表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第2幕 K'(ケー・ダッシュ)
385/404

第385話 どういう意味でウルトラなんですかね?


「というか、先にお前は何者なんだよ! 倒すとか言われても、名前すら知らんヤツにそんなんされても嫌なんだが?」



 突然、箱がキレだし潜んでいることを自らバラすようなムーブを取った結果、正体が妙なおっさんだと発覚した! 聞いたこともない妙な宝箱マナーを押しつけてきた上に俺を倒すとか言ってきた。そんな正体不明の変なオジサンに倒されたとあっては勇者の名が泣くってもんよ。正体くらいは知っておきたい。倒される気はないけども。



「私を知らんのか? ダンジョントラップ学会にその人ありと言われた私の名を!!」


「いや、知らんから聞いてるんだよ?」


「私の名はウルトラ・ボックスだ! 知らないとは言わせない!!」


「全く存じておりませんが、何か?」


「貴様ぁ! 絶対に許さんぞ!」



 何? ウルトラ・ボックスだぁ? なんか大げさな名前だな? 変な箱オジサンには違いないが、どの辺が”ウルトラ”なのか気になる。趣向が極端(ウルトラ)だから? それとも非常(ウルトラ)におかしいからなのか? まあとにかくウルトラに変態なのだろう。



「なんや、なんや? なんか変なオッサンが出てきよったで?」


「魔王の配下か? 潜んでやがったんだな。」



 オッチャンやファルも異常に気がついて駆け寄ってきた。女性陣はなんかキョトンとして3人とも互いに顔を見合わせている。多分、変な格好のオッサンには近寄りがたいのだろう。俺だって嫌だもん。駆け寄ってきた二人に事情を説明したが釈然としない様子だった。



「ウルトラ・ボックス? 知らへんで、そんなもん。」


「……ウルトラ・ボックス? ダンジョントラップ学会だと? そういえば聞いたことがあったような?」


「知っているのか、ファル?」


「ダンジョントラップ学会……確かにそんな集団が学院に昔存在していたことは知っている。ダンジョン考古学会に合併吸収される段階で、その名は使われなくなったはずだ。」


「何? 今は存在していないというのか! 私の愛の結晶が!」



 本当にあったのか。でも合併吸収されて消滅とは切ない話だ。ボックスオジサンは少なくともそれ以前の時代の人物の可能性が出てきたわけだ。そういえばダンジョン考古学会に聞き覚えがあると思ったら、学院でお世話になったトープス先生が所属してる学会だったような? あの人もこのオッサンと同類などとは思いたくないが……。



「かつてその学会に所属していた魔術師の中に宝箱を偏愛する男がいたらしい。宝箱のトラップを極め、その知識に精通していたのはいいが、学院のミミックを解体・研究しようとしたため、追放処分となったそうだ。」


「まさかフォグナーさんに手を出そうとしたのか?」


「多分そうだろうよ。その男の追放後にダンジョントラップ学会を無くすという決定がなされたようだ。研究資料はや資材などは貴重であったためか、そのまま考古学会に引き継がれ合併吸収される結果になったそうだ。」



 そうか、変態が過ぎてフォグナーさんにおイタをしようとして追放された訳か。一番敵に回してはいけない人を敵に回してしまったんだな。学院が出来る前よりも昔からいる存在に無礼を働こうとしたのがいけないよな。ある意味、ずっと昔からいる用務員さんみたいな人だし。ある意味学長よりも偉い人だからな。



「そんなアンタが俺らをどうしようって言うんだ?」


「当然、倒しに来たのだ! 一人ずつ頃合いを見計らってトラップで仕留めるはずだったのに、私の正体を暴いてしまったのがいけないのだ!」


「いや、違和感を感じない方がおかしいんだが……?」


「マナーがあると言ったろう! 罠だとわかっているならノックをして、全くわからないんなら敢えてミミックに引っかかって上半身を囓られる位の心意気を見せるものだ! それがダンジョン攻略における基本だと言っているのだよ!!」


「そんなん初めて聞いたんだが?」


「知らんがな、そんなもん。」


「馬鹿馬鹿しすぎて、相手にするのもダルくなってきたぜ。どうりで追放されるわけだ。」



 とにもかくにも常軌を逸した変態なのはよくわかった。なんで(ハリス)はこんな奴を刺客として送り込んできたんだろう? 蘇らせるメリットはあるのだろうか? あまりにもカレルやファルの師匠との落差が激しすぎる。こんな変態と一緒に蘇らせられたんだから複雑な気分になるだろうな。



「特に貴様! 身なりからすると貴様、勇者だな? まずは貴様から罰を受けさせてやる! ガップリング・ザ・ボックス!!」


「おわっ!?」



 いきなりケツに何かに挟み込まれる感触がした! 振り向いてみると宝箱の一つがケツに噛みつくような形になっていった。逃げようとしても体は何故か動かなかった。次第に何かそのまま箱に飲み込まれて行っているのだと気付いた。いつの間にか俺は箱の中に閉じ込められていた!



「ちっ!? やりやがったな! よくも俺の相棒を!」


「ははっ! その中で反省するが良い! その間に仲間が一人ずつ倒れていく様をその中で見ているのだな! 言っておくが、私が解除しない限りは脱出は不可能だぞ。」



 やばい! ただ閉じ込められた訳じゃない! 箱と一体化してしまっている! 動けないし、しゃべれない! そのため自分で八刃使って脱出すら出来ない! 完全に見ていることしか出来ない様になってしまったのだ! やばいぞ、ただの変態かと思っていたら、こんな厄介な魔法を使うなんて……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ