第263話 さきがける?メモリアル!?
「3年生? この学校、あっしら以外の学年もいたんでヤンスか?」
「巧妙に隠されていたが、実は存在していたというオチだ。少し刺激してやったら、向こうの方からお出ましとういう結果になったわけだ。変わらない日常を終わらせるためにな。」
謎の集団が押し寄せてきたでヤンス! 戦闘にいた違う種類のゴリラの人だけかと思ったら、男女様々な人たちがやって来たでヤンスよ! なんか3年生らしいのに揃いも揃って……年齢がバラバラでヤンス! 少なくとも20以上にしか見えないし中年ぐらいの人も混じっているヤンス! この学校の学年の概念とは一体?
「お前だな? エピオンとかいう小僧は?」
「さあ、どうだろうな? メガネの奴かもしれんし、そこの犬かもしれないぞ?」
「ち、違うでヤンス! あっしはそんなカッコいい名前ではないでヤンス! でも、名前だけでもカッコよくなりたい願望はあるでヤンス!」
「じゃあ、この犬畜生がエピオンってことでいいですよ、先輩方?」
「そうかお前か! 見せしめにとりあえず死んでもらおう!」
「ぎゃわーーーん!? あっしは違うでヤンス! ちょっとした出来心だったんでヤンすぅ!」
ちょっとした出来心があらぬ事態を引き起こしてしまったでヤンス! 大ピンチ! 先頭のごつい人がずんずん歩いてくるでヤンスぅ! あっしの人生終了まで3秒前……2……1……?
「待って下さい! どういう経緯かは知りませんが、暴力は許しませんよ!」
「なんだ? 邪魔するのか小僧? 先に死にたいのはお前だとでもいうのか?」
「おおっ! ロッヒー君カッコいいアルよ! 犬の人、危機一髪だったアルな。」
タイミングよく教室に戻ってきたロッヒェン君に助けられたでヤンス。ついでに取り巻きの女子たちも戻ってきて、全員集合したでヤンス。コレは団体での乱闘に進展してしまうかもしれないヤンしゅ!
「エピオン君が何かをしでかしたようですが、まず、その発端というものをお聞きしてもいいですか、先輩?」
「いいだろう。そいつが何をしたのか聞かせてやろうじゃないか。本来、俺達の存在は貴様ら一年坊には知られてはいけないトップ・シークレットだったのだ。」
「何も情報がなかったり、見かけなかったのはそのためだったんですか。」
この学校、あっしら以外には校長やゴリラ軍団しか見かけないと思っていたら、他にもいたことが衝撃的だったでヤンス。でも、ほとんど隠しキャラ的存在だった人たちを見つけてしまったのはどういう経緯があったんでヤンしょ?
「本来は定期的に行われる学年交流イベントで姿を現すはずだったが、その小僧が色々嗅ぎ回ったおかげで、あばかれてしまったのだ! この罪は重いぞ! コレはサプライズ的に行われることで我々の脱出が約束されていたというのに、台無しにしおったのだ!」
「なんか、ウチらを罠に嵌める前提、初見殺しを狙ってたみたいな言い草じゃん! 上級生を名乗ってる割には小者すぎじゃないの!」
「黙れ! 俺達がどれだけ長い間、この牢獄のような場所に囚われていたのか知らんくせに! そもそも、俺達が何者かも知らぬクセにナマイキを言いおって!」
あの人たちはずっとここにいるんでやんしゅヤンしゅかね? だから性別もバラバラ、何年も留年したみたいな人がいっぱいいるんでヤンすね。でも、その割には古臭い、現代とかけ離れたような見た目の人がいるような?
「俺を誰だと思っている? 秩序の壁という名を知らぬわけでhあるまい?」
「秩序の壁!? たしか、”クロウ・キャニオンの悲劇”で壊滅したクルセイダーズの精鋭部隊……? でも前の魔王戦役時代の話では……。」
「俺達が壊滅してから何年たったのかは知らないが、ピンときていない失礼な輩が多いな! 俺達だけではない。他にも名の知れた声優が集っているんだぞ!」
「な、なんですって!?」
ゴツい人たち数人の正体が判明! じゃあ、3年生の正体は過去に亡くなった有名人? 伝説の英雄? あっしも歴史はあまり得意ではないでヤンスけど、秩序の壁は聞いたことがあるでヤンス。妙に年を取った人が多いのはそういう理由だったようでヤンスね!
「フン、やっぱりな。揃いも揃って負け犬の成れの果てだったってことがハッキリしたな。魔王の手先にまで落ちぶれるとは大した恥さらしだな。」
「侮辱は許さんぞ! 俺達は魂まで魔王に譲り渡したつもりはない! 再起を図り、あの魔王に一矢報いるのだ!」
「ここを出れたとしても、既に故人なお前たちはどの道、操り人形だ。あの玉ねぎゴリラと同じ、仮初の人造生物ホムンクルスの肉体を与えられるだけだというのにな。」
ああ! 確かに故人ならもう体はないでヤンスな。代わりに魔王からはホムンクルスの体が貰えることになってるそうでヤンス。だったら、結局、魔王の手下になってしまうのは必然でヤンス。報われないでヤンスな。羊の魔王もヒドイことをするでヤンス。死体がなくても死体蹴りが成立してしまうでヤンスな。
「俺達が脱出できる希望があるとすれば、貴様ら小僧共を倒すことだけだ! 遠慮なく叩きのめしてくれる!」
「……待てい! そなたらの戦いは妾が仕切らせてもらおう!」
ありゃ? 何か聞き覚えのある声がしてきたと思ったら、サヨ姐さんが姿を現したでヤンス! しかも服装がいつもと違う! 先生みたいな服装になってるでヤンス! しかし、どうやってここにやって来たんでヤンしょ?