延々と広がる砂漠しか映らなかった。
そして私は力尽きたんだ…」
お読みいただきありがとうございました^^
6話から暗い話が続いてしまいましたね(汗)
最初に前話のあとがきに書いたとおり、全て終わらすつもりでしたが…
消えた理由はBパートに書かせていただきます。
気になっていた方々、すみませんでした。
なるべく早くに更新するつもりです。
次話もお楽しみに!




