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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第268話 弾道が”➘”から”➚”変化したでヤンス!!


「体の一部が凄い本気になってきたでヤンスぅ!!」


「現金な奴じゃのう。わかり易すぎて清々するわい。」


「何? このコボルトやけにやる気になってるわね。」



 勝負するのは怖いでヤンスけど、勝ったときのメリットがワシャ得過ぎて、たまらんぬでヤンス! これは何が何でも勝ってあっしの欲望、煩悩の限りを尽くすでヤンしゅう! ぐえ、ぐふぇふぇふぇ!



「げへへのへのげふぇふぇ!」


「やめんか! 煩悩が外に漏れ出しているぞ!」


「おぞましい! 勝ったら私を取って食おうと企んでいるんじゃないでしょうね?」



 それは……ある意味正解でヤンス! さすがにこのおねいさんは博識でヤンしゅねぇ!(※違うと思う) コレ何が何でもどんな汚い手段を使ってでも勝ち抜いて、ペロペロするしかないヤンス!



「ワン公が盛り始めたので実際の対決に移るぞ。そなたら二人には様々なものを鑑定してもらう。まず最初のお題はこれじゃ!」


(トン!)



 サヨ姐さんは教室の教壇の所に立ち、何かの影みたいな絵が描かれた板を出したでヤンス。黒い動物の影……なんか馬みたいな姿に見えるでヤンスな。上体を上げて後ろ足だけで立っていなないている様な躍動感あふれるポーズでヤンス。



「名付けて”不確定な魔物正体当て”クイズじゃ! コレをそなたら二人に鑑定してもらう!」


「魔物のシルエットから正体を鑑定するわけね。面白そうじゃない。」


「ぎゃわ? 正体当てクイズ? 当ててみるでヤンス!」



 こんなの楽勝でヤンス! こんな馬のシルエットの魔物なんてある程度的が絞れるでヤンス。羽が生えてないからペガサス(セイやっ!)じゃないし、足も四本だからスレイプニル(おでん!)でもないヤンしゅ。ヒレとかのお魚要素もないのでケルピーでもないヤンスな。だから……、



「コレはユニコーンで間違いないヤンス! 角っぽいのは判別しにくいでヤンスけど、間違いないヤンス!」


「ファイナル・アンサーじゃな?」


「ファイニャル・ヤンサー!!」


「なんか違うこと言ってるよ、あの犬畜生。」



 これは正解間違いなし! サヨ姐さんが意味ありげに判定を言う溜めを作っているでヤンス。ジイーッとあっしを見つめて確認を取ってるヤンスな。あっしの正答を褒め称えるための演出に間違いないヤンしゅ!



「残念、不正解!」


「ぎょわーっ!?」


「ああ、しくじったよ、あの犬畜生!」


「ふふ、これはユニコーンと見せかけて、ノーコーンが正解ではないかしら?」



 と相手のありえーるさんが答えた瞬間、絵の黒塗りシルエットが馬の絵に変わったでヤンしゅう! よく見ると、頭の部分に角の根本が残っているのが確認出来るでヤンス! そんなの聞いてないよー、でヤンすぅ!



「うむ、そなたは正解じゃ。流石に識学者(セージ)のアーリエルと呼ばれるだけのことはある。対してワン公は甘いのう。こんな簡単な引掛け問題に躓きおって!」


「ぎょわわーーん!? ノーコーンなんて魔物聞いたことないでヤンすぅ!」



 ノーコーンって何? 聞いたことないヤンス! ノーってことはつまりコーンがついてない、ユニコーンでもバイコーンでもない存在? それ……ただの馬じゃないでヤンスかぁ!



「ただの馬をそんな呼び方するのはおかしいでヤンス!」


「たわけ! そなたの知識が足りぬだけじゃ。古代において角を乱獲された哀れなユニコーンやバイコーンが迷宮に溢れておったのじゃよ。角は妙薬の材料として欠かせなかった故にな。」


「ふふ、あなた、古代史には疎いようね? その程度じゃ、私に勝てなくってよ!」


「くやちくしょーでヤンス! 古代史は古代史でもアイテム学ばっかり勉強してたでヤンスからわからなかったでヤンしゅう!」



 モンスター関連の知識はちょっと薄いかもでヤンス。知ってるのは”奇妙な動物”の正体が”バイドパイパー(悪魔の道化師)”なことくらいでヤンス! さすがにノーコーンは知らなかったでヤンスよ!



「これでアーリエル側に1ポイントじゃ。続けていくぞい。二問目はこれじゃ。」


(トン!)


「……?」


「む、これは……!?」



 こんどは何かと思えば、うさぎの様なシルエットが出てきたでヤンス! もう、コレはうさぎといえばアレしか思い浮かばないでヤンスな。ソレ以外ありえないでヤンしゅ!



「これはヴォーパル・バニーでヤンス!」


「またしても、即答かぇ? まあ良いファイナル・アンサーじゃな?」


「ファイナンシャル・トレイナー!!」


「フフフ……。」



 あっしが即答したのをよそに、相手のおねいさんは含み笑いをしているでヤンス! ましゃか、今回も不正解? コレも引っ掛け? そんにゃ馬鹿な! コレ以外答えはあり得ないでヤンスぅ!



「答えはラゴース・ザ・ヴォーパルね? 間違いないわ。」


「ソレはウサギの魔王でヤンス! そんなワケ……、」


「そうじゃ、正解じゃ。またしてもワン公は不正解となる。」



 絵のシルエットが……ウサギの耳を模した装飾品をつけたセクシーな女性、巨大な黒い剣を持った姿に変化したでヤンス! シルエットと大幅に姿が変化したでヤンしゅ! そんなのあり? 詐欺過ぎるでやんすぅ!



「そう、ただのヴォーパル・バニーだと思って近づいたら……剣を持った女性だった。気がついたときにはもう手遅れ、自分の首が宙を待っていた。それが生前の私が最後に見た光景よ。」


「そうじゃな。その姿を見たものは確実に死ぬ。ソレが兎の魔王ラゴースじゃ。」



 しょげぇ! 実際に見たら死ぬ! このおねいさんはソレを食らっちまったんでヤンスね。でもサヨ姐さんは? 見ても生きて帰って来たのかも知れないでヤンスな! やっぱ、この人、魔王よりおっかない存在なのかもしれないでヤンしゅ!

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