第269話 スーパーⅡダッシュプラスターボX!!
「ちょっと姐さん、相手に有利な問題ばっかりじゃないでヤンスかぁ! いったいどっちの味方なんでヤンスかぁ?」
なんか問題の内容が古すぎるでヤンス! こんなの昔の人な相手側に有利に決まっているでヤンス! なんだか、向こうの人を贔屓しているように見えるでヤンスよ! エコ贔屓は良くないヤンしゅ!
「これでも公平にやっておるつもりじゃ。逆にそなたらに肩入れしすぎると、羊の魔王も黙っておるまい? ここはあくまで魔王の領域じゃ。奴らに有利な分、好き勝手にできんのじゃ。」
「全てはハリス様の手の内よ。反則行為と認められれば、制裁が加えられるわ。」
ズルをすると運営からお咎めがくるんでヤンしゅね? 下手をすると脳筋ゴリラの筋トレ地獄みたいなのが課せられたりしたら、たまったモンじゃないでヤンス! おとなしく従うしかないヤンスな……。
「ルールに則って、知識を駆使して渡り合うしか道はないのよ。」
「気を取り直して、第3問に行くとしようか。次はこれじゃ!」
(トン!)
続いて第3問! 今度は……魔術師みたいなシルエットでヤンスな。これは結構難しいでヤンスよ。魔術師系の魔物はいくらでもいるでヤンしゅから判別には難航しそうでヤンス。
「うーん、これは難問ね。見落としがあれば間違った正体として判断してしまいかねないわね。」
「フフフ、モンスター鑑定問題としては最後の問題じゃ。ちょっとやそっとじゃ当てられんぞい。」
「あっしは意地でも当てないといけないでヤンス! タニシ・スーパー・スキャアアアアン!!!」
(ぐりっ!!)
「うわっ!? キモっ!? 犬畜生の目が飛び出してるよ!」
「クソ犬め、物理法則を無視してやがる!」
グッフフ! これぞオガワ流処世術最終奥義”超絶倫眼力”! その力は衣服を強制透過して、念力でその中身を強引に垣間見る秘伝の技で|ヤンス!
どんなに厚着した美人でも、この技にかかれば全裸も同然なんでヤンスよ! でも多用すると、その後まる一日くらいは目がしょぼしょぼするし、|ちょっとした光でも眩しくなって《目が!目がぁ!ああぁ!!》しまう、恐ろしい反動が出るでヤンしゅ!
「ふんぬぬぬ、ウントコ、もっころいど!!」
「こやつ、怪しい邪法に目覚めよったわ……。」
「所詮は獣人ね。そこらの魔物と変わらないわ。」
と罵ってる間、相手には体を覗き見られているということに気付いていないでヤンスな? いい体してるでヤンス! でもサヨ姐さんはどう目を凝らしても透けないでやんす! 魔法抵抗力高すぎぃ! なんか耐性を持った防具でも装備しているのかもしれないヤンス!
「ムムム、見えるぞ! あっしにも敵が見えるぞ!!」
「ていうか、アンタがまわりみんなの敵になってるよ、この犬畜生め!」
反動もあるというのに色々失っているような気が……。でもヤラないといけないでヤンス! だんだんとシルエットも透けてきたでヤンス。やっぱりなんとなくでも察してたでやんすけど、正体は女系魔術師のようでやんスな! そこからでも種類が多すぎて判別が難しいでヤンスけど、それ位なら楽勝でヤンすぅ! 女性型魔物ならあっしにわからないものなどないでヤンスよ!
「コレはエビル・ウイッチね。間違いないわ!」
「ほう、それがファイナル・アンサーじゃな? ワン公はどうじゃ? わかったのかえ?」
「モチのロンでヤンしゅ! あっしの答えはダーク・ソーサレスでヤンス!」
「ほほう、答えが割れたな。だがどちらも間違っている可能性もあるぞい? ファイナル・アンサーで良いな?」
微妙な違いがわかってこその女性型魔物ソムリエの真骨頂でヤンス。これで外したら、あっしの骨折り損だから絶対に当てに行くでヤンス! 当たれぇ、当たってくれぇ!
「えぇ? なんかソレ、違いあるの? どっちも似たような意味合いじゃん? パスタで言ったら、スパゲッティとスパゲッティーニの違いみたいなもんじゃん?」
「モドキとかダマシとかの名前がついてる虫に比べたらマシだ。”トゲアリトゲナシトゲトゲ”に比べりゃわかりやすい方だ。」
「ああ!? なんか話がワケワカメだよ! ワケアリワケナシワケワカメだよ、コレ!!」
「プリちゃん、落ち着くアル! ここは落ち着いて発音すれば楽勝アルよ! ナマムギナマゴメナマタマゴ!!」
「おーい、話の趣旨が脱線してしまってるぞ。コレでは答えが発表しにくいではないか!」
たしかにミャーコちゃんの言う通り一纏めにしたら悪そうな魔女になってしまうでヤンス。モドキとかダマシとかはぐれ〇〇みたいなのも類似品でヤンスね! 中には長すぎて早口言葉みたいにもなるでヤンしゅ。スーパー・ダーク・ナイト・ダッシュ・プラス・ファイヤー・オメガ・デーモン、とかいうナイト系に見せかけて悪魔系魔物みたいな紛らわしいのもいるので注意でヤンスな!
「答えは……ダーク・ソーサレスで正解じゃ! ワン公の正解、1ポイント獲得!」
「ヤッターっ! あっしの正解でヤンス!」
「そっちだったのか! 私が見誤ってしまうとは!」
「では、ワン公に決め手を一応聞いておこうか?」
「わっふっふ、ソレは胸の大きさが決め手でヤンス! エビル・ウイッチは”C”。ダーク・ソーサレスは”D”なんでヤンス。あっしほどの目利きならちょっとした違いがわかるんでヤンしゅ!」
「いくらエロ犬だからって、そんな所バッカリ見やがって! 犬畜生め!!」
「こんの、スケベ犬!」
「クソ犬の奴め! 胸の大きさだけで判別するとは! 中々どうして侮れん奴よ……。」
あれ……? 勝ったのに逆に非難されているような? 釈然としないでヤンスな。でもまだまだ逆転には至ってないでヤンス! ここから先も全身全霊エロパワーを発揮して勝ち抜いて行くでヤンスよ!
あれ……? 勝ったのに逆に非難されているような? 釈然としないでヤンスな。でもまだまだ逆転には至ってないでヤンス! ここから先も全身全霊エロパワーを発揮して勝ち抜いて行くでヤンスよ!