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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第318話 過剰な破壊行為


「なんだよ、これは!!」


「ただごとじゃないよ、これは!!」



 俺とアカは驚愕する他なかった。巨大な火球が城を飲み込み全てを焼き尽くした! それは強烈な爆発を伴い、尋常ではない大きさの噴煙を巻き上げている。攻撃と呼ぶにはあまりにも過剰で必要以上の破壊をもたらしたと言える。



「オイ、どういうつもりだ、ラップ? コレは流石にやりすぎだ! あまりにも非情すぎる!!」


「……。」


「なんとか言いなよ! 余計なおしゃべりが多いアンタはこういうときにはダンマリになっちまうのかい!!」



 俺とアカの問いにラップは答えない。あの破壊の攻撃の直後から何故か微動だにしていない。そして謎の沈黙を保ち続けている。巨大な筒を肩に担いだままの姿で硬直したままなのだ。まるで、この攻撃のために全ての力を使い尽くしたかのようだ。



「ダンマリを続けるのもいいかげんにしな!!」



 我慢できなくなったアカはラップの顔面を思い切り殴りつけた。その勢いがあまりも強かったのか、兜が外れ後ろへと吹っ飛んだ。それだけで済んだのかと思いきや、ラップの様子がおかしい。頭がない! アカの攻撃が強すぎたとかでもなく、血も付いていないし、兜の中身も空っぽだった。最初から鎧の中身はなかったのか?



「こりゃ参ったぜ。あの中にいたら、俺はとっくにお陀仏になってた訳だ。」


「……!? パッチラーノ!? ラップはここにいるのに!?」


「本物はこっちだぜ。勘違いすんなよ。」



 ラップの異変に気を取られていたら、パッチラーノが別方向からやってきた! 何故二人が同時に存在しているんだ? ラップはあくまでパッチラーノの変装ではなかったのか? 説明がつかない。ラップは中身が存在してなかったとはいえ、ついさっきまで喋っていたし、筒を使った大破壊まで行っていたのである。わけがわからなくなってきた。



「パワードスーツってのはな、着なくても単独で運用も出来るのさ。あらかじめ設定した行動を自律的に行わせて、持ち主の代理でやらせることも出来る。いわゆる、オートパイロットってやつさ。」


「オート……? 言ってる意味がわからない。」


「わからんだろうよ。全部アキラのいた世界の技術だからな。ついでに言っとくと、王国を消し飛ばした兵器もそれ由来だからな。」


「な、何!?」


「アキラが言ってたろ? 世界を滅ぼすほどの破壊兵器ああるって。それは戦略級っていうんだが、さっきのは戦術級まで威力を落とした縮小版だ。」



 あれが……例の破壊兵器? アキラの世界を一面焼け野原に変えてしまった兵器の一種だというのか? 聞いただけではどういうものか想像できず、魔術とかの延長線上の物かと思っていたが、とんでもない。あれは尋常ならざる破壊行為、この世にあってはならないものだと一目で感じた。あんな物があれば世界なんてあっという間に滅んでしまう。悪夢の力だ。



「なんであんなものを使った? いくらなんでもやりすぎだ!」


「なんでって、アイツら、魔神の手下共をまとめて倒すために決まってるだろう? だってアイツら化け物なんだぜ? ああでもしなきゃ、また蘇って俺らを襲ってくるぜ? まとめて灰にしてやったのさ。二度と復活できないように。」


「だからってな、こっちが非人道的な方法を使うことはないだろ? お前には人の心がないのかよ?」


「非人道的? 馬鹿言うな。ありゃ、れっきとした天罰みたいなもんさ。神の雷、神の怒り、天からの硫黄と火、昔っから伝説とか神話で謳われてるそういうものの正体は、実は破壊兵器と同質の物だって説があるんだぜ?」



 天罰? 一体何様のつもりだろう? 敵対しているからって、相手が邪悪だからって、罰を与えると言う認識は間違っているんじゃないか? 思い上がりすぎだ。自分が絶対的に正しいなんて思っていれば、人はどんな恐ろしいことでも平気でするようになる。危険な思想だ。



「お前は神になったつもりかよ!」


「神? 違うな。俺はどちらかっつーと、神の使いだな。いや、堕天使みたいなのに近いかな?」


「ああ、確かにそうかもね。アンタはぺ天使だよ。アタイにはそう思えるよ。」


「こいつぁ、一本取られたな! 確かにそうだ! まあ、その前にクルセイダーズなのは間違いないがね。」


「は? それはどういう意味だ?」



 クルセイダーズだと? コイツが? こんな奴がいるなんて聞いたことがない。俺が知らないだけなのかもしれないが、こんな邪悪な要素のある男が在籍できるんだろうか? 塔の上にいた枢機卿との関係性も気になるところだ。コイツは何者なのか? 話の流れからするとただの冗談なのかもしれないので、まじめに考えないほうがいいのかもしれない。



「奴らも消し飛ばしたことだし、そろそろ本題に取り掛かるとしようか? 地獄の底で”あのお方”がお待ちのはずだ。」



 パッチラーノは話を切り上げ、塔の方向を指し示した。話からすると、敵の居所を知っているようだ。奴らを従えていた”あのお方”とやらがどこかに潜んでいるのだろう。あの塔のラスボスって何者なんだろうか? 少なくとも、アカの敵だということしかわかっていない。気になるな。


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