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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
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第386話 耀く? ウルトラ・ボックス!?


「チッ! こんな箱、すぐに壊してやる!」


「おっと! いいのかな? 箱が損傷したりすると中の人間にダメージが行くぞ? もし壊してしまったら、死んでしまうのだ。無闇に外力を加えないようにするのだな!」



 俺が中から脱出できないだけでなく、外から強引に脱出させるのも無理だとは! しかも壊れたら死ぬだと? じゃあ今の俺は只の箱に成り下がってしまったのか? ではやっぱり、この箱おじさんを倒すなりしないと脱出はできないというわけか。



「じゃあ、さっさとお前を片付けてしまうことになるな? 覚悟しろよ? 俺ら全員の戦闘力をなめるんじゃないぞ!」


「はは! 私が何の対策もせずにここへ一人でやって来たと思っているのか? もし、そんなことをすればどうなっても知らんぞ?」


「アンタを倒したら箱も一緒に壊れるとか言うんちゃうやろな?」


「その通り! 倒せば連動して他の箱も同時に壊れるように設定している! 勇者が死ぬだけではない。この先に進む仕掛けすら破壊してしまうことになるぞ。私をリンチしようものなら、未来への道は全て閉ざされるという事態になってしまうのだ!」



 くそう! 倒すと全部壊れるように細工してるのか! この箱の罠の何から何まで全てこの男の管理下に置かれているということなのだろう。てことはつまりミミックも全てこいつの使い魔ということに。


 凍結させてあるとはいえ、敵の戦力はこちらよりも多い。下手をしたら周りを囲まれていたなんて事態に発展しかねない。俺を人質にした上、包囲網を敷かれているようなものだ。全ては奴の手のひらの上ってことか。



「ほな、ワシらはどないしたらええねん? アンタにどつき回されてもジッとしてなアカンのか?」


「ハハハ、私がそんな加虐趣味(かぎゃくしゅみ)など持っていると思うのかね?」


「あぁ? 何? かがやく趣味だぁ?」


「ハハ! 私をからかっているのか? むしろ称賛しているように聞こえるな? 宝箱への偏愛は”輝ける趣味”なのだ!!」



 加虐趣味ならぬ、かがやく趣味……。まるでタニシのような空耳だ。ファルもからかうつもりで言ったんだろう。逆に箱おじさんの機嫌をとる形になってしまった。ダメだ、極端な変態さんには普通のイジりが通用しない。正攻法が変則戦法に変わってしまうような、あべこべ感がそこに成立してしまっていた。



「勇者を助けたいのならば、私の遊びに付き合ってもらう。」


「遊ぶって、何をするんだよ? お前の変態趣味に付き合っている暇はない。」


「勇者がそのままでもいいのかね? 今の状態なら私の気分次第でどうにでもなるんだぞ? 箱をそのまま爆弾の罠に変化させて木っ端微塵にすることだって出来るのだよ?」



 ひぇ~! 俺をそのまま爆死させることも出来るってか! 宝箱が爆発する罠なんて割とポピュラーなものだが、罠に気付かなかったり解除し損ねた時に爆発するのとは意味が違う。今の場合は自分が爆発するのである!


 爆発したら、教団の寺院に(ささやき、いのり、)|行って蘇生《えいしょう、ねんじろ!》しないといけなくなる! そいでもって灰になった上に、”LOST”してしまったら目も当てられない! それこそ「おおっと!!」で済まされる訳がない!



「何をするんだ? 俺らは何に付き合わせようと言うんだ?」


「名付けて”地獄の罠解除ゲーム”に付き合ってもらう!」


「なんだよそれ? 結局、ゲーム(遊び)なんじゃないか。」


「フハハ、なんとでも言うがいい。結局は私に従わねば勇者を助け出すことは出来ぬ! かつては誰もが恐れ、尻尾を巻いて逃げていった、伝説のゲームに参加できるのだ! 少しはありがたいと思うのだな!」



 皆が恐れて参加するのを拒んだ? いや、ていうかただ単につまらんかったから、若しくは変態趣味に付き合わされたくなかったから逃げていっただけでは? こんな風に俺を人質にして無理矢理参加させないといけないくらいに悪趣味すぎたのだろう。そんなんやるくらいだったら、普通にダンジョン潜りにいあった方が遥かに有意義だもんな。



「しょうがないな。お前の趣味に付き合ってやる。早くしろ。」


「フフフ、慌てるな。慌てれば慌てるほど、ミスを招く結果になるぞ。宝箱の開封をする際には命取りとなるのだぞ。」


「早くしろって言ってんだろ!」


「せっかちな男だな。いずれその焦りが後悔の念に変化するであろう。まず一つめはコレだ!」


(ドン!!)



 箱おじさんは目の前に大きめの宝箱を出現させた。見た目は何の変哲もないただの宝箱に過ぎない。だが罠解除ゲームと言ってるのだから、何らかの罠が仕掛けられているに違いない。でもオッチャンとファルの手にかかれば、どうと言うことのない物だと思うのだが……?



「どれ、ワシが罠の鑑定をしたるわ。」


「おおっと、待ったぁ! このゲームは一人ずつしか参加できないものとする! しかも順番を抜かすなよ? 一番手はそこのエルフが先になる。お前は下がっているのだな。」


「一人ずつやれってか? めんどくさいルールなんか設定しやがって……。」



 オッチャンは渋々下がる羽目になった。早くしろと急かしていたファルが一番手として認定されてしまったようだ。これじゃ、罠鑑定の手段が狭まってしまうじゃないか!


 二人の苦手分野の罠が仕掛けられていたら、失敗の確率が高くなってしまう! しかも、順番ってことはエル達女性陣も参加させられる羽目になるというのだろう。実質ファルとオッチャンが失敗してしまったら、俺たちに勝ち目がなくなってしまうのだ……。


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