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第52話 お相撲さんに激突されて死ね!


「巨塊居反り投げ!!」


(ズゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!)



 リキシィは岩の塊みたいになった脳筋を体を反らせるようにして後ろに投げ落とした! ホントに投げちゃったよ! リキシィ、どんだけ力強いのよ? やり過ぎ!



「ぐおぉぉあっ!? この鎧の状態の俺を投げただとぉ!? 馬鹿な! 防御力は高いから何も効かないはずなのに!」


「外は硬くても、中がそのままなら意味は無かバイ。」



 リキシィの言うとおり、中身が柔らかいままじゃ意味ないよね。前の石頭攻撃も頭だけ硬くしてて顔はそのままだったし。やっぱ、脳みそが岩になっちゃってるんじゃないの、コイツ?



「ぐはは! でも問題は無い! 地面に落ちる前に対策をしておいたからな!」


(ザザザザザッ!!)



 脳筋の倒れているところに砂? あんな所に砂場なんてあったっけ? おかしい。このダンジョンの床は大体、ゴツゴツした岩みたいな所ばっかだったのにな? さては魔術でなんかしたな? 脳筋のクセにそういう所は気が回るのかよ!



「砂でダメージを軽減したっちゃね?」


「その通り! 地面を砂に変化させたというわけだ! あらゆる状況に対応するのがこのヴィーナス様の真骨頂ってワケよ!」



 だったら最初から食らわない方がいいに決まってんじゃん。何言ってんの、コイツ。もうお馬鹿すぎて腹立ってきた。身内だったら徹底的に教育してやるのに。なんかウチらんとこのアホ勇者と同じ様に見えてきた。



「さあて更なる力を見せてやるぞ! 思い知れ!」



 脳筋は砂の流れをうまく操作して倒れた体を立て直させている。その間に砂の一部を隆起させて、デカい塊を何個か作っている。それが次第に化け物の骨格へと姿を変えていった! ナニコレ、ドラゴン?



「地中にはな、古代の生物の化石ってのが多く埋もれてたりするもんなんだ。地中に埋まってるモンは思うままに操れるのが地属性魔術なんだ。要するに万能の最強ってワケよ!」


「なんか、死霊術みたいじゃん!」


「あんな禁呪法と一緒にするな! こっちはあくまで化石をゴーレムみたいに使役してんだよ!」



 三匹の化石ドラゴンがリキシィに襲いかかろうとしている! ヤバいじゃん! デカいのばっかりだし、三匹はズルい。ちょっと脳筋戦法が通用しなくなったからってコレはヒドい! セコ筋め!



「タルカス軍に比べたら、大した事なか! 蹴散らしちゃる!」



 リキシィはビビること無く強気な感じで待ち構えている! そういえばそうだね。あのゴーレム軍団と比べたらザコっぽい。只の石の怪獣でしかないし。そう考えれば安心しちゃった。早速、先頭の一匹をとっ捕まえて投げ飛ばしてる。残りの二匹のいるところに投げてまとめてなぎ倒してる。



「馬鹿なぁ!? 化石竜がこうも簡単に!?」


「ただタイミングが悪かったっちゃよ。オイ達はもっと強か敵と戦ってきたバイ。それに比べたらきさんは弱かね!」


「ちくしょう!! こうなったら……、」



 悔しがる脳筋は化石を崩して砂に変えたかと思うと、次はその砂の山を使ってリキシィを襲わせようとした。リキシィは走って避けてるけど、だんだん体が地面に沈んでいってる! 脳筋は周りの地面まで砂に変えたんだ!



「砂地獄だ! 貴様がどれだけ強かろうとこれは防ぎようがないだろう! 飲み込まれて死んでしまえ!」


(バサササッ!!!)



 大量の砂の塊がリキシィの体を飲み込んじゃった! コレじゃもう勝ち目無いよ! ……でも、何か砂がモゴモゴ動いてる! 



(ザバアッ!!!)


「……な、何ぃ!?」



 砂の中からリキシィが砂を撥ね除けながら出てきた! 砂に埋もれてもズンズン這い上がってきてる! リキシィを止められる物なんてあるのかぁ?



「力士にとって砂は身近な物っちゃね。なんてことなかたい。砂の上でいつも鍛錬するのが力士の日常バイ。」


「ちくしょおおおっ!!!」



 脳筋はヤケクソになって襲いかかっていく。何しても返してくるリキシィに策がなくなって、怖くなったのかも。やっぱ脳筋は脳筋。魔術師でもこんなのがいるなんて以外。脳筋は例の岩の棍棒を振り下ろしたけど、リキシィにあっさりすり抜けられて掴まれた。これはまた投げられるな。



「脳天墜落落とし!! どっせええぇい!!!」



 脳筋は思いっきりぶん投げられて頭から真っ逆さまに地面に激突した。今度は砂の上じゃなく硬い地面の上に落ちたので「ぐえ」とか言いながら倒れた。アレ多分、首の骨折れたんじゃない? 死んだかな?



「うわあああああっ!?」



 脳筋を倒したと思ったら、ジュニアの悲鳴が聞こえてきた。声のした方向を見ると、本当にジュニアが炎上していた!

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