天井
目を覚ますと、白い天井で、機械音が鳴り響いている。そして聞こえる声。
「目が覚めたみたい。先生呼んで、家族が廊下にいるから声かけてきて」
え?俺?ここは?
その後、白い服の男に色々質問され、ここが病院だと教えられる。事故で病院に運ばれたと言う。
その後、胸に付いていたコードみたいなのが外されて、点滴がついたベットのまま違う病室に移動になった。
「愛ちゃん!良かった!」
仕事だったんだろうか、濃いめのメイクと、派手な衣装の上に地味な上着を来た母親がいた。父親も来ている。
「愛ちゃん!事故にあったって聞いて、飛行機で来たのよ。もう、心配で心配で…」
そう言うと、母親は泣き出した。母さんの涙は、俺が不登校になってから、何度か泣いているのを見た時以来だった。
母親なりに、この人も一生懸命だったんだ。母さんは俺に期待していたけど、俺だって勝手に理想の母親をこの人に期待していたんだ。一生懸命仕事して、子どもに色んな経験させてやろうと、海外に色々連れて行ってくれて、母さんなりの愛情は与えてくれてたんだ。
「売店でタオルとか着替えとか売っていたから、買ってくる」
父さんがそう言って病室を出ていった。
「そういえば、上司と一緒にタクシーに乗っていたんだ。その人どうなったか知らない?」
「ごめんね。ママは愛ちゃんが事故して病院にいるとしか聞いてなくて」
「そうなんだ」
「愛ちゃんの意識が戻ったことはさっき、パパが職場に連絡してたわよ」
「そっかあ、ありがとう」
あの人、どうなったんだろう。俺は心配で心配で、とても気になった。そして何だが嫌な胸騒ぎがしたのだった。




