表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/9

第四話:思っていたより、、、

(思っていたより酷くはないな)


それがハイク様と出会った時の最初の印象だった。


オークといえば、巨大な図体、猪のような顔に口から生えた牙、野蛮な性格でデリカシーはゼロ。というイメージが人間界では定着していた。


だけど、ハイク様は違った。


3~5メートル程度の身長が基本のオークの中では小柄。でも筋肉質な180cm程度の身長。牙は犬歯が少し伸びた程度の控えめなサイズ、猪より人間に近い見た目で、オークには珍しく髪が生えていて目が隠れている。


体つきは普通の人間に近くて、オーク要素があまり見られない。こういうオークもいるんだなあという印象を受けた。


「は、はずめますて、ハイク・マクラーレン、です」


カタコトながらも、私の母語、王立語で挨拶をしたのは地味にポイントが高い。

相手の文化に対して理解と敬意を払っているのがわかる。


私はまず笑顔で感謝をしたあと、ハイクのオーク語で挨拶を返した。

ハイク様は驚きと喜びが混在した表情で私を見た。


「す、すごいですね。すごく、オーク語、うまいです!」


そう言ってはしゃぐハイク様をみて、今まで感じていた毒気というか、苛立ちが、なぜか少し和らいだ。ある程度王立語が理解できているみたいなので、聞き取りやすいよう、ゆっくり王国語で話してみることにした。


「初めまして、ヴァージニア・レッドロータスです」

「は、はじめますて、ハイク・マクラーレン、です。ヴァ、ヴァージ、、」

「ジニーでいいですよ。ハイク様」

「あ、ありがと、ございます。えっと、ジニー様。ボクの王立語、通じてもすか?」

「ええ、王立語は難しいのに、気を遣ってくれて、ありがとうございます」

「じ、実は、このはなしが決まってから、頑張っておぼえてもす」


勅令があったのは2日前。それでここまで会話が成立するレベルまで学習できた。普通の人族でも、別民族ならこのレベルに行くまでは数週間はかかるはずだ。


オークは賢くないという認識は改めないとなと私は思った。特に私の母語である王立語は、彼の母語であるオーク語と文法が大きく違う。努力家なんだなと思った。ただ、一つ、気にになることがこの後あった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ