第332話 とにかくラリー中ですし、お寿司!
「不思議な所でしたわね。赤い門のような物がたくさんあって、とても幻想的でしたわ。」
「何か呪術的な意味があるのかもしれないアルな。他では見られない光景だったアル。」
喧嘩勃発の危機から見事にお花畑発生で回避したあっしらはスタンプラリーを続行することになったでヤンス。揉め事の発生した商店の近くには狐を祀ったところがあったので、そこへ行ってきたんでヤンス。
なんか神秘的というか、ちょっと鳥肌が立つような感じもしたんでヤンしゅ。なんだか誰かに見られてる感じがしてゾワゾワしたでヤンスよ。もしかして、狐が見てた?
「アレは神様がいる所に入るための結界とか入口の門として立ててあるんだよ。私の故郷にもこああいうのが立ってるところがあるの。」
キョウナちゃんは極東の国からやってきたらしいでヤンス。魔法の勉強をするためにダンチョーに付いてきたらしいのでヤンスよ。なんだか植物系の力を使うのが得意らしいんでヤンス。だからお花畑にする魔法が使えたんでヤンスな。
「結界でしたの? どこでもそういう概念があるんですわね。魔術とおんなじですわ。」
「人のいる所、どこでも共通する考え方アル。言葉とか違っても自然と似てくるアルね。」
あっしもメダカじいちゃんからそういうのがあるって聞いたことがあるでヤンス。ジンジャって言って、それぞれ色んな神様を祀っているらしんでヤンスよ。昔の偉い人とか聖剣とか、山とか動物とかいろんな神様がいるそうでヤンス。中には〇〇◯が祀られているところもあるらしいんでヤンしゅ! そんなの〇〇つながりなティンロン君にはうってつけの場所なんでヤンスな!
「それにしてもこの狐さんのヤツはおいしいあるな。見た目もかわいくて、味も今まで食べたことのない味アルよ。」
「狐を祀った神社へ行った時に食べるのは定番なんだよ。このお寿司自体も五穀豊穣とかの願いが込められてるんだよ。」
「食べ物にも祈りを込めているんですのね。ありがたい食べ物ですわ。」
次の目的地に向かう間に食べながら歩こうという話になって、みんなでイナリズシを買っていく事になったんでヤンス。あっしも初めて食べたでヤンしゅ。メダカじいちゃんの好物って聞いてたけど、コッチの食材だけでは中々作るのが難しくて、貴重になってたでヤンス。
あまりに食べられないんで、じいちゃんが間違えてシュークリームを食べてひっくり返った騒動があったのが忘れられないでヤンス。パッと見、外見が似てる気もしないでヤンスな。
「ていうか、いなり寿司をこんなところで食べられるとは思わなかった。これがあると知ったら、みんなも一緒に連れて来るんだった。」
「団長さん、それは無理だよ! 二人分の転移門を作るだけでも大変だったんだからね。そんな事したら、私が再起不能になっちゃってたよ!」
「そうか。悪い、悪い。ちょっとしんどそうだったもんな。」
やっぱりキョウナちゃんとダンチョーにとっても思い出の味なんでヤンスな。みんなにも食べさせたかったって言うくらいでヤンスから、お気に入りの食べ物なんでヤンしょ。きっとセンベイ君が大量に食べそうでヤンスから、連れてこないほうが正解だったと思うでヤンしゅ。
(ガサガサ! ガササーッ!!)
そろそろ次の目的地、崖に張り出したところにあるというお寺の近くにやってきた時、異変が起こったでヤンしゅ! 上の方から騒がしい音が聞こえて木々の枝をへし折りながら落ちてきて……!
「うわぁ! ソコどいて! いや、どかないで!!」
(ドフン!!!!)
「ぎょわーっ!!!!」
なにか上から柔らかい物が! そのままあっしは押しつぶされる形になって地面に倒れ込んでしまったでヤンしゅう! 一体、何が落ちてきたんでヤンしゅ? 声もどこかで聞いたことがあるような……?
「タニシ君、大丈夫!?」
「ああっ!? 誰かと思ったら、プリちゃんだったアル!」
「ぷ、プリプリ? プリメちゃん?」
「は、はにゃ? なんか、スケベ犬が下敷きに? 助かったのか、私は?」
なんかプリメちゃんが空から降ってきたでヤンしゅう! 痛かったでヤンスけど、なんかラッキーな感じがするでヤンしゅ! これは恋のトキメキの予感! なんか体の一部がモッコししてきたでヤンしゅ! モッコモコ!
「プリメちゃん、やっぱしあっしらは見えない赤い糸で結ばれているんでヤンしゅう! ここはアツい口づけをっ! ムッチューーう!!」
「うわぁ! スケベ厳禁!! スケベ倒し!!」
(ぼごぁっ!!!!)
「わっぎゃーっす!!!」
「エッチなのはダメーっ!! クサカンムリ・大草原の術!!」
(ボワッさぁっ!!!!)
「うぎょんわぁ〜っしゅ!!!!」
アツい口づけを交わそうとしたら、プリメちゃんからアツい熱血パンチを食らい、吹き飛んでしまったでヤンス! そのついでにキョウナちゃんから何らかのお仕置きの術を……って体じゅうから雑草がいっぱい生えてきたでヤンしゅう! 見事な2HITコンボでヤンス!
「何してんだ、犬畜生めが! ついでにウチからの特大の一撃を喰らえ!」
(ズドォン!!!!)
「わぎょんばぁぁぁっしゅ!!!!!」
吹き飛ばされ、草生えて転がっていった先で待っていたのはミャーコちゃん! 受け止め抱きしめてくれるはずもなく、特大の一撃を食らって更に吹き飛ばされてしまったでヤンス!