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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第282話 作戦会議はしっかりと!


 ウチら女子チームにまさかの出番到来! しかも、相手は鎧で身を固めたオジサン達ときた! 普通なら男子共を引き当てて戦い合わせるのを考えるはずだけど、サヨちんは意外な組み合わせの対戦カードを実現させたのだ。



「どうすんの? 鎧着込んでるから走り回るのは得意じゃなさそうだけど、狭いところに追い詰められたら、私ら勝ち目ないよ!」


「へへーん! あんなデクの棒(※正確には木偶の坊)共に捕まるのはお前みたいなアホ女しかいねーよ! ウチは策士だからあの手この手で逃げ切ってみせる!」


「何がアホか! お前なんてどうせ、色仕掛けとか賄賂とか援助交際とか持ちかけて切り抜けようとか思ってるだろ? 所詮はアバズレ女よ! やーい、やーい!!」



 誰がそんな娼婦みたいな手段をつかうというのか! なめやがって! 人のことを何だと思ってるんだ、このアホ女め! お前の貧相な想像力ではその程度しか思いつかないんだろうな。可愛そうなヤツよ!



「誰がそんな事するか! ウチの体はそんな安くねーぞ! イケメンですら厳正な審査を通り抜けた者だけが晴れて下僕となれるのだ!」


「あれほどの殿方をこき使っていたのはそういうわけですのね。もったいない。それなら、私があの方とお付き合いを始めた方が得策だと思いますの。」


「別にこき使ってないやい! 側で手伝いをさせてあげてるの! しかも、何気に人の下僕を奪い取ろうとするな! この略奪ドロボウ猫め!!」


「あら? でも、あそこのクールで一匹狼的な殿方に乗り換えたのではなくて? あんな素敵な殿方に二股かけようものなら、私が黙っていませんよ。」


「乗り換えたんじゃない! ジュニアはまだキープ状態! それにあの根暗ボッチは下僕見習いの段階だからね! ランクが違うの!!」



 もう、何なの、この女は隙きあらば男を奪おうとする! 図々しい奴め! エルるんに敵わなかったから、そのままフェードアウトするのかと思ったら、ウチにまでちょっかいを出してくるとは! そのうちに成敗して二度と戻ってこれない様にコテンパンにしてやる!



「お前の下僕になったつもりはないぞ。勝手な物言いはよしてもらおう。」


「うう、僕は浮気されるほど魅力がないんですね……。」


「チクショー! オレなんて下僕にすらしてもらえないんだぞ! ❍❍カス扱いなんだからな!」


「カスは黙ってろ。」



 コイツらときた日には……。立場のわかってない奴ばかり。かまってやってるだけでもありがたいと思え! 並の男だったら、側にいることすら許されないんだぞ。特にソコのカスみたいなヤツとかアホ勇者、犬畜生なんて特にそう。生理的に受け付けないんだよね。



「作戦会議が脱線して恋話大会になってしまってるアルよ。ちゃんと作戦考えないと、負けてしまうかもしれないアル。ただでさえあっちは人数的に有利アルよ。」


「うう、そうだった! アホどもの戯言に惑わされるところだった!」


「お前もアホじゃない!」


「プリちゃんもやめるアル。ここは真剣に考えて確実に勝ちを掴みに行くアルよ。」



 おお? チャンリンシャンが仕切り始めたぞ? 何か秘策でもあるのか? というか、まともに戦闘できそうなのって、この娘しかいなくない? だったら任せてみるしかないな。



「軍師殿! 何か秘策でもありまするか?」


「軍師殿ってお前……。」


「いいあるよ。プリちゃんのご希望どおり軍師になってもいいアル。私はこれでも兵法の心得はあるアルよ。色んな偉い先生に教えてもらったアル。はじめて役に立つ時が来たアルね。」


「おおーっ!! 英才教育を受けておいでなのかっ!!」


「フフ、見せてもらおうかしら、アナタの戦略眼とやらを。」



 なんかあんまり勉強してたようなキャラじゃなさそうなのに、妙に言動の説得力がある。あのジイさんの娘だから箱入りに育てられたんだろうなってのは分かる。確かに色々習い事とかさせられてそう。



「競技の舞台となるのはこの校舎内、固まって行動するのは返って危ないアル。同時に相手の戦力を分断しないと勝つのは難しいアルよ。」


「戦力を分ける? それでも相手の方が人数多いよね? こっちは4人、向こうは6人だし?」


「あの人たち、みんな同じ様な格好してるアルから、集団戦法を得意としているのは間違いないアル。そういう意味では少しでも人数を減らせば本来の戦法は取りづらいはずアルよ。」



 うーん、確かにあのオジサン達はチームワークだけは良さそう。仲良しこよしな見た目まで統一してるし、ナンタラの壁とかって名乗ってるから、人間の壁を作るのが得意技みたいな? でっかい盾も持ってるみたいだから狭い所で袋小路に押し込まれたら逃げられなさそうな感じはする。



「だから、コッチは二手に分かれて、撹乱する様に戦うアルよ。」


「え? 二つに分けるの?」


「げ!? てことはコイツやこいつと組まないといけなくなる?」


「嫌アルか? でも、そうしないと勝てないアルよ。姉御はヘイちゃんと組んで欲しいアル。私はプリちゃんと行動を共にするアルよ。」


「ううっ!? こんなドロボウ猫と組まないといけないのか! でも、アホと組むよりはマシか?」


「よ、よかった! チャンリンシャンとなら何とかなりそう!」


「なりそうというか、プリちゃんと一緒に仕掛けたい策があるアルよ。それに姉御とヘイちゃんは撹乱を担当して欲しいアル。」


「撹乱ね? 魔術を使える所を見て私を起用したのね? よく心得ているわね。」



 何? アホ女と実行したい策がある? こんなアホのドコに使いみちがあるんだろう? まあいいか? この娘が言うんなら、何か凄い事でも考えているんだろうね? ウチは撹乱係か。さて、どんな事をしてやろうかな?

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