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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第300話 その目の良さが命取りだ!

(パァン!!!!!!!!)



 謎の筒はいきなり爆発した! 衝撃波で吹き飛ばされたりとかするのかと思いきや、筒から発せられたのは大きな破裂音と強烈な閃光だった。眩しい! 俺だけではなく兵隊達までもが目をやられたようだ。



「ぐおあ!? 誰だ! フラッシュグレネードなんて使った奴は!」


「くそっ!? パワードスーツのカメラが焼かれて前が見えねぇ!!」



 敵さんも大混乱に陥っているようだ。俺も目が回復しないのでよく見えないが言葉だけでも慌てていることがよく分かる。どうやらスーツの機能がかえって閃光の被害を拡大しているらしい。


 もしかしたら視覚を向上させる機能を持っているのかもしれない。あたまからすっぽりと覆っているのでそういうことだろう。目が良すぎたのが命取りになったのかな?



「……ロアの旦那、コッチですよ!」


「む、誰だ?」



 少々視力が回復しかけたところで俺の手を引く男がいた。兵隊の中に紛れていたのかスーツを来た腕に引っ張られ、連中の包囲の中から抜け出し助け出してくれたのだ。見てみると、違うデザインのスーツ、あの男、ラップ・トップであるらしいことがわかった。ある程度、離れた所で扉を見つけ部屋の中に入り込んだ。



「ふう! これで一旦は落ち着けますねぇ。」


「ちょ!? お前!? ラップじゃないか! よくもまあ……、」


「ちょっと待って下さい! 確かに私はアナタを囮に使いました! コレには深い理由があるんです!」


「やっぱ、ハメたんじゃないか! ヒドすぎるだろ!」



 何が深い理由だよ! 俺達に協力すると見せかけて囮に使ったのだ。見事に罠にハメた上で、自分はその間に侵入していたとはね。とんでもない男だ。俺を助けてくれたとはいえ、利用してくれたのは許しがたい行為だ。



「私ゃ、逆にアナタを罠から救ったんですよ。ハメられようとしてたんで。」


「ハメられようと……って、お前がハメたんだろうが! なんか超理論で誤魔化そうとしたって、俺は許さないぞ!」


「アナタが見捨てられたのが、その証拠ですヨ! あのアキラって男はアナタやアカさんを利用しようとしてたんです。」


「まさか? ただ単に俺を斬り捨てて逃げおおせた様にも見える。だいたい、お前みたいな奴の言うことが信じられるワケがない。」



 アキラが俺を利用しようとしている? そんな馬鹿な? 今までのやりとりでおかしなところはなかったし、見捨てられた時の状況を見てもただ冷静に判断した結果としか思えない。俺はその判断を許容し難いのは確かだけれども。



「ううんむ! 証拠が提示できないのは歯がゆい事この上ないです! でも間違いなく、あの男はファイ・バードとグルなんですよ。」


「どこでそんな情報を知ったんだよ! おかしいだろ! あんな化け物と普通の人間がつるんでいる事自体がおかしいじゃないか!」


 グルか……? 思い返してみれば、初めて会った時の様子はあまりにもタイミングが良かった。はじめからそのつもりで待ち構えていたと見ることも出来る。でも、そんな事を言い出したらキリがない。総合的に見ても、ラップの方が怪しい。それはさっき俺を助け出した時にうっかり出てしまった一言にも現れている。



「でも、このまま奴の目的を果たさせてしまった暁には、ファイ・バードは正真正銘の不死身の化け物になってしまうんですヨ。機材を使ってアップデート(不具合修正)しようと企んでるんです!」


「結界を消すとかじゃなくて? 完全に何も効かない状態にしてしまうと?」


「ある意味、あのアキラがファイ・バードの本体とも言うべき存在なんですヨ。ファイ・バードに襲わせて助けた後に、油断した所を後ろからバッサリ! それがあの男の常套手段なんです!」



 奴が本体説まで出してくるとはね。今までにないパターンだ。今までの海の王、雲の王もとい虎と牛はストレートにヤツらを倒せば良かった。犠牲を伴った上でという隠しルールも存在していた。今回は正体を隠して味方のフリをしていると、ラップは言いたい様だ。でも、それをお前が言う?と感じる。



「奴が本当に俺を騙そうとしているのだとしても、お前の方がまだ十分怪しい。それは何故だか分かるか?」


「私が? 冗談はやめてくださいよ。こうしてアナタを助けたじゃないですか?」


「お前が俺を助けた時、俺の名を呼んだ。ロアの旦那って言ったよな?」


「え!? いやいや、聞いた覚えがあるんですが? アキラやアカさんとも話てたじゃないですか?」


「それもだよ! ヤツらの名前まで知っているのはおかしい! アイツラも名乗っていないはずだぞ! どこで俺達の名を知った?」


「それはその……かくかくしかじかでして……、」


(バターン!!!!!)



 俺がラップを問い詰めていた所にタイミングよく、部屋のドアを蹴破って入ってくる奴がいた! アカだった! 虎の獣人の姿に変身して強大な腕力でドアを強引に開け放ったようだ。



「いたね! 二人共無事なようだ!」


「これでなんとか脱出できるな。仲間も発見できたし。」


「お前ら、どうしてここが?」


「管制室を制圧したんだ。そこでモニターに写っているお前たちを見かけたという訳だ。」


「あら、そう? また見られてたワケか……。」



 よく見りゃ、この部屋にも例の監視装置が天井に付いていた。全く油断も隙きもない。おかげでこうやって合流も出来たのだが。脱出ってことは目的のブツは発見したんだろうか? アキラの姿を確認してみると背中に大きな箱の様な物を背負っている。



「じゃあ脱出だな。詳しい話はここを無事に出てからだ。」



 言いたいことはいっぱいある。ありすぎてドコから聞くべきかわからない。ラップとアキラどっちが正しいのか、その上で見極める必要がある。果たして、ドコに真実が存在しているのか……。


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