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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
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第399話 拳闘だけだと思うなよ?


「ううっ!?」


「ああっ!? ロッヒー君!?」



 伝説のグレート・ゴリラもとい、伝説のケンオウとロッヒー君の死闘の決着はあっけなく付こうとしていたッ! 私も最初はロッヒー君が勝つ物と思い気楽に見てたけど、蓋を開けてみたらビックリ! なんと相手がよく動くゴリラだったのだ! 技の見た目はロッヒー君の方が圧倒的に格好良くて主人公してたのに、いかにも噛ませキャラ的なパワー型のキャラに押されているのだ! そして今、ロッヒー君の土手っ腹には必殺のボディーブロー食い込んでいるッ!



「俺がその技の対応策を用意していないとでも思ったか?」


「くはっ!! あなたの対応力には驚かされましたが、まだ終わりじゃないですよ……。」


「むっ!?」



 ロッヒー君の体が燃えているッ! なんか赤く明るく燃え始めていた! ていうか炎上してるじゃん! 炎上するどころか、むしろ炎そのものになってきていた! なんか陽炎のように……ってコレ、もしかして分身の方だったのでは! 幻影が人型の炎に戻っていき、中から分離した剣の一部が出てきたッ!



「これが不死鳥の幻影フランメ・シャッテンの真価です!」


「そうだった! こういう真似が出来るのを忘れていたぜ!!」



 もう一人の、じゃなくて本体の方のロッヒー君がケンオウに襲いかかろうとしていた! なんか最初はコッチの方が幻影だったような気がしてたんだけどな? 気のせい? それはともかく、ケンオウも反応が遅れてさっきの様なカウンター攻撃は出来なかったみたいで、辛うじて剣を白刃取りして受け止めていた。



「これも防いでしまいますか!」


「当たり前だ! 火消しの間欠泉サーマス・アクアティカスは体が覚えていたんで自然と繰り出せたが、陽炎のことはすっかり忘れていた! そいつは互いにダメージを受けたときに肩代わり出来るってのを忘れていたぜ! とどめを刺したと思ったら、陽炎が身代わりになって消えるって事をな!」



 え? どういうこと? もし本体がバレて攻撃を食らっても、代わりに分身の方がやられてくれるって解釈でいいの? 何それ! ちょっと凄すぎない? あの分身出され続けたら一生倒せないことになるよね? やっぱ魔法ってヤバいな! 私もちょっと勉強しといた方がいいかもしれない。あ、でも、すぐに睡眠魔法がセルフで発動するから無理かもしれないッ!



「掴まれはしましたが、その剣は灼熱の炎で焼かれているということをお忘れなく!」


(ジュウウウッ!!!)


「ハハッ! それぐらいは承知の上! そちらの方こそただ掴んだだけで終わると思うなよ!!」



 スゴい手が焼かれる音がしてるのに、ケンオウは剣を掴んだままロッヒー君の体を持ち上げて見せた! そこからどうするのかと思いきや、上半身を後ろに反らせるような体勢に持って行き、ロッヒー君を後ろに投げて叩き付けようとした!



一本釣り式裏投げウーヌス・ピスカトゥス・スープレックス!!」


(ドスゥン!!!!)


「ぐはっ!!!!!」



 後ろに反らせながらブリッジするような体勢に持って行き、ロッヒー君を地面に叩き付けた! バックドロップじゃん! これレスリングの技じゃないの! なんで拳闘やってる人が投げ技を使ってんのよ! ここまで来たら何でもありってこと? こんなのまで使えたら反則的に強くなるに決まってんじゃんか!



「俺の起死回生の技が決まっちまったようだな。剣闘士相手を想定して編み出した甲斐があったぜ。」


「そなたがレスリングの技まで極めておったとは……。」


「当然よ。拳闘メインとはいえ、コロッセオの闘技は剣闘やレスリング、はたまた猛獣との異種同士の対戦、何でもありの世界なんだぜ? 時には異種競技同士の総合戦技試合だって組まれることもあった。その機会に様々な闘法を見て研究して取り入れてこそ王者を名乗れると言うもんだ。」


「古来のコロッセオ競技については専門外じゃったからの。妾でも知らなかった事実じゃな。」



 コロッセオはとっても古くて大体二千年くらいの歴史があるとかないとか? なんとかって言う古代文明の頃の記録は残っていても、千年くらい前のちょっと古い位の時期の話ってあんまり残ってないらしいね? その時にやって事なんて詳しいことがわからないから、誰も知らない。生きてた人本人くらいしかわからないよね。あんなトンデモな技なんて誰も知るはずがない。初見殺し過ぎるのだ!



「物知りなワラワ先生でも知らない事ってあったんだ?」


「ちょうどその頃は人間との交流は持っていなかったのじゃよ。長い人生、人嫌いだったこともあるのじゃ。」


「???」



 えっ……? この人って……その時から生きてたの? ま、まさか? そんなおばあちゃんには見えないんだけど? 実は物凄いロリババア過ぎて年取るの忘れちゃったみたいなことになっている? はっ! ていうか、その前にロッヒー君が完全にグロッキー状態になってるじゃないか! リンシャンが介抱しに行ってるけど、応答がない! 返事がない、ただの屍の様になってしまっている!



「命の別状はなさそうだけど、完全に気を失っているアル……。」


「これじゃうちらのパーティーって男が全滅しちゃったのと同じじゃない! どーしよ!?」


「そっちにいる奴らも怪我人みたいだな。カレルとかいう男にやられた連中だろ? しょうがない。いったん引き返して別の連中を狙いに行くか……?」


「その必要はないアルよ。」


「あ? なんでだ嬢ちゃん?」


「今度は私が相手になるアルよ!」



 男衆が全滅して、残りの女子軍団で一気に襲いかかるか、と思っていたら! リンシャンが次の相手になるとか言い出した! ダメだよ! こんなゴツいのと戦ったらクチャクチャにペシャッってやられてしまうよ! リンシャンが強いのは知ってるけどロッヒー君がコテンパンにされてしまった位の相手なんだから一体どうなるのか……。


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