表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/464

第215話 ゴーレムファイター・ジム


「もちろん遊びではないさ。これからそれを証明してみせよう!」



 おおっ! ジム君がファイティング・ポーズをとったでヤンス! 猫人戦士のジェイさんのポーズそっくりでヤンスな! ジム君、魔法はきっかり諦めて格闘術を習得する道を選んだんでヤンス。クルセイダーズに入団して、ジェイさんに弟子入りした成果が今ここに!



「猫人の格闘術を使うのか。人形のクセに人間のマネなんかしちゃってさ!」


「元々人間だったのさ。体を失い、ゴーレムの肉体を手に入れた事で格闘家の道を選ぶことになったた!」



 話しながら高速のステップを駆使しながら、犬の魔王さんの前まで瞬間的に間合いを詰めたでヤンス! それで休む間もなく、パンチキックの雨あられ! つい最近まで魔術師だったとは思えないほど、様になってるでヤンス! 



「なるほど! よく動く! 人形とは思えないほど完璧に再現してるじゃないか! これが噂の新型ゴーレムとはね! こんなの普通の人間だったら二,三発目でノックアウトだ!」


「このボディにはあらゆる闘法の動きが予めインプットされている。オマケに身体能力は人間どころか猫人の三倍程度のポテンシャルを備えているのさ!」



 パンチ連打が続くと思ったら、意表を突くように突然しゃがみこんでの地面スレスレ回し蹴り! と、そこから突き上げる様な渾身のアッパーカット! 動きの一つ一つが必殺級の地獄のコンビネーションさながらでヤンス! しばらく見ないうちにいじめられっ子がこんなに立派になって……あっしは嬉しいでヤンスよ!



「よく動く! これだけの必殺コンビネーションを涼しい顔でこんなに躱されてしまったら、心がオレてしまいそうだ!」


「当たり前じゃん。オレ、魔王だよ? むしろ、結構遊んでやってるんだから、感謝してほしいんだけどね?」



 二人の攻防と言うか、ジム君の圧倒的で一方的な攻撃が続いていても、魔王さんはちっとも攻撃しようとしてないでヤンス! ていうか、武器出してなくない? この前のでっかくて黒い棍棒みたいなのを出してないでヤンス! それ以前にジム君の方も素手なんでヤンすけど……。



「遊び? そういうのなら仕方ない。こちらは遠慮なく武器を使わせてもらう!」



 ジム君は魔王さんから離れて、片方の拳を前に掲げて力を込め始めたでヤンス! すると何か白い冷気のような物が出ると同時に、拳の先から何かがニョキニョキっと生えてきたでヤンス!



「それは氷の魔法、氷の爪か?」


「その通り。これは冷気の爪、アイシクル・スティングクローだ!」



 氷の爪! 元々、魔術師だったときに使えた氷属性の魔法を格闘攻撃用にアレンジしたんでヤンスね! これならパンチとほとんど同じ動きで強力な攻撃が繰り出せるでヤンスな! さっすが〜!



(シャッ! シャッ!)


「ちょっと爪が生えたくらいで当たるなんて思うなよ! こんなのちょっとした毛が生えた程度じゃないか!」


「そう思うのなら、こうすればどうなるかな!」



 最初は右拳だけだった氷の爪を左でも出した! 左右両方の爪が魔王さんを襲う! さらに動きも早くなって、流石の魔王さんも大変そう! これでもまだ反撃しないんでヤンスかねぇ?



「なぜそうまでして反撃をしてこないんだ? 僕を舐めるのも大概にしてもらいたい!」


「ナマイキ言うなよ。ゴーレムなんかにムキになりたくないだけさ。」


「これでもかっ!!」



 爪の連続攻撃からいきなり下からすくい上げるようにジム君がキックした! 魔王さんはとっさに後ろへ飛び退きながらバク宙で回避! すごいアクロバティックな避け方をしたけど、体に爪で引っかかれたような傷が! 蹴り上げたジム君のつま先を見ると、そこには氷の爪が出てるでヤンス! アレは足でも出せるんでヤンスね! 



「くく!? やってくれるじゃないか。」


「いつまでも舐めた戦い方をするからだ! これは魔術の応用だから、あらかじめ仕込んでいなくても体のあらゆるところから出せるということを忘れずに。」



 魔法だから体のあっちこっちから出せる? これは相手からしたら厄介でヤンスね。プロの暗殺者とかは体のあちこち、服装のあっちこっちに武器を隠してたりって言うでヤンスけど、それの制限を失くしたような感じ? でもまあ、魔法力を使うからしんどそうでヤンスから一長一短ではあるでヤンスね。



「しょうがない。少し本気を出すしかないな。でも、後悔するなよ? オレの攻撃は死ぬほど痛いぞ?」


(ズンッッ!!!)



 魔王さんの手元にでかくて黒い物体が突如出現したでヤンス! あの時牧場で牛人間をミンチにしたあの巨大棍棒でヤンス! 相変わらず手で持ってるっていうよりは手で摘んでるみたいな持ち方してるでヤンス! 体格はあっしとほとんど変わらないのでヤンスのに、ドコにそんな力があるんでヤンすかね? すごいでヤンス!



「ずいぶんご立派な物をお持ちのようで?」


「怖くなってきただろ? でも、コレを普通の棒みたいに振り回せるんだぜ?」


(ブオンッッ!!!)



 魔王さんが軽く振っただけでもスゴイ風圧! それを片手で軽く何度もブンブンし始めたでヤンス! 流石にジム君も必死に避ける! 形勢が完全に逆転したでヤンス! こんなの喰らったら、一撃でミンチ…じゃなくて、ジム君はスクラップと化してしまいそうでヤンス!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ