第267話 何かの間違いでヤンしょ?
「な、な、な、何かの間違いではないでヤンスか?」
「ほう? ならば、そなたは妾が間違った選択をしたと申すのかえ?」
なぞの学園空間からの脱出を賭けた対決にあっしが選ばれる? ましゃかー? そんなわけないでヤンしょ? しくったら、ホントに終わりでヤンスよ? そんな大役にねぇ、あっしが選ばれるワケないヤンしょ? ただ、姐さんがあっしをからかうためにやったんでヤンしょ!
「そうやって、あっしが面白おかしくリアクションする様を見たかったんでヤンしょ? さすがにその手には乗らないでヤンスよ?」
「そうか。そなたは拒否すると言うのじゃな? ならば、妾が出るとしよう。」
ほっ、としたでヤンしゅ。なんだ〜! 姐さんが出るんなら問題ないでヤンしゅ。相手も頭良さそうな人だからいい勝負になりそうでヤンスな。やっぱ、ただの茶番だったんでヤンしゅな。あくまで盛り上げるための……、
「賢者さんが出るんなら、僕が代わりに出ます!」
「何? そなたが出るのかえ?」
おおっと! ここでロッヒェン君が名乗り出たでヤンス! 意外な人が出てきたことで波乱になりそうでヤンス。真面目で責任感強そうだから名乗り出ざるを得なかったのかもしれないでヤンス!
「フッ、お前が出るというのか? ではオレも名乗り出ないワケにはいかないな!」
「ティンロン君! 君も出るというのか?」
「兄上では心配アルよ! 私が尻拭いするアル!」
「尻拭いって、そんなこと言われたらお兄ちゃんは哀しいよ!」
「哀しいでは済まないアルよ。兄上は肝心な所でいつもしくじるから任せられないアル。」
「あああ!? 妹よ、兄をもっと信用してくれぇ!!」
ティンロン君もロッヒェン君に対抗して名乗り出たはいいでヤンスけど……。速攻でシャンリンちゃんのストップがかかったでヤンス。確かにティンロン君は詰めが甘い気がするでヤンしゅ。コレまで一緒に行動していて、それは実感していたのでヤンス。
「じゃあ、ウチもやるかな? ウチの博識ぶりを披露してしんぜよう!」
「おおーっ! 姉御が出るんなら心強いある。」
「なにー! アバズレが出るんなら、私も出てやるんだからね!!」
「アホはやめとけ。お前が出たら犬畜生とか粗❍ィンが出るよりヒドイ結果になるわ!」
「な、なにをーっ! 私だって、食べ物の事だったら自信あるもん!」
「鑑定の対決で食べ物の問題なんか出るか、ボケェ!!」
今度はミャーコちゃんとプリメちゃんの仁義なき戦いが勃発しそうになったでヤンス! プリメちゃんもおかしい! 食べ物限定の鑑定なんてあるわけないでヤンしゅ! それは料理対決の審査員のやることヤンス!
「何? アンタももしかして名乗り出たりする感じ?」
「んなわけあるか。馬鹿馬鹿しい。こんなお遊びなんてまっぴらだ。」
「あっそ。」
おやぁ? なんかエピオン君もこっそり手を上げていたような? でも引っ込めたでヤンス。なんか一匹狼でぶっきらぼうでも割と、意外とノリはいいののかもしれないんでヤンスな。
「ああもう、困った奴らじゃのう! 一対一の対決にそんな人数はいらん! 人員を絞るのじゃ!」
「困りましたね。みんなそれぞれの思いで参加を望んでいるわけですし……。」
「だから、オレが適役だと言っているではないか。」
「兄上はダメアルよ。」
「そりゃ、私一択じゃない? うまいもの食べれるんだし?」
「ダメだ、コイツ! 馬鹿すぎて、大食い対決と勘違いしてるよ!」
「うるさいな。さっさと決めろよ。」
あああ! なんかカオスな揉め事になってきたでヤンス! どうしたら? いっそのことあっしが出るしかないんでヤンしゅか? 一応鑑定士資格の二級は持ってるんでヤンスし……。もうなんか舞台から飛び降りるつもりで立候補するでヤンしゅ!
「あ、あ、あっしが出るでヤンス! なんとかしてみるでヤンス!」
(シーーーーン。)
あ、あれ? なんかあっし、おかしいこと言ったでヤンしゅか? やっぱ、あっしは期待されてなかったんでヤンしゅね。このまま、こっそりフェードアウトして枕を濡らしに行くでヤンス……。
『どうぞ、どうぞ!!』
「しょぎゃわーーーん!? 突然の評価大逆転でやんしゅう!!!」
「では決定じゃな。コレでよし、と。早速始めるぞい。」
「ええ!? いきなりでヤンしゅか!?」
「そなたがやる気を出さんからいちいち茶番を演じてやったんじゃぞ? さっさと覚悟を決めよ!」
「あっしを嵌めるための罠だったんでヤンしゅかぁ」
「クソ犬、今頃気付いたのか? 哀れなやつよ。」
あああ! なんかみんな申し合わせて名乗り出てたんでヤンスね! 多分、サヨ姐さんが思念波でみんなに指示出ししてたんでヤンしゅな。そんな手の混んだ事してまであっしを駆り出さないで欲しいでヤンス……。
「ほう、この後に及んでやる気が出ないと申すか? ならばそなたに気づかせてやろう。」
「な、なんでやんすか?」
「この勝負、勝った者には、敗者に対して一つだけ命令に従わせることが出来る、というルールを設けるとしよう。」
「へえ、面白いわね。いいわよ。」
「え? それ、ホントでヤンしゅか?」
相手のありえーるさんは承諾したみたいでヤンスけど……。ん? 待てよ? 相手に何か命令できる? どんなことでも? ホントに? 相手はエルフのキレイなおねいさんでヤンしゅよ? な、なんか、体の一部が本気になってきたでヤンしゅ! 多分、隠しパラメータのアレも”1”から”100”に変化していそうでヤンしゅ! やる気出てきたぁ!