第239話 アイテム鑑定ゲーム!
「もし、呪いのアイテムを回避して、激レア・有能アイテムを引き当てた人には金一封差し上げます!」
「うおお! オレも燃えてきたぜ!」
「うしし! じゃあ、ボクはその金一封でお菓子買うもんね!」
奮発して賞金を出すって言ったら、みんなやる気になってきたでヤンス。現金でヤンすけど、背に腹は変えられないでヤンスよ。ここで確実に学んでいってほしいでヤンス! とは言っても、それはあくまで建前でヤンスけどね。そうそう初心者には当てられない、超難問ばっかりで自信はあるでヤンス!
「じゃあ、オレからいくぜ! コレを選ぶ!」
「この”?斧”でヤンスね?」
まず一番手としてカードを選んで来たのははキノ君でヤンス。先端の両方に刃が付いているように薄っすらと見えるシルエットでヤンス! 確かに強そうに見えるから一見良さそうに見えるでヤンすけど……。
「では、オープン! 残念、これは”両刃の斧”、呪いのアイテムでヤンした!」
「ええ!? うそぉ!? いかにも強そうに見えたのに!」
「呪いは確定しヤンしたけど、スペシャル・パウァはどうしヤスか?」
「え? 何、空くじなしみたいな奴?」
「そうでヤンス。これでいい効果出ればドロップアウトを回避できるでヤンス!」
「じゃあ、使う!」
「スペシャル・パウァ発動! ……残念! 自分で自分の首をはねてしまいヤンした!!」
「ぐわぁ〜!? またハズレ!! チクショー!」
ああ、一人目の脱落者が出てしまったでヤンス。確かにスペシャル・パウァは使ってワンチャン狙いたくなるんでヤンスけど、諸刃の剣でヤンス! 呪いのアイテムは逆にいい効果が出る場合もあるでヤンスが、基本マイナスの効果が出る場合が多いのでヤンスよ。
「次は俺だ。俺はこの細い剣を選ぶ!」
「おおっ!? いいのかよ? あんまり強そうには見えないぜ?」
「いいんだよ。あえて弱そうなヤツを俺は選んだ。見るからに弱そうなモノがもしかしたらって思ってな。」
うひょー! 選んだ理由がかっこいい! しかも、”あの武器”を引き当てたでヤンしゅ! この人、勘がいいでヤンス! でも、あの”罠”を回避できるかが焦点になってくるでヤンス!
「これでいいでヤンスね?」
「たりめーだ。それで決定だ。男に二言はねえ。」
「それではオープン! ……正体は”MURASAMA・BLADE!”でヤンした!」
「なんだその物々しい表記は? む、むらまさ? なんて読むんだ?」
「正確には”ムラサマ・ブレード”でヤンス!」
「えっ!? それって私の故郷にあった伝説の妖刀なんじゃないの?」
「多分、それでヤンス。ちなみにコレは実在が証明されてるでヤンス。あっしは本物を見たでヤンスよ。」
「伝説の妖刀かよ。じゃあ、呪われてるんじゃないか?」
「ところがコレはセーフでヤンス!」
「オオーッ! てことは大当たり!」
「っしゃあっ!!」
大当たりを初見で当てたのはお見事でヤンス。同じ刀だと”なまくら刀”というハズレも混じってるでヤンスからよく当てたと思うでヤンス。でも、問題はこれから。この後の対処で大きく変わってくるでヤンスよ。
「大当たりが出ましたでヤンスけど、ダブルチャンス、もといスペシャル・パウァはどうするでヤンスか?」
「ダブルチャンスか……。いいぜ、賭けてやる。男は大博打を打ってなんぼのもんだろ?」
「スペシャル・パウァ発動! ……おおっと! なにか、心なしか、生き抜く力が増したような気がするでヤンすよ。でも……パウァ発動と同時にムラサマは壊れてしまったでヤンス。残念!」
「マジかよ! 結局、チャラか! 欲を出したのが間違いだったぜ。」
「でも、死んで失格になったオレよりかはマシじゃん!」
「生き残りはしたので、次の番が回ってくるまでお休みでヤンス。」
結局、賭けにでたのが裏目に出たでヤンス。大抵はスペシャル・パウァを使わない方が無難ではあるんでヤンしゅけど……、中にはそうではないモノが含まれているでヤンしゅ! それを引き当てるのは多分素人には無理……、
「ボクはこれにする〜♪」
「ほうあ!?」
「アレ? どうしたのタニシ君? なんかスゴイびっくりしてるけど?」
「い、いや、なんでもないでヤンしゅ! では、センベイ君コレを選んだ根拠は?」
「え? なんか、もこもこが付いた棒に見えるから”バンバン焼き”に似てて美味しそうだったから!」
そんな基準で選ばれるとは思わなかったでヤンしゅ! 確かに鍔のない剣にm見えるから、薄っすらモザイク越しに見ると”バンバン焼き”に見えなくもな…い? うーん、食いしん坊の勘はよくわからないでヤンスね。
「ではこれでいいでヤンスね? それではオープン! ……残念、呪われてしまったでヤンス! 正体は”さびつきしやいば”でした!」
「うわーん!? 残念! でも”サービス付きシャイバー”って何? モーニング・サービスとかルーム・サービスでも付くの? だったらそれでもいいかも!」
「これは”錆びつきし・刃”でヤンス! カードの絵を見てほしいでヤンス! 年代物の錆び錆びのボロい剣でヤンスよ!」
「なんだー! 剣かー! がっかり。食べ物じゃなかった。」
うーん、やっぱり名前は伝わり辛いでヤンスな。他の教習でも理解できなかったお客さんも多かったし、あっしも最初は”錆付き・死刃”だと思ってたでヤンス! なんかその方がかっこいいし!
「呪われてしまいヤンしたけど、スペシャル・パウァはどうするでヤンスか?」
「うーん? もうどうでもいいような気がするけど、みんなやってたから、ボクもやる!」
「それでこそ、男だ。」
「イツキ君、ダメだよ。みんな無茶するんだから……。」
「まあまあ、センベイ君も言ってることだし、本人の意思をそんちょうするでヤンス! そのまま、スペシャル・パウァ発動! ……残念、灰になってしまったヤンス!」
「あー、結局、失敗したじゃない! もう、それだったら、センベイ君が本当にセンベイになっちゃったよ!」
「おいしく焼けました〜! でも、自分が焼けても意味ないなぁ。」
「でも、ここで終わりではないでヤンス! その武器は伝説の”ベイキング・ブレード”に変身したでヤンス! 要するにムラサマ以上の大当たりでヤンスよ!」
「”ベイキング・パウダー”みたいな名前? 何? ケーキとか作れるの? おいしそう!」
「お前、スゲーな! 一番の大当たりが出ちゃったよ!!」
結果的に大逆転が発生したでヤンス。これで結局、あっしのポケットマネーからお金が出ていく事になってしまったでヤンス! とほほ……。