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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第301話 この男の成分は怪しさ100%で出来 ています!

「アレって、結局、壊滅させた事になるよな?」


「いいや、あくまで俺達は機材を奪取しただけだ。思ったよりも戦闘、破壊活動がともなったというだけだよ。」


「せ、せやろか……?」



 クルセイダーズの駐屯地から脱出し、帰りの地下道へ入る前に振り返ってみた。なんか煙がモクモクと上がり、明らかに敵襲を受けた後の様相を曝け出している。少人数であんなに被害を与えられるなんて思ってもいなかった。ひょっとしたら真正面から突入しても余裕で勝てたんじゃんないかとも思えてくる。



「さて、ここまで来たんなら、もう大丈夫だろう。アキラとラップ、どっちが正しいか、ここで白黒つけようじゃないか?」


「何の話だ? 俺とこの怪しいパワードスーツの男と比べるとは何事だ?」


「話せば長くなるけど、要約するとこのラップはアキラを疑っている。噂のトリ様とグルなんじゃないかとか言ってるわけよ。」


「アキラが怪しいだって? アンタ、本気で言ってんのかい? 出鱈目言ってたら、アタイがタダでは済まさないよ!」


「ひぃぃ!? ごめんなさい! でも、ホントの話なんですぅ!!」



 ホレ見ろ! アカにだって信じてもらえてないじゃないか! 特に根拠もなしに味方を疑えと言われても困る。その前に言ってる本人が正体不明で、俺を罠に嵌めて囮に利用したんだから、逆に怪しい所しかない。この男の成分は怪しさ100%で出来ています!



「だから、その根拠を出せと言ってんだよ! 何もないのに信じられるか、ボケ!」


「ひぃぃ!? ごめんなさい! でも、ホントに何も出せないんですぅ!!」


「そんな奴の言うことを信じられるワケないだろ!」


「ひぃぃ!? ごめんなさい! でも、ホントの話なんですぅ!!」


「なんなんだい? この男は? アタイ、そろそろ手を出してしまいそうになってきたよ!」



 なんか、ホント、ホントって口癖みたいに言ってるな? それが更に怪しさを増長させていると言っても良い。何も根拠を提示できない、でも信じて欲しい……? 待てよ、コイツ、記憶を失ったとか言ってたよな? その辺が真相につながっているのかもしれない。いやいや、どうかな? ほんの少しだけなら可能性はありそう。



「お前、記憶喪失になったって言ってたよな? どういうきっかけだったとか覚えてないのか?」


「え? あ、いや、ホントに何も憶えてなくて……。名前に小さい”つ”が入ることだけは憶えてるんです。」


「またそれかよ。その記憶、あまりにもピンポイント過ぎない?」


「いや、だって、それだけはハッキリしてて……あっ!? 少し思い出したかも? 何か、凄い高いところから落とされた様な気が……?」


「高い所? ってドコから?」


「高い所……。うっ!? 頭が!? 記憶が喪失してしま、うっ!?」



 ラップを尋問していたその時、遠くから段々と羽ばたき音が聞こえてきたかと思うと、巨大なトリが俺達の上空に現れた! やべえ! トリ様が現れた! このタイミングで出くわすとはなんという不運!



「人間どもが騒がしいと思ったら、お前らの仕業だな? まさか、軍隊まがいの野盗集団を壊滅させるとはな!」


「ちぃぃ!? おいでなすったな、トリ様野郎!!」


「コラァ! そういう呼び方はやめろと言ったはずだ! ファイ・バード様と呼べと言っただろうが!!」


「ごめんなさい! ファ・ド様!!」


「略すなぁ!!!!」



 相変わらずキレやすく冷めにくい、レッド・ホット・チキン様だこと! コレからシェルターに戻って一息ついて、それから下準備して、ご対面……って思ってたのに。セッカチなトリだよなぁ、ホント。



「さてはお前ら、オレ様の結界を対策しようとしてアイツラの装備を盗み出そうとしたな?」


「さ、さて、何のことやら?」


「とぼけるな! その男が背負っているのは電算機、オレから結界を取り除こうと企んでいるのはわかっているぞ! だが、もう遅い! オレが見つけたからにはその企みは阻止させてもらう!!」


「なんかバレバレじゃないか! どうする、アキラ? こうなったら、お前だけでも逃げて、機材を守るんだ!」


「逃げなくても大丈夫だ。お前たちがファイ・バードを引き付けてくれるなら、機材を起動して結界の除去を試してみる!」


「出来るんなら、俺達がいくらでもトリ様を抑え込んでやる!」



 ここでもなんとか使えるらしい。ならやることは一つだ。トリ様の相手をすれば良いんだ。倒せなくても、出てくる度に八刃でぶった斬るまでだ。何匹現れようと斬り捨てるまでだ!



「何が引き付ける、だ! オレ様が何も策を持たずにココへやって来たとおもっているのか?」


「ああっ!? トリ野郎が大群で現れたよ! これじゃ、アタイらだけでは抑えきれないよ!!」



 遠くから多くのトリ様が飛来し、上空を埋め尽くす! まるでカラスの大群に襲われているかのようだ。大きさは違うけれども、イヤな感じはとても良く似ている。やっぱ複数存在していたようだ。



「ひぃぃ!? 大量に現れた!? 早くナントカしないと、更にパワーアップされたら大変だ!!」


「お、おい! コラ、待て!!」


「アイツはアタイが取り押さえる! アンタはトリ野郎をなんとかしておくれよ!」


「おくれよ、とか言われましてもねぇ……。」



 この混乱を狙ってラップまでもが動き出してしまった。アカが取り押さえるとは言ったものの、俺一人では多勢に無勢過ぎる! コレは未だかつてない危機に瀕しているのではなかろうか……?


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