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第一話:全部お前のせいだから!!!!

読切版から連載版になりました!

【読切短編版はこちら】→ https://ncode.syosetu.com/n8028kg/


「『お前との婚約のせいで俺達の人生は滅茶苦茶だ!!!!』」


大人気なく男気のない情けない男たちの絶叫が、宮殿の中で反響してエコーがかかり、あたりを包む。


男たちの手には、抗議の意思を示す、「ヴァージニア・レッドロータスを許すな!」と書かれた手持ち看板と、情けない「婚約被害者の会」というスローガンが書かれた鉢巻をつけ、恥ずかしげもなく号泣しながら上記のセリフを私にぶつけてきた。


そんな状況で私は、


(ほっっっんとめんどくせえですわ)


と思っていた。


大の大人が、しかもこの世界の政界を担う逸材たちと言われた男たちが、こんな可憐でか弱い私一人に向かって、「おまえのせいだ」の大合唱。


めんどくせえことこの上ない。女が腐ったような男という言い回しがあるが、その下に「男が腐った男」があるのを、私は今肌感覚で実感している。


状況は説明しました。

じゃあなぜ、このような事態が起きているのか。

それを説明させていただきたい。


私の名前はヴァージニア・レッドロータス。貴族の中でも上位の地位を持つレッドロータス家の娘で、花も恥じらう18歳の乙女だ。


その姿立ち振る舞いは、当社比で通常の社交界にいる有象無象の女どもとは格が10くらい違う超絶美女(自己申告)であり、人望激アツであり(諸説あり)、なにより学問においては最高学府として名高い、聖エカテリーナ王立大学院を飛び級の上主席で卒業した完璧な淑女(当社比)である。


しかし、そんな欠点が一切ないように見える私にも、あるちょっとした些細な特徴がある。


この世界では15歳になると、その中から神の加護を受けた人間は、ある特殊な能力「ギフト」を授かることがある。私は当然、そのギフトを獲得している。ギフトを得られる人間は多くない。


だが、当たり前だけれども私はギフトを持っている。専門のギフト鑑定士により教えられたギフト名は、


【婚約者パラメータバグ発動】


この「バグ」という言葉の意味は鑑定士もわからないそうだ。この世界に存在しない単語だった。しかしこの完璧すぎる私のスキルにデメリットがあるわけではないので、きっと神の祝福を意味するに違いない。


最強スペックにまた最強が搭載されてしまったと私は思っていたが、現実は少し、想定と違った。

最新話は夜の8時ごろに投稿予定です。

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