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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第291話 なんか、あの人のっておかしくない?


「グルグル巻き巻き〜! グルグル巻き〜!!」



 見事に壁の人達に勝利した私達は、気絶した3人を縄でグルグル巻きにして動けないようにした。私達全員が捕まると負けになるルールだけど、こっちがオジサン達を全員動けなくしたらコッチの勝ちってことになってる。これで条件の半分は達成したわけだ。



「プリちゃん? 顔のところはいけないアルよ。息ができなくなったら死んでしまうアルよ!」


「ハッ!? つ、つい調子に乗っちゃって! 気分が良かったから、つい多めに巻いちゃいました、みたいな!」


「プリちゃんのそういう所、たまに洒落にならない時あるから、気をつけたほうがいいアルよ。」


「ごめん、ゴメン!」



 ちょっといいことがあると調子に乗っちゃうから、悪乗りして変なことしちゃうんだよね、昔から! そういうことがあるとロレンソ隊長とか聖女様から怒られてたんだよねぇ。でも、やめられない、止まらない! 調子という波は一度乗ったら降りられないのだ! 人生のビッグ・ウェーブには乗り遅れないようにしないとね!



「でも、さっきは助けられたアル。指示を出し忘れたけど、わかってくれたアルね。」


「なんというか、今動かんと勝たん、って思ったから動いた。そしたらやった、勝った、仕留めた、っていう風になった!」


「最初は見てて欲しいっていうのはこういう現象を引き起こしたかったからアルよ。前々から見てて、アナタ、そういう事が出来るとわかってたアルから。」


「バレてしまったか! 私の素晴らしさが!」



 この前、グレート師匠やヒュポグリフ様に会ってから、他の人の動きとか技を見ただけでなんとなく再現できるようになった。グレート師匠の話では勇者の資質がある者に発現するレア能力であるらしい。しかも勇者か額冠が近くにある状態だとその力が覚醒しやすいって言ってた。要するに私は覚醒してしまったのだ!



「奥義の八刃までマネされるとは思ってなかったアル。あれはスゴク難しい技アルよ。再現出来る事自体が奇跡アルね。」


「いやー、照れるなー! 前にもアホ勇者が似たような技使ってたし、それと似てるって思ったから応用してみた!」


「前に炒飯の人のを見てたアルか? それにしては出来るようになるのが速いアルな。」


「なんかよくわからないけど、わかったからやってみた。でもあの人のより、りんしゃんがやってた技の方がやりやすかったし、そっちにあわせた。」


「やっぱりプリちゃんもそう思うアルか? あの人の八刃がちょっと変わってることに?」


「ウン、なんかあの人、普段の行動もワケわかんないけど、あの技はもっとワケわかんない事してるんだよねぇ。」



 なんか言葉で言い表せない謎の動作が含まれているんだよねぇ? そんなことすると無駄になりそうな気がするんだけど、あの人は技をシンプルにまとめ上げてる。例えるなら、職人さんがいとも簡単に凄い物を作り出すみたいな感じ。でも素人が見様見真似でやろうとするとうまくいかないみたいな?



「あの人が父上や兄上に勝ったのはそこに秘密がありそうな気がするアルよ。あの人の師匠の先代の剣覇も不思議な人だったって、みんな言ってるし。あの人をもっと観察してみたいのが私の望みアルよ。」


「えっ? 何? それちょっと、恋の予感とかそういうヤツ?」


「違うアルよ。私が好きな人は他にいるアルから、関係ないあるよ。」


「うわ! なんかスゴク冷静に返された! あのアホ勇者が聞いたらショックでぶっ倒れるぞ、コレ!」


「そもそも、あの人にはキレイな恋人がいるアルよ。心配ないアル。」



 なあんだ! 恋話に移行できるかと思ったのに、即否定された。まあ、あんなアホ勇者に恋心を持つほうがおかしいのだ! とは言っても、あのお姉さんがおかしいというわけではない!


 なんかものすごいことが色々あったからって、スケベ犬から聞いたことがある。いつか話すって言ってたけど、その”いつか”はいつ来るのか? いつか話スルスル詐欺の疑いでタイホしないといけないな! セクハラとかの余罪もいっぱいあるし!



「ついつい話が盛り上がってしまったアルけど、まだ勝負は続いているアル。あと半分の人をどうにかしないといけないアルよ。」


「アバズレとヘイちゃんに任せとけばいいんじゃないの? ハチジンズとかいう罠もあるからどうにかなるでしょ?」


「あれはあくまで足止めにしかならないアルよ。多分破られる事はないと思うけど、念の為に様子を見に行く必要があるアルね。」


「ええ〜、しょうがないなぁ。」


(ドゴォォォォォォォン!!!!!!)



 私が面倒くさいあまりにあくびをして気分を切り替えようとしたら、なんかものすごい地響きみたいな音が建物に響き渡った! 地震? 雷? オヤジ? いや違うか? 響いてるから地震かもしれない。



「何か嫌な予感がするアルよ! 早く二人を探しに行くアル!!」


「うわっ!? ちょっと待って! トイレだけ行かせて!」



 何かヤバイことが起きたんなら、先にトイレに行っとかないとね。ヘイちゃんはともかくあのアバズレが囮になってれば時間ぐらいは稼げるでしょ? ゆっくり行くのだ。

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