#6 真実 C
C.
紅の問いに星羅は答えた。
「今からその話をするわ…。それから数時間後のことだったわ。犯人グループのボス…らしき人が私に言ったの。『我々は最果ての民、私たちは前の王に追放された民!現王には恨みはない。しかし、それでは民の…我々の怒りが収まらないんだ!だからこれから私たちは城に戦線布告をする!そのためにも、お前には人質になってもらう!』…と」
そこでナハトが立ち上がった。
「最果ての民!?」
「その様子だと何か知っているようだな、ナハトさん」と紅がいった。
「はい。聞いた話では、前王が貿易をする際に仕方なく切り捨てた民がそんな名前だったと。しかしあれは…」
「あれは?」
「あの民の切り捨ては王ではなく王の部下であった家臣が貿易相手の国王に情報を漏らしていたことから起こってしまった事件。王は関与していなかったと聞いています」
「そんな…」
「その家臣はどうしたんだ?」
「それは…その場で処刑されたそうです。他国に情報を漏らすなど大罪ですから」
「…少し話がズレたわね。話を続けるわ」
「当時の私はまだ6歳。ほとんど話の内容が理解できなかったわ。暴行を受けたりして、精神的にも限界でもあったの。その状態の私に言ったの。『わからなかったようだから簡単にいう。今から城に行ってお前の大切な人たちをみんな殺してそのあとお前も殺す』って。その言葉は私に止めをさす言葉だったわ。完全に精神が崩壊して…叫んだ…泣いた…私の心には恐怖しかなかったわ。そして…その時目覚めたの」
「な…何が?」とカリアンが聞いた。
「黒騎士の力が…」
お読みいただきありがとうございました!
いかがでしたか?
ついに第6話、完結です。
6話が終わりましたが、肝心の星羅が消えた理由と最果ての民がどうして壊滅したのかがわかりませんね。
それは次話の最初に書きます。
お楽しみに^^