表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/406

第51話 筋肉どころか岩になってない?


「なんか、ファイヤーなんとかさんが早速ジュニアにやられちゃってる!」



 一番イキってたヤツが最初にやられそうになっている! さすがはウチの僕三号! やれ! やれ! ジュニア! もっとやれ! そんな派手派手魔術師なんてけちょんけちょんにしてやればいいさ! 



「さすがはロッヒェンばい! 敵リーダーをそのまま倒してしまいそうな勢いっちゃね!」


「調子に乗るなよ、ガキ共! アイツはそんな簡単には倒せねえよ! D・L・C舐めんじゃねぇ!」



 ジュニア達と違ってコッチのガチムチ対決はずっと取っ組み合いの力比べばっかり! 押したり押されたり、の延々繰り返し! しかも相手って魔術師のはずなのにずっとそればっかり。ホントに魔術師?



「力自体は互角みてえだな! そろそろ俺の魔術を見せてやるよ!」


(……ドゴン!!)



 魔術を見せるとか言いながら脳筋魔術師は後ろに頭をそらせた。と思ったらそのままリキシィに頭突きを食らわせた! 金槌で岩を叩いたような音が響く! ただの頭突きくらい…と思ったら、リキシィのおでこに血が付いている! しかも痛そう。それなのに脳筋の方は何も怪我をしてない! なんで?



「きさんの頭、ばり硬かバイ! 何したっちゃね?」


「はっはっは! これぞ岩壊魔術、金剛頭(ダイヤモンド・ヘッド)だ! これで粉砕できない物など何もない!」


「うわぁ!? 脳みそまで岩になってる! 脳筋も病状が進むとあんなんになっちゃうんだ!」


「誰が岩だ! ダイヤモンドだぞ!! 岩なんて目じゃねぇ!!」



 脳みそまで…ってトコは否定しないんだ? しかも岩より硬いなんて自慢してる! もう完全に脳筋の発想だよね、コレ? 硬いところしかアピールポイントないんか、って感じ。



「何発でも食らいな! そのデカい顔面が砕けるまで粉砕してやる!」


(ドガッ! ドガッ! ドガッ! ドガッ!)「ぐうっ! ぬうっ!」



 リキシィは頭突きで滅多打ちされてる! 流れた血がどんどん顔を真っ赤にしていってる。このままじゃ、ホントに頭割れちゃう! 離れればいいかと思ったら、がっしり腕を掴まれてる。しかも脳筋の腕の外見が岩みたいに変わってる! こんな地味なところで魔術を使ってるなんて、コイツ結構セコくない? 脳筋の名が泣くぞ!



「そろそろ仕上げだ! 当たって砕けろ!!」


「……クッ!?」



 脳筋は体を思いっきり仰け反らせて頭を振り上げた。その瞬間、リキシィは逆に頭を下げちゃった。これじゃ首までもげちゃうよ!



「リキシィ! 負けんな!」


「オイはそげん簡単には負けんバイ!!」


(……ゴスッ!!)



 脳筋が頭を振り下ろした瞬間、リキシィは下の方から頭を思いっきり突き上げた! リキシィの頭が脳筋の顔面に激突した! やった! まさかのカウンター攻撃だ! あまりに痛かったのか、脳筋は組み付いていたリキシィの体を思いっきり突き放した。



「ぐはぁ!? 痛ぇ!! てめえ、やりやがったな!!」


「頭だけ硬くして、油断してたのがいけないっちゃね。油断は禁物バイ。」



 やっぱ脳筋は脳筋か。頭しか硬くしてなかったなんて、馬鹿じゃない? 顔だけそのままだったとか、超ウケる! 今ので鼻がひん曲がっちゃってるよ! 鼻血もブシャーだし。ブサい顔が更にブサくなってる!



「もう許さん! こうなったら地属性魔術の恐ろしさを思う存分味あわせてやる!」



 大声でわめき散らすと同時に、脳筋の周りの地面が何かゴワゴワとせり上がってきた! それが脳筋の体に巻き付いて鎧みたいになっていく!



「見よ! これが地属性魔術の極意、“不壊の鎧”だ! これを砕ける物などこの世には存在しなぁい!!」


「え? “不快”の鎧?」


「小娘、貴様! 違う意味のフカイを連想したな! 許さんぞ! 小僧を倒した後に絶対すり潰すから、おとなしく待っていろ!」


(ズゥーン! ズゥーン!)



 脳筋はゆっくりと前身している。硬くはなったけど凄く重くなったみたい。それだとあんまり意味はないんじゃ? 下手したら敵にボコられるだけじゃないのそれ?



「さっきよかバリ硬そうになったっちゃね。それでも良か! オイも負けてはいられんバイ!」

 


 リキシィは片足ずつ、思い切り足を振り上げて地面を踏みしめてる。なんかいつもやってる準備運動的なヤツ。これはそのままぶつかっていく気満々なんじゃない?



「ドスコーイ!!」


「そのまま飛び込んで来るたぁ、いい度胸だ!!」



 脳筋は地面から岩の塊をせり立たせて手でそれを掴んだ。それを引き抜いて迫ってくるリキシィを殴りつけようとした。岩のハンマーだ!



(ボゴォン!!!!)



 振り下ろした所の地面が大きく凹んだ! リキシィは潰されちゃったのかと思ったら、いつの間にか避けて脳筋の後ろに回っていた。



「ほぅ? 今のを避けたか。以外とすばしっこいんだな。」


「きさんが遅かね。そげん攻撃は当たらんバイ。」



 リキシィはそのまま後ろから脳筋を掴んで何かしようとしていた。もしかして、そのまま相手を投げようとしてない? 只でさえ凄く重くなってるのに……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ