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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第299話 もれなくスッポンポンになりますが、どうします?


「待ってても、面白くないから自分から脱走してやる!」



 待っててもどうせ同じ様に抵抗して倒すというプランに違いはないから、コッチから出て迎え撃つ事に決めた。出ると言ったら当然、あの技だ。異空跋渉、扉とか壁とかは壊さずに脱走して驚かせてやろう。



「異空跋渉!!」



 目の前の空間を切り裂き、牢屋の外、廊下へと躍り出た。当然、今は誰もいないがいずれ誰かがやってくる。それはどっちからやってくるかと、左右を見渡し身構える。その中でまた、例の水晶玉のような監視装置が廊下の天井に付いている事に気がついた。



「ありゃ? もしかして見られてた?」


『見ていたに決まってるだろ! 一体なにをしたのだ? 扉をすり抜けるとはいったどんなトリックを使ったんだ!!』


「いや、ちょっと空間を切り裂いて通り道を作っただけなんですがね?」


『冗談を言うな! トリックを教えろと言っているんだ! 真面目に答えろ!!』


「いや、ふざけてないんだが……。」



 ま、分かれと言っても無理だろうけど。同じ流派でも使える人間はいないし、理解もされないと思う。というか、本来は魔法でないと出来ない行為らしいのだが。ここじゃ魔法すらも受け入れられない雰囲気がある。


 なんか全て技術で補われてるというか、魔力がなかったり、武術ができない人でもそれと似たような力を駆使できる様な感じか? でも誰もが使える技術が行き過ぎた結果……滅亡につながったと。なんとも皮肉な話だ。



「む? 貴様、どうやって外に出た? 扉を壊したとか、解錠したというわけでもないのに何故だ!」


「ああもう! いちいち説明するのも面倒くさいよ! ただ出てきたって言う事実だけで十分でしょうが!」


「独房から脱出した方法の方が重要だ! 再び貴様を捕らえ、再発防止に必要となるのだ!」


「いや、無理よ。捕まらないから!」



 ホウホウのホー、じゃないよ! いくら分析したって分かってたまるかよ! だって使い手の俺だって、なんとなくでやってるだけだから。再発防止ったって、俺を亡き者にするぐらいしか手立てはありませんよ?



「そんなことよりもホレ、俺、早く捕まえないと逃げちゃうよ?」


「フン! この様な状況下で逃げられると思っているのか? 貴様は自分の立場がわかっていないようだな!」



 しょうもないやり取りをしているうちに、左右の廊下には兵士がみっちり詰めかけていた。たった一人を捕縛すると言うにはあまりにも大げさな感じだ。徹底的に詰めて抑え込むという事をやろうとしている。



「じゃあ、皆さんまとめてぶった斬られて下さい! 無明八刃!!」


「何を馬鹿な……、」


(シュバッ!!!)



 左右の通路にみっちり、という一見逃げ道がないだけの追い詰められた状態ではあるが、俺にとっても都合のいい状況でもあったのだ。まとまっているし回避には困難な状態なのでまとめてぶった斬るにはもってこいの状況なのだ! 回転しながら左右まとめて剣を一閃させた。


(ガラガラ、ガッシャン!!!!)


「う、うわわ!? 馬鹿な!? 銃の弾丸すら通さないパワードスーツが真っ二つに!」


「何で服まで斬られているんだ!」


「中身を斬られなかっただけでもありがたいと思え! じゃあな!!」


「ま、待てぇ!!」



 例のスーツは真っ二つにしてしまえば機能は停止しそうだったし、中の服とか下着さえも斬ってしまえば、しばらくは追ってこれないだろう。すっぽんぽんで敵を追いかけ回すような人間なんてどこにも居やしない。


 文化とか国とか、馬越世界であっても共通した概念だと思う。どれだけ強かろうが同じことよ! これでも動けるんなら、正真正銘の変態なのは間違いないだろう。



「さて脱出すべきなのか、目的のブツを盗むんで行った方がいいのか?」



 脱出を優先させるべきではあるが、あとあとの事を考えるとそれは避けた方が良いかもしれない。いずれは盗みに入らないといけないので、後日来たら、厳重体勢で迎え撃たれる危険がありそう。コイツラは軍隊なのでそういう傾向が強そうなので、敢えて混乱しているであろう今を狙ったほうが得策かもしれない。



「でも目的のブツとやらの見た目がわからないんだよなぁ。どうしよ?」



 それはアキラにしかわからない。なんちゃらのなんちゃらってことしかわかってない。つまり何もわかってないのである! これでは目的が果たせないじゃないか。ああもう面倒くさい! いっそのこと、この基地を壊滅させておこうか?



「脱走者め! 逃さんぞ!」


「くそ! 他の追手が来たか!」



 俺がさっきすっぽんぽんにしてやった連中ではないだろう。駐屯地というからには何人もの兵士を抱えている。ここを出て遠くまで行かないことには無限に相手をし続ける羽目にあうだろう。広い所に出ない限りは取り囲まれる心配はないが……。



「さてと、俺を捕まえると言うんなら、もれなくすっぽんぽんになる特典が付いてくるが君たちはどうするのか?」


「何を意味のわからんことを! 脅しのつもりかもしれないが、貴様は立場をわかっているのか?」


「またその手の脅しかよ。コレだから組織仕えの兵隊さんは!」



 やれやれ、またすっぽんぽんのおっさんが氾濫する結果になるのか。仕方なく、剣を構えて技の体勢に入ろうとしたその時、なんか兵隊達の足元に小さい筒の様な物体が転がってきた。背後から投げ込まれたような感じだ。一体、コレは……?


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