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【第3部】勇者参上!!~究極奥義で異次元移動まで出来るようになった俺は色んな勢力から狙われる!!~  作者: Bonzaebon
第4章 はぐれ梁山泊極端派Ⅱ【沈黙の魔王と白い巨塔】 第1幕 異界塔士Ro・Ar
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第242話 こちら白い巨塔対策本部!


「本作戦では三つのパーティーを編成し、侵攻を進めることにする。」



 翌日、クルセイダーズ本部から特別編成部隊が到着し、羊魔王の白い塔攻略作戦が本格的に始動した。それなりの指揮官が出張ってくることを予測していたが、まさかの総長自らが部隊を率いて現れたのだ。流石に俺はビックリした。本作戦への力の入れ具合が半端ないことがよく分った。作戦の説明は総長自らが行っているという訳だ。



「各パーティーのリーダーは勇者ロア、イグレス、そしてロッヒェンJrの三名を指名する。」


「え……!?」



 ロッヒェンの名が挙がった瞬間、周囲にはどよめきが起こる。リーダーはてっきり、それなりに経験を積んだ人間ばかりが選ばれると思ったんだが、ファル辺りが選出されると思いきや、まさかの若手であった。これには流石に本人も驚いている。



「皆もこの選出には色々思うところはあるだろうが、私は将来性のことを考えて、敢えて若い人材を起用することにした。ベテランに任せたほうが確実という声もあるだろうが、私は若い感性を信じたいと思っている。」


「そんな大役を僕が引き受けてもいいんでしょうか?」



 ロッヒェンはリーダーに抜擢されたことに不安を感じているようだ。ここには多数のツワモノが揃っているので、それらを差し置いて選出されたことに違和感を感じているんだろう。


 しかし、リーダー経験がないとはいえ、実績はそれなりにある。猿の魔王の配下である親の敵を打倒したし、学院では例の騒動で敗北したとはいえ生還を果たしている。どちらも魔族絡みの事件だったので、抜擢される理由としては十分なように感じる。



「お前はいずれ、クルセイダーズを担う事になるのだ。そうなれば今回以上の人数の部下を従える機会も多くなる。今のうちから指揮官の経験を積んでおいても悪くはあるまい。」


「優秀な指揮官への第一歩はまず、一つのパーティーをまとめ上げるところからだ。その証拠に優秀な指揮官は元は冒険者だったものも多いのだ。私ですら若い頃は冒険者として経験を積んだのだからな。」



 総長の説得にエドが口添えをして、より説得力を底上げした。ロッヒェンの表情も徐々に不安の影は薄くなり、少しは前向きな考えになりつつあるようだ。ロッヒェンはエドから直接指導を受けることが多かったようだし、師匠が言うなら、という考えになってきたのだろう。


 エドの過去話は少し聞いたことがあるが、色々荒っぽいことをしていたようだ。普段は兜で隠れている顔の大きな傷はその時代に付いたものだと、本人は話していた。その理由はとあるデーモンが関係しているのだそうだが……。



「人員の編成は各リーダーに任せる。ただし、人数は原則に基づき、6人程度に留めるようにしておくように。多すぎても少なすぎても塔の探索に差し支えるのだからな。スムーズに探索及び戦闘が行える編成にするように。それでは一旦、ここで解散する。」



 作戦の説明は一旦終了し、等の周辺警備、救護班、司令本部で活動する人員はそれぞれの現場へと赴いていった。残されたのは塔の攻略班が殆どという状況になった。これからメンバー編成のドラフト会議が行われることになるのだ。



「どうします? メンバーの選定を決めるのはかなり難航しそうな気配がしますが……?」


「フム、ある程度バランスを考えて配置を行わねばならんな。状況次第で立ち往生すれば魔王から付け入られる隙を与えることに成りかねん。」



 今回参加予定のメンバーが個性派揃いでバランスをとるのが難しそうだ。俺ら勇者パーティーのメンバーに加えて、レンファさん達梁山泊の五覇、エドの黒の部隊、プリメーラもいる。それだけでなく、今回はサヨちゃんやゲンコツのおっちゃんまで加わるというのだ。



「それ以前に人それぞれの相性の問題もあるだろ? 割と険悪な仲の人間がチラホラいるしな。」



 俺の知っている関係だけでも割といる。戟覇、刀覇は俺と関係バチバチだし、ミヤコとプリメーラみたいなライバル関係だってある。それをうまいこと分散させないと、道中でトラブルに成りかねない。それこそ、エドの言うように魔王から隙を突かれてしまうかもしれない。



「その前にさあ、なんで私がリーダーに選ばれなかったわけ? 私、一応次の勇者の候補なんだけど?」


「お前みたいな実績のない奴が選ばれるかよ。コレは遊びじゃないんだぞ? 相手は魔王だ。舐めたマネしてると、簡単に殺されるぞ。お前だけじゃなくて、他のメンバーの命がかかってることを忘れるなよ?」


「えぇ〜!?」



 そもそも総長がお前のこと知ってると思うのか? 鶏の魔王の幹部を倒したとはいえ、そんなぽっと出の奴に任せるはずがない。この街に来るまでの間に飢え死にしてたかもしれない奴には到底任せられるはずがない。せいぜい、誰かベテランに同行させて経験積ませるのがせいぜいだろう。



「じゃあ、赤い剣士君と組んでツートップパーティーを組むというのはどうでしょう? なんか彼、自信なさげだし?」


「おいおい、そんなリーダーが二人いるなんて混乱を招く編成は波乱の予感しか感じないぞ? トラブルの種しか産まないと思うんだが?」


「むしろ、彼女にリーダーを譲ってもいいのですが……。」


「それだと問題になるだろ!」


「……フム、リーダーを二人にする、か? 案外、いいアイデアかもしれんぞ。リーダーシップを務めるカリスマとその補佐をする頭脳担当のサブリーダーを作るという意味でな。」



 俺みたいに反対意見が出てくるのかと思いきや、以外にもエドが肯定的な意見を出してきた。リーダーを一人にするのではなく、役目を二人に分ける手法を考えたようだ。しかし、そんなやり方がうまくいくんだろうか?

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