第320話 気になる最終対決
「ご苦労だった。この勝負はそなたらの勝ちじゃ。」
「ヨシ! ウチらの大勝利だ!!」
あっしが気絶している間に勝負が決まっていたでヤンス。なんかゴツいおじさん達と女の子だけのチームが争った末に勝利を収めたようでヤンスな。その様子は魔法を使って一部始終を観覧できたらしいでヤンスが、見逃してしまったのは惜しいことをしてしまったでヤンスよ!
「なにが大勝利だ! お前、ちっとも勝利に貢献してないだろ! このあばずれあ!」
「うるさい! お前だって、モノマネ芸がうまくハマって、まぐれ勝ちしただけだろ! 猿真似芸人め!」
ミャーコちゃんとプリメちゃんが勝負中のそれぞれの行動にいちゃもんを付けあってるでヤンス。ロッヒェン君から聞いたところによると、ミャーコちゃんはヘイゼルちゃんと陽動役、プリメちゃんはシャンリンちゃんと迎撃役を担当していたそうでヤンしゅ。
シャンリンちゃんが用意した妖術の罠で敵の人たちをうまく分断して倒しきったようでヤンス。中でもシャンリンちゃんがすごく強くてほとんど全部倒しきったそうでヤンしゅな。プリメちゃんもその動きを完コピして大活躍してたそうでヤンしゅ。
「ええい、もう止めんか! 誰がどうとかチーム戦では言いっこなしじゃ! 互いの働きをバッシングし合うのは理にかなっておらぬぞ!」
「だって、コイツ、本当に何もしてないんだけど? あんだけいっつもうるさく主張してるクセにさ!」
「うるさい! ウチは戦闘なんて出来ないんだから仕方ないだろ! もし、これが便利アイテムコンテストだったら天下無双の活躍してるわ!」
アイテムコンテストで無双? 意味はわかヤンが、とにかくすごい自信だ? 得意分野が活かせないから発生するどうしようもない事象ではあるでヤンスな。あっしのときみたいにピンポイントで活躍出来る場を用意してもらえたら、揉め事は起きなかったはずでヤンス。
「ミヤコよ、そなたが縦横無尽に力を振るえる場があれば文句はないのじゃな?」
「ウチはいいんだよ! とりあえず、このバカを黙らせられるんなら、それでいいんだけどな。」
「遺言はないな? 実は次の対決ではそのような催しを考えて追ったのじゃ。」
「次は僕たちの出番ではないんですか?」
「案ずるな。そなたら男子達が特に関わってくる内容なのじゃよ。」
男子軍団の出番がようやく? さんざん待たされたからにはスゴイ相手が待ち構えている間違いないでヤンス。識学者のオネイサンに秩序の壁、次はどんなビッグネームが出てくるんでヤンしょ? なんか想像を絶する豪傑でも出てきそうなフンイキでヤンスよ!
「いったい次の相手は誰なんですか?」
「気になるかえ? 実はもうこの場に勢ぞろいしておるぞい。」
「え、どこどこどこ? なんにも見えないよ?」
「バカには見えないんじゃないの?」
「んなわけない! きっと透明の術でも使っているに違いない!」
「誰の目にも見えとるぞ。もっとも当人同士は直視を避けておるようじゃがのう。」
この場にいるし、隠れたり消えたりしてない? でも、どこにも見えないでヤンしゅ! あっし得意のお鼻センサーにも引っかかってこないほどの高度な技の持ち主? おそろし、おそろシッコでヤンスよ、そんな存在!
でも、さっき、ミャーコちゃんが縦横無尽に活躍とサヨ姐さんが言ってたのが気になるでヤンス。それと関係が? でも、男子軍団を同時に活躍させるなんて想像がつかないでヤンスよ!
「そなたらが進展もさせずに放置しておるようじゃから、この場を利用して解決してやろうと思っておるのじゃ。」
「もったいぶらないで、早く教えてよ!」
「さて肝心の対決タイトル名は……恋愛リアリティ・バトルロワイヤルじゃ!!」
「何ぃ!!!!!!!」
その場にいた全員が飛び起きたみたいなリアクションになったでヤンス! あっしも目玉が飛び出てジャンジャジャーンになりかけたでヤンス! れ、れ、れ、恋愛! しかも、バトルロワイヤルっ! いったいどんな対決になってしまうんでヤンしょ?
「それ冗談だよね、サヨちん? またなんかウチらのリアクションを見て楽しんでるだけでしょ?」
「甘いのう。妾は冗談のつもりではないぞ。むしろ真剣じゃ。」
「オイ、いい加減にしろ! そんなふざけたお遊びに付き合ってられるか!!」
ミャーコちゃんが文句を言うのはわかるでヤンス。ここで珍しくエピオン君がブチ切れて抗議しているでヤンしゅ! 文句だけ言って去って行きそうなのに、サヨ姐さんに本気の抗議! でも参加しないとここから出られないペナルティが発生する可能性があるでヤンス。
「黙れ、小僧。そなた、今まで碌な生活をしておらんかったのじゃろう? 少しは同じ年頃の者どもと触れ合ってみるが良い。それは必ずそなたの人間的な部分の成長にもつながろうて。」
「うるさい! そんなことに付き合ってられるか!」
「ほう? ならばそなたはこの異空間に閉じ込められたままとなるが、良いのかえ?」
「くそっ! 卑怯な脅しをかけやがって!」
うはあ! やっぱりここから出られないという脅しを入れてきたでヤンス! これで従うのかはわかヤンすけど、このままでいるはずがないでヤンスな。さすがに戻れないと、怖そうな味方ばっかでヤンスから従うしか選択肢はないはずでヤンス。
「あのー、私、ルールが気になるんだけど?」
「ほう、そなたはやる気があるんじゃな? よかろう、教えて進ぜよう。ルールは単純明快、制限時間内にカップルを成立させれば見事にゴールとなる!」
「カップル成立が条件ーっ!!??」
単純明快だけど、ある意味すごい過酷な条件が提示されたでヤンしゅう! モテ男は有利だけど、あっしとかティンロン君はハンデデカすぎで勝ち目が一ミリもないでヤンス! これじゃホントにバトルロイヤル、生き残りをかけた地獄の戦いが幕を開けようとしているでヤンスな!