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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
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第424話 何が始まるんです……?


「おお? なんか広い部屋に出たぞ?」



 数々の罠を潜り抜け、俺たちは妙にだだっ広い部屋に来た。塔の中とは思えないほどの広さ、外に出たんじゃないかっていうくらいの広さである。下手したら、軍隊がまるごと演習を行えるぐらいの広さがあるんじゃないかと思える。



「妙だな。これはまた罠の匂いがする。これで何もないと考える方が不自然な感じだな。」



 ファルが言うのも最もで、大抵広い部屋には何かが待ち構えているものだ。あの箱オジサンがいたところも不自然に広かったし、宝箱が点在しているという不気味な感じの場所だった。


 それ以外にもやたら曲がり角が多い入り組んだところでは、前後からオニオンズが挟み撃ちにしてきたりといった有り様だった。とにかくおかしな印象の場所では警戒した方がいいというのは嫌と言うほど理解した。



「あーっ!? なんでアンタ達がこんな所にいるのよ!」


「いて悪いか! お前らの方こそなんでここに?」



 誰かと思えば、ミヤコ達悪の軍団、というかヴァル・ムングの手下ご一行が同じ部屋に現れた。違う入り口から入ってきたようだが、中で再び顔を合わせることになるとは思わなかった。最終的にハリスのいる部屋とか、頂上とかだったらわかるがこんな中程の道程で合流することになるとは……。



「同じ部屋で鉢合わせ……。魔王(ハリス)め、何を企んでいるんだ?」


「この場でまとめて一網打尽とでも考えているのでござろう。ムーザたちの襲撃以降は何もやってこなかったのは拙者らを手強しと見たためであろう。」


「えっ? お前ら、ろくに何もなく素通りしてきたのかよ! こっちは変態的な罠ばっかりだったんだぞ!」


「素通り? 多少の邪魔はあったけど、驚異にはならなかっただけよ。坊や達とは格が違うのよ。」



 ろくに襲ってこなかったと言う侍に、驚異を驚異とも呼べない程強者だと言い張る邪竜。確かにそうだろうな。こんな奴らをまともに相手にしていたら魔族だって兵力とか魔力が足りなくなってしまうだろう。


 というか、侍がしれっとムーザの名前を出したのが気になる。やっぱ、カレルとおんなじで複製人間(クローン)の一派に違いない。カレル以外にも過去の勇者を甦らせていたとは……。厄介なことになってきたな。



「ハッ! 犬の魔王の次はお前らか! どうも(ハリス)は敵対勢力を鉢合わせにして戦力を減らしたいようだな!」


「ブレンダン!? 今度は処刑隊まで合流かよ!」



 お次は処刑隊のお出ましだった。悪態のつき方からして、道中で犬の魔王のパーティーと鉢合わせしたんだろうな。ヴァル様勢とは対照的にメンバーの大体が消耗してそうなのが見てとれる。犬の魔王達と一戦繰り広げたんだろう。となるとタニシの安否が気になるところだが……? 巻き込まれて悲惨な末路を迎えてない事を祈る!



「おお? 誰かうるさい奴がいると思ったら、処刑隊の旦那じゃないか? 随分とボロボロなようで?」


「てめえは!? 俺の剣を壊した優男に、イグレスじゃないか! クソッ! どいつもこいつも嫌なタイミングで出くわすとは!」


「むう! 一通りこの塔に挑んだメンバーが一同に会しているようだな?」


「エド! 無事だったか!」



 今度はエド達だった。処刑隊程じゃないが、何度か交戦をしたような跡が見える。エドの鎧には一つ目立つ程大きな切り傷が付いているし、眼鏡はなんか長距離をひとっ走りしてきたかの様に疲労感が見える。


 戟覇は……珍しく矛を手にしている。刃が少し曇っている様にも見えるな。背中に吊るしているだけで戦闘なんて滅多にしないような男だと思ったが、戦わざるを得ない状況にはなったのだろう。ジェイやクロエさんはピンピンしてるみたいだけど。



(ハリス)は恐るべき者達を蘇らせてしまった……。」


「何? まさか、エドのところにも複製人間(クローン)が現れたのか?」


「やはり君たちの所にも現れたということか。やはり多くの英霊を配下につけていると見て良さそうだな。」


「俺らのところにはカレルが来た。ファルの師匠やエルのお母さんまで。」



 やっぱ何らかの複製人間(クローン)戦士と戦ったのだろう。戟覇、刀覇まで戦う程だったんだから、それなりの存在が出てきたんだろう。だがいずれも強者揃いだから退けることが出来たに違いない。



(ドォォォォォォン!!!!!!!)


「うわっ!? なんだ? 今度は何が起こったんだ!?」



 部屋の中央付近で何か大きな炸裂音が木霊した! 何か砂煙のような物が立ち込め、様子が中々確認出来ないが、二人の人間がいるのはうっすらわかる。なんかどっちもガタイのいいシルエットなのはわかるが……?



「そなたらもここにいたのか?」


「あれ? サヨちゃん? いつの間に?」


「拳王と鬼が戦っておる所に妙な紙切れが落ちてきてな。『皆さんをVIPルームにご招待!』と書かれているのを確認した途端、この場所に転送されておったのじゃよ。」


「ハリスの仕業か! じゃあ、あそこにいるのが……、」



 ゴツいシルエット、少し背の低い方は見覚えのある男だとわかった。忘れもしない! 昨日一昨日、俺と死闘を繰り広げ逃げ帰ったはずの鬼、トウテツがそこにいた! それにしても相手をしている男は何者だ? 知らない男だが、なんか容姿的に思い当たるような男がいたような……? さっき、サヨちゃんがケンオウとか口走ってたが、まさかな……?

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