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第223話 お化け屋敷の仮装ですか?


「もうコリゴリでやんすぅ!」


「コラ! ちゃんと反省しろ、どこかの犬っころみたいな口調でふざけてるんじゃないぞ!」



 キレるファルちゃんに、何故かタニシ的な口調になっているプリメーラ。街の外から引き返してきてみたら、お笑いコント劇場のような様相が繰り広げられていた。


 俺らは命がけで戦ってたっていうのにアイツは何をしていたのか? よく見たら、ミヤコやロッヒェン、メイちゃん、それに加えて……エルの従妹がいるじゃないか……。



「おいおい、街中で何をやらかしたんだ? やめてくれよ。勇者の関係者がトラブル起こしてたら、何のために世直しの活動してるのかわからなくなるぞ!」


「新メンバーのスカウトがどうたらこうたら抜かしているが、セクハラをはじめ、問題行動を連発してたみたいだな。」


「ああん? 何だそれ? 怪しい店の客引きじゃあるまいし、強引すぎるだろ。逆に嫌われる行動をしてどうするつもりだったんだ……。」



 ファルも戟覇との交戦を経て、いくらか負傷しているようだ。むしろ、五覇クラスの人間と戦って五体満足でいられる事自体、大したもんだと思う。その後にプリメーラのおバカ行動を目にしたんだとしたら、確かにキレたくもなる。困ったもんだ。



「ああっ!? ちょっと!? アンタ、なんでそんなボロボロなのよ! 何か面白おかしいアトラクション、アクティヴイティに参加してたんでしょ? 私と〇〇子ちゃんを放っといてそんな楽しそうな事してたなんて許せないーっ!!」


「違うわ、ボケ! 俺らは生きるか死ぬかの死闘を繰り広げてたんだぞ! 遊んでたわけねえだろ!」


「え? 何? 遊んでたんじゃない? じゃあ、アレ? なんかお化け屋敷的な営業でもしてたの?アンタも服とかボロボロで血の跡とか付いてるし、 特にあの人とかあの人なんて、特殊メイクでバッチリ決めてるじゃん!!」


「え? アレは、アイツらは別にそういうのじゃないから。」



 アイツらとは具体的にブレンダンやティンロンの事を指しているようだ。うう〜ん。確かにホラーな見た目とか、威圧感凄すぎな感じはあるからなんとも言えない。ティンロンなんて顔面が崩壊してる。ゾンビそのものである。しかもションベン臭いというオマケまで付いている。あんなのがいるから疑われてしまうんだ。



「ティンロン君! 一体何があったんですか? ヒドい怪我をしています。早く手当をしないと……。」


「うわぁ……。ないわぁ。それはないわぁ。キャラが薄くて地味だからって、顔面整形するなんてありえないわぁ。引くんですけど。」


お嬢さん(フロイライン)、彼はそんな事をしたわけではないと思うんですが……。」



 なんだ? アイツらとティンロンは面識があるのかな? ああ、まあでも、エルとも顔見知りになっていたみたいだから、昨日辺りに出くわしてしまったんだろう。それにしても、ミヤコの判定ではティンロンはイケてない人間として扱われているのは間違いなさそうだ。



「姉御! 兄上はとうとう産業廃棄物と化してしまったアルよ! もう再生不可能なくらいに崩壊してしまったアルね!」


「ん? ああ、そうだった。本体はコレだったな。確かにもう戻らないね。つまり、お前はもう死んでいる、な状態になったわけだ。まさしく完全なるゴミに転職(クラスチェンジ)を果たしたのだ!」


「ぐわぁーーーーん!? 俺は完全にゴミ認定されてしまった!?」


「彼は眼鏡としてしか認識されていないんですか……。」



 ミヤコからもゴミ認定か。いい気味だ。俺やタニシもゴミみたいな扱いを受けているし、イケメンなロッヒェンでさえ下僕扱いされているのだ。生まれが良いからといって、才能が優れているからといって、ミヤコの前では全てフラットになってしまうのだ! その立場で今までの人生を見直すがいいさ!



「おっ!? かわいい子発見!!」


「コラ! 手当り次第、声をかけようとするな! 全く反省してないだろ!」


「やあ、かわいいお嬢さん? ボクの話を聞いてくれないかい?」


「な、何アルか? アナタの方こそ可愛いんじゃないアルか?」



 ああ、とうとうティンロンの妹にまで食指を伸ばし始めやがった! 全然反省してない! しかもセクハラだと怒られると考えたのか、今度は紳士を装っている。ていうか、お前、女だろ。見た目と口調が絶望的なまでに噛み合ってない! いや、セクハラ親父的なキャラもあってはないけど……。



「……!? アナタもしかして、アイドルという人じゃないアルか? 絶対そうに決まってるアル! 私の勘が間違いないと言ってるアルよ!!」


「っふふ! バレてしまったか! どうやらボキのアイドル・オーラは隠していても漏れ出して見えてしまうらしい。でもね……それが分った君こそ特別な存在なんだよ!」


「と、特別アルか? 私も常々思ってたアルよ! アナタとは気が合いそうな気がするアルよ。」



 でゅえわーーっ! どんな色男でも言わなそうな歯の浮きそうなキザ台詞をいとも簡単に言ってのけやがったぁぁ! 一人称が”ボク”から”ボキ”になってるのが気にならなくなるくらいの衝撃だ。ホントにやべぇなコイツ!

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