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序章
時刻は放課後。学校のグラウンドはつい先ほどまで雨が降っていたと思わせる水溜りが残っている。
僕は、森坂。ここ、市内でも就職率が5本指に入る高校の2年生。2年生といっても今日が3学期の終業式だったわけで後2週間もすれば3年生に進級してしまう。
「起立、礼」
なんてありふれた挨拶で2年生活最後のHRが終了した。ここでクラスの人たちはやれカラオケに行こう。やれゲーセンに行こう。等と明日から始まる春休みを楽しみにしているみたいだが、生憎僕にはそのような気軽に話せる友達がいない。
別に友達がいないからって寂しいなんて思わない。自分には1人の時間が何よりも楽しみに毎日を過ごしている。
そんな自分が大好きな趣味が1つだけある。
それは、この高校に入学した時に買ってもらったピカピカの自転車で気の進むまま、選んだ道を行くサイクリング。
それが、僕の人生で一番熱中できる趣味だ。