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謎の少女と全ての始まり

第一章 謎の少女と全ての始まり




とある昼下がりのサンフランシスコ高峰学園。一人の少年は外を眺めていた。平凡な日常。不満もなかっ

たが、満足もできなかった。これだけ暇だと某ハルヒのような事もしたくなってくる。そんなバカなこと

を考えていた。すると

「夏涼、次の教科何だっけ」

急に少年の名前を呼ばれ、少年、菅原夏涼すがはらかりょうは驚いて椅子から転げ落ちそうになったのを、必死にこらえる。

「なんだ木蓮もくれんか……驚かすな、心臓に悪い」

「あんたは何歳だ!!」

「木蓮」と夏涼に呼ばれる少女は、昔ながらのツッコミのようにジェスチャーをした。

「木蓮・・・お前いつからつっこみになった」

「いつも私がボケて夏涼がつっこむからね。一度やってみたかったんだよ」

 木蓮は胸を張った。胸を張る事により、いつも無い胸がより一層あらわになり

(かわいそうに……)

 と夏涼は思わざるを得なかった。しまいに夏涼は泣きだした。

「え? ……ちょっ何で泣いてんの!? 私なんかした!? そうか……私がつっこみなのは納得いかないんだね」

 木蓮はガクッと肩を落とし、自分の席に戻った。

少女は伊座凪いざなぎ木蓮といい、夏涼の少なき親友の一人だ。貧乳でかわいそうなのだが、何故か本人は気にしてないように見える。ショートヘヤーで「元気っ子」というイメージを持てる。

ふと、夏涼は廊下に気配を感じた。そこには、見た事もない服を着ている少女がいる。

「!?」

夏涼は勢いよく、椅子から立ち上がり「ごめん! 次の教科……英語、遅れるって言っといて!」と木蓮に言い、廊下に出た。

「えっ? 待って夏涼! 待ってくださーい! 夏涼さーん。菅原夏涼さーん」とかなんとか木蓮が夏涼に向けて言っていたが、夏涼にはそんな事は気にならなかった。夏涼はあの不思議な子を追いかけるのが先決だと悟っていたからだ。

 夏涼は記憶を辿る。少女の姿は異常といっていいほど派手だった。黒色を主体とした、フリフリのついたワンピースのような物を着ており、黒いニーソックスをはいていた。髪は黒髪で長かった。しかしサラサラしており、ぱっとみて「綺麗で美人」というような少女だった。

廊下に出たが、少女はいなかった。だが右側の通路の、突き当りを右に曲がった所に、ちらっと、あの黒髪が見えた。そこまで走った。

 突き当りの先を見ると確かに少女はいた。だがふと疑問に思った事があった。


(あれっ? 何でみんな無視してるんだ?)


 誰一人として、少女を見てはいなかった。たとえすれ違ってもだ。見向きもしていないのだ、あんな姿をしているのに。こそこそ話もしないのだ。もしかして夏涼にしか見えていないのかもしれない。

そんな事を考えていたら、またいなくなっていた。すると今度は、理科準備室から黒髪が見えた。夏涼は追った。

中に入ると、少女は棚をあさっていた。少しの間様子を見る。すると少女は、棚の中から一つのつぼを出した。その時

「!?」

夏涼の存在に気づいた。少女は驚き、つぼを落としそうになったがなんとか、止めた。だがすぐ先ほどの顔になり、夏涼に向かって、つぼの口を向けてきた。

「? 俺のどうしろというんだ?」

その言葉が分かったようだ。つぼの口を指でつついて、次に目を指した。

「つまり、つぼの中をのぞけと」

「コクコク」

 少女は首を縦に振った。この美少女の容姿で、そういう行動をされると何か心にくる、と夏涼は人知れず思った。

 この少女は、日本人のようだった。その証拠に日本語が理解出来ている。

(何かの障害者かな)

とそれだけ夏涼は思った。

「どれ、覗いてやるか」

 夏涼がつぼの口に目を近づけた時、一瞬、女の子が笑ったように見えた。無邪気に笑うのではなく……


 何かを企んでいるような笑みだった。


しかし夏涼はそこまで気にすることなく、つぼを覗いた。すると、

 自分の体が宙に浮く感じが夏涼を襲った。体が小さくなる感じが夏涼を襲った。体が巨大な引力に引っ張られる感じが夏涼を襲った。そして夏涼はつぼの中に吸い込まれた。

 

そして現在に至る。

 至る前に、夏涼の地面への到達方法だが夏涼は空から落ちた。草原とはいえ地面に激突したわけだから、激痛が襲っている。

なにもない草原。しいて言えば、やたらでかい山があるだけの場所だ。先ほどの言葉は夏涼の率直な感想である。ちょうど日本について勉強していたからもある。

 ふと夏涼は気づく。その授業でここを見たことがあった。夏涼は激痛をこらえ胡坐をかいて座り、考えた。これがわからないと後々困るという夏涼の直感からだ。

「…………」

 夏涼は物忘れが激しいわけではない。かといって記憶能力がいいわけでもなく、思い出すのにはまだ時間がかかりそうだった。

「…………」

 たっぷり考えた夏涼は、一つの答えを導き出した。

「ここは……そうか、関ヶ原だ」

 夏涼は一人で回答をつぶやく。それに答えるような草のざわめきがあった。

 しかし写真の関ヶ原とは少し違った

(何かの観光の建造物があったはずなんだけどな)

 夏涼は一人で首をひねる。広大な草原にただ一人座っているので、妙な寂しさがあった。

 夏涼は思いついたことをつい口にしてしまった。聞いたら誰もが笑い始めるようなことを。

「タイムスリップ?」

 その時、遠くから男が走ってきた。その男は、簡単な鎧のような物を着ている。しいて言うなれば、足軽のような格好だった。

 その人、男は大きな箱を担ぎ、すごい勢いで走って来た。

「どけどけ~!」

 男は夏涼にむかい突っ込んでくる。だがよくあるやつだ。見るなと言われたら見る。食べるなと言われたら食べる。夏涼はその精神にのっとり、どけと言われたらどかない。夏涼は男に向かって仁王立ちをした。

 夏涼の前で、男は止まった。

 男は焦っていた。命からがらに逃げているのに、まさか前を阻まれるとは思ってもみなかった。

「お前、どけと言ったのが、分からなかったのか」

「いや分かったが」

「……ならばどかないというのだな。それならこっちも」

 男は、懐に手を入れる。男には秘密兵器があった。

「考えがあるってもんよ」

 男は、小刀のような物を出した。秘密兵器というのはこのことだった。夏涼は少々動揺したが、よくある拳法の構えをし、挑発をした。

「いいな、来いよ」

 夏涼としてはいい機会だった。今までの学習の成果を出す時だからだ。幸いにも男は挑発に乗ってしまった。

「いい気になるんじゃ・・・ねぇ!」

 男はその小刀を夏涼に向けて突進。いわゆる突きを繰り出してきた。

 夏涼は即座にしゃがみ、小刀を持つ手を下から左手でつかみ、自分に引き寄せる。

「八極拳 六大開 頂」

夏涼はそのまま男の腹部にめがけて、右肘を向ける。

「攉打頂肘!」

 直撃。みぞおちにうまく決まった。だがこれは決定打ではなかった。夏涼は追撃を行う。

 男はいきなりのことに頭が真っ白になっていた。夏涼はそのすきを突き、左胸当たりを狙った。左手に力を込め、

「弓歩沖拳!」

 左足を前に出しながらそれと同時に左手を男に放った。男は体勢が崩れた状態で何もできず、そのまま夏涼の狙い通りの所に決まった。男はなすがままに、勢いに身を任せ、右寄りになる。

(ここが決め時だ!!)

夏涼は右手に力を入れ渾身の勢いと回転をつけて放った。

「オリジナル! 旋風攉拳!」

 ちょうどあばらの中心部分に直撃した。この技は回転で威力を高める技なので、ここら辺に当たるのがちょうどよかった。

 夏涼は最後の力で男を押す。男は自分より下の子供に負けるのは死ぬほど悔しかったがなすがまま、地面に仰向けに倒れた。わずか5秒の戦いだった。夏涼は少々だが、中国拳法をたしなんでいた。勉強の成果というのはこの事だ。

「ほう、自分より大きな男をあの速さで倒すとは。貴殿なかなかやるな」

 夏涼は後ろ(・・)から(・・)褒められた(・・・・・)。さっと振り向き、態勢を立て直す。そこには、派手ではあるが動きやすそうで、行動しやすそうな服を着た、……少女が馬に乗っていた。その整った顔立ちからは威厳が見られ、なんとも偉そうだった。

「そ……そりゃどうも」

 夏涼は一応礼を言った。気圧されたわけではないが、妙な感じだった。

「今貴殿が倒したのは、盗賊だ。私はこの盗賊を追っていたのでな、手間が省けた。例を言う」

「そりゃどうも……?」

 夏涼は再度謝る。そして気づく。

(今、盗賊って言いました?)

 夏涼は考える。自分の今の時代に「盗賊」が果たしていただろうか。何かとても懐かしい感じがした。そこで少女からの視線に気づいた。

少女は驚いていた。いま目の前にいる夏涼の服装が珍しいからだ。

「その格好、とても珍しいな」

夏涼の格好は制服だ。しかしサンフランシスコ高峰学園の制服は普通とは違い、特殊だった。自他共に見つめるかっこよさがあった。これを目当てに受験をする中学生もいた。

しかし、夏涼から見れば、少女のほうが珍しい格好なわけで

「俺から見るとあんたの方が珍しいと思うがな」

「まさか貴殿……『天地の使者』か?」

「……は?」

 スルーされてちょっぴり落ち込んでいた夏涼に、少女は立て続けに話す。

「それならば、星華せいか様にお伝えしなくては」

 少女は盗賊の男を担ぎ、馬に乗り夏涼に手を差し伸べた。

「貴殿、乗れ」

 人のこと基本無視な少女に言われまくりどんどん混乱する夏涼だったが、一つだけ聞きたいことがあった。

「……一ついいですか?」

「短いのならばいいぞ」

「あんた、誰?」

「あんたとは失礼な奴だ。私の名は」

 少女の口から発せられたものは、驚くべき言葉だった。


「星華様の忠臣、前田利家なるぞ!」


「はぁ!?」

 『前田利家』という言葉に夏涼は驚きを隠せなかった。



初投稿です!!

この小説は「戦国時代」を基に作っております。

何か不具合やイメージが崩れた場合、ご了承ください

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