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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第313話 尋問かましてよかですか?


「朕が大洋王ベイスタである。そちが勇者ロアであるか? 我が息子ホエールの命を奪った大罪人なのであろう?」



 俺は大洋騎士団に連行され、王国の城にやってきた。着いてすぐに速攻で王様の面前に突き出されたというわけだ。王様は王国の騎士たちと同じく青い鎧を着ている。デザインはほぼ同じだが少々豪華な装飾になっており、兜の口元にあたる部分にはヒゲのような装飾が付いている。


 もちろん、顔も完全に覆われているので素顔は当然わからないが、そういうオシャレ的な主張はしたいらしい。だったら素顔を晒せよ、とも言いたくなるわけだが今はそんな立場ではない。



「答えんか! 我が王が問うておろう! 非礼は許さぬぞ!」


「いや、俺は手にかけてない。海の主とかいう存在に殺されたんだ。」



 連行される途中である程度記憶が蘇ってきていた。3人の仲間とともに塔に挑み、襲い来る魔物をなぎ倒し、3人の主を倒しつつ先に進んでいった。そこまでは思い出したが、なぜ今ここにいるのかまでは思い出せていない。何らかの事情でスタート地点に戻ってきたらしい事だけは理解できている。目が醒めた場所には見覚えがあったから、そうなのだろうと思った。



「嘘を付け! 魔物のせいにして自らの罪をなすりつけようとしているな! 恥をしれ!!」


「いや、アイツが海を見てはしゃぎすぎたから、狙われたんだよ。ホントだってば。」



 あの海の世界、入った途端にアイツはテンション瀑上がりになり、海の方へと進んでいった。一人で海にはしゃぎ散らかした末に水没し、海の主に飲み込まれたのである。俺は一応止めた。止めたが話を聞かず、そのまま命を落とす結果になったのである。故にアイツ本人のやらかしなのである。それを問われても困るのだが。



「だが止めなかったから、我が息子が海の主に襲われる結果になったのであろう?」


「ちょ!? なんでそんなことを知ってるの? 見てないとわからない情報だろう?」


「これはある筋からの情報である。貴様のことを間近で見ていた人物からのリークである。よって間違いはないのだ!」



 間近で見ていた奴がいると? となると、仲間の誰かがそうしたとも考えられる。あるとすれば、パッチラーノ辺りか? アカはそんなことをするような奴じゃないし。だが、誰なのかが明かされない以上、真偽は不明のままだ。



「実際、貴様は我が息子を見捨て、直後に救い出せるチャンスすら棒に振る愚かな選択をした!」


「アレは仲間の勝手な判断でそうなったんですがね?」


「しかも、息子の替え玉を用意して罪から逃れようとした! 醜いにも程がある!!」


「アレは海の主が出してきただけだ。リークした人は何を見てたんですかね?」


「何が金曜の騎士だ! フライデール? 冗談にも程がある! 我が国の伝統まで破壊しようと目論むとは! コレは我が国への冒涜以外の何物でもない!!」



 海の主が連れてきた替え玉の事まで話に出してきた。確かに微妙なパチもんみたいなのが出てきたのは覚えている。だが奴も海の主との戦闘で命を落とす結果になった。そうなったからには全て替え玉事件は未遂に終わったと言えるのではないだろうか? 王子が死んだこと以外に強引に罪をなすりつけるのは止めてほしいものだ。



「よって、貴様は我が息子の殺害の罪で死刑となる!」


「結局、そうなるんだ……。」


「合わせて、国家侮辱罪の罪で死刑とする!」


「は? 死刑の上に死刑? どういうこと?」


「死刑は二度行われる。異論は許さぬ。」


「?????」



 死刑って、一回目で確実に死ぬやん? それなのに二回も死刑にするってどういうことなんですかね? オーバーキル? 死体蹴り? 死んだら殺す、的な無茶苦茶な理屈が展開されている。なんでもかんでも罪をなすりつけてこようとする連中に理屈なんて通じないのだろう。



「さて、処刑は自ら行いたいと思っていたが、ここはスペシャリストに任せるとしよう。ではこちらに出てまいれ!」


「スペシャリスト? 処刑人がいるのか?」



 王様の合図で処刑人が呼び出された。どんなやつなんだろうと王の広間の入口を見ていたら、なにか見覚えのある奴が入ってきた。全身鎖帷子で身を固めた男……あの陰気な男、ソード・ダンだ! 何故だ? 奴は死んだはず? トチ狂った末、俺に襲いかかり、最終的には塔から落ちて死んでしまったはずだが?



「『ソード・ダンに相談だ!』でおなじみのソード・ダン、推参しました!」


「ご苦労。よろしく頼むぞ。」


「な、なんでお前が? 生きてたのか?」


「俺が死んだとでも思っていたのか?」


「いや、普通はそう思うでしょ? あんなことして死なないなんてのはおかしいぞ!」


「俺は死にましぇん! お前を殺すまでは! カスカスのかすうどんにしてやるまではな! それまでは100回殺されようと死ぬわけにはいかんのだ! セイ、イエース!!」


「わけがわからん!」



 なんだかよくわからんが死ななかったようだ。俺に復習を遂げるまでは意地でも死なないと言っている。というか、コイツ、会うたびに性格が変わっているような? 初対面のときはアレだけネガティブ全開だった野郎が、ホエールの死でトチ狂った性格になり、現在は謎のハイテンション処刑人に成り果てている。コイツ、何なん? キャラがブレすぎて、どれが本性なのかわからなくなってきた。

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