表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
298/407

第298話 何だチミは、ってか?


「貴様、何者だ? 名を名乗れ!」


「あ〜あ〜、どうも皆さん! 怪しい者です!」


「怪しいのは見れば分かる! 何者だ、と聞いているんだ!!」



 嵌められた。どうやら罠だったらしい。リークがなんたらとか言っていたので、通報されたんだろう。もちろん犯人はラップという奴に間違いないだろう。案内するとか言っといて、もれなく敵のまっただ中に放り込まれたというワケだ。



「何だチミは、ってか? そうです! 私は変なおじさんなんです!!」


「だからそういう事は見ても分かると言っているだろう! だいたい、なんだ? 戦前に流行ったコンピューターゲームのような格好をしおって!」


「これ、はやりの格好だったんですか? いやー、リバイバルが今の私のマイブームでして……、」


「そんな事はどうでもいい! 貴様は何者だ? 道化のフリをしたスパイか? どうせ、”エンクレイバーズ”の回し者だろう! そうに決まっている!」



 は? もう何がなんだかわかんない。俺の格好が崩壊前のこの世界で流行っていた物だとは知らなかった。アキラがデンサ…なんとかのナントカって言ってたから、この世界でも知れ渡っているのは分かる。


 でも架空の出来事扱いなのは両者に共通している。でも、道化ってなんだ! 俺はお笑い芸人じゃないんだぞ! ……一時期名乗ってたことはあるけど。



「貴様、仲間はどうした? 計3人だと聞いていたのに貴様しかいない。どういうことだ?」


「え? ていうか俺の後ろから上ってきてたはず……?」


「いないぞ? どこかに隠れたか?」



 もしかして見捨てられた? 後からついてきてたはずなのに? 連中が下水道を覗き込んでいるが見当たらないようだ。俺が捕まっている間に逃げたんだろうか? にしても、逃げ足が早すぎる。あいつらめ! 俺を見捨てるとはいい度胸だ!



「もういい! 貴様が名乗る気がなくとも、いずれは白状する羽目になる。覚悟しておけよ。これから貴様を独房に連行する!」


「えぇ!? 牢屋に入れられるの? カンベンしてよ!!」


「うるさい! さっさと歩け!!」



 強引に引っ張られ、連行される羽目になった。その過程で手には枷をハメられてしまうことに。手の自由も効かない。それはあくまで見た目だけの話なんだが……。逃れる手段は考えてある。その間に牢屋のところにたどり着いた。そこへ強引に投げ込まれた。



「ここでおとなしくしておけ! 時間が出来たら…タップリとかわいがってやる!!」


「拷問ですかぁ!?」


「ちょっと遊んでやるだけさ。もっとも、早めに洗いざらい白状すれば、痛い目を見ずに済むんだぜ?」


(ガシャン!!!)


 ドアを閉められた。鉄格子ではなく扉だ。しかもありえないくらいに分厚い。部屋の扉というより、城門の大扉みたいな分厚さである。生半可な衝撃では破壊できないだろう。……とはいっても俺の前ではあってもなくても関係ないけど。



「ふう! 俺の右腕が義手なことには気付いていなかったようだな。」



 義手を外して手枷から抜ける。義手自体は別に手で外さなくてもいいのだ。外れろ、と念じただけでも外れるようになっている。もはや体の一部と化しているから出来る芸当だ。剣を出すときも念じただけで義手のカバーが開いて手の平に収まる様な感じなのだ。最初は出来なかったが馴染んでくるにつれて出来るようになった。



「ココに武器が入っているとは思わないだろうし、コレ自体も武器になる。ヤツらも盲点だったろう。」



 義手の中に剣が収まっていて、義手自体も隠し武器の様になっている。伸縮機構が付いているので相手の想定外のリーチからの攻撃が可能になっている。ティンロンに追い込まれた時にとっさに放った一撃だったので、自分も知らなかった。


 ミヤコに話した所、作った当初は機能として盛り込むつもりだったようだ。参考にしたゴーレムの図面にはそういう攻撃機構が仕込まれた物があったらしい。それがどう影響したのかはわからないが、もしかしたら義手自体が自己進化した結果なのかもしれない。勇者の剣にはそういう機能があったらしいし。



『貴様! 何をしている! 何故手枷が外れているんだ!!』


「はっ!? どこどこ!? どこにいるの?」


『この独房は24時間いつでもカメラで監視しているのだ! 中で何をしようが全てお見通しだ!』



 よく見りゃ、天井の隅っこに水晶玉の様な物体が付いていた! 水晶の中にはよくわからないカラクリのようなものが小さくまとまっている。赤い点の様な光が付いてたり、丸い目の様な物体が動いている。


 なにか瞳孔の様な構造物が伸縮しているのも見える。アレが監視の目であるらしい。ついでに言えば、声もあの物体から出ているようだ。



「アラ、見てたのね? いやらしいねぇ! 私より変なおじさんじゃない?」


『ふざけたことを言いおって! もういい、予定を急遽変更だ! 今から拷問の数々を受けてもらう!!』


「えぇーっ!? 聞いてないよ! 訴えるぞ、もう!」



 何はともあれ、落ち着いたのも束の間、コチラへ再びやってくるようだ! お楽しみの拷問タイムを前倒しで行うつもりらしい。さてどうするか? 来る前に脱走するか、そのまま待って迎え撃つか? その後のことも考えないといけないので、よく考えないといけない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ